救命王子

山本律磨

雨(脚本)

救命王子

山本律磨

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〇コンビニの店内
砂原「・・・」
  『救命王子の真実第二弾!友人が語る王子の闇!』

〇海水浴場
  『救命王子はチーマー王子!未熟な救助が恋人の未来を奪った!』

〇海辺
  『田町さんは知ってたんですか?海斗さんの昔の話』

〇テントの中
田町「ああ・・・」
大倉「ふーん」
「・・・」
大倉「でも普通の大学生だったんでしょその頃は」
大倉「むしろそれがきっかけで救命の仕事目指すようになったんなら、こんなの今更責められる事じゃないじゃん」
田町「ああ」
田町「ただこれが『世間様』の審判ってやつだ」

〇SNSの画面
  『チーマー王子はライフセーバー失格!』
  『救命マニア岩波海斗』
  『ヒトゴ○シプリンス』
  『英雄気取りで救命失敗wwww』

〇テントの中
大倉「クソどもが・・・」
「あの~」
田町「あ、君は・・・」
晴香「海斗さん、いますか?」
「地元の、いちファンの、名も無き女の子」
晴香「言い方!」

〇島の家
  『あ~あ。今日は海の家も商売上がったりだな』

〇漫画家の仕事部屋(物無し)
青年団員「店も開けられねーし。とっとと帰りますか」
青年団員「ですね~」
砂原「ふっ!ふっ!ふっ!」
青年団員「偉いな~砂原。俺達も鍛えるか」
青年団員「おう。救命マニアなんかのさばらせてたら日ヶ岬ッ子の名がすたるぜ」
青年団員「お前、何キロから行く?」
青年団員「お前の体重くらいからだな」
青年団員「お?やっちゃうぞ~」
青年団員「させるか~」
砂原「・・・」
青年団員「なあ、救命王子が助けそこなった女って、誰だろうな?友達の一人とか書いてたけど」
青年団員「彼女じゃね。女の前でいいカッコしたかったんだろうよ」
青年団員「ふざけんなよ。海なめんなっつーの」
青年団員「イロボケプリンスがよ~」
砂原「・・・うるせえ」
青年団員「は?」
砂原「ギャアギャア騒ぐなら帰れ!トレーニングの邪魔だ!」
青年団員「わ・・・悪ィ悪ィ」
青年団員「あ、ちょっとションベン」
青年団員「俺も~」
砂原「日ヶ岬っ子の名がすたるんだよ」

〇海辺
海斗「・・・!」
晴香「傘くらい差して下さい。風邪ひきますよ」
海斗「ははっ。いきなり降り出してきたから面倒くさくて」
晴香「・・・」
晴香「・・・ここにいて下さい」
海斗「・・・」
晴香「日ヶ岬っ子はみんな海斗さんの味方です」
晴香「ネットに書きこんでる人達とは違います」
晴香「だからずっと。これからも。私たちの海を見守って下さい」
海斗「・・・」
晴香「以上。名も無きファンの意見でした~」
海斗「・・・ありがとう」
晴香「・・・ん?」
晴香「ちょっと~そこの人~!」
晴香「今、海に近づいたら危ないですよ~!」
海斗「・・・」
海斗「・・・え?」
海斗「お前は・・・」

〇海辺
??「そうですかね?」
??「随分晴れて来たじゃないですか」

〇海辺
海斗「・・・直哉」

〇海辺
直哉「またお会いできて光栄ですよ」
直哉「救命王子さま」
  続く

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