魔力を操れ

ガンダーラ磯崎

第6話 「成敗の追憶」(脚本)

魔力を操れ

ガンダーラ磯崎

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〇山間の集落
  ───────昭和35年──────
  ────ある地方の山村にて────

〇城のゴミ捨て場
総裁「どうも最近、空気がおかしいな・・・」
謎の男「・・・と言いますと?」

〇村に続くトンネル

〇城のゴミ捨て場
総裁「俺の跡をつけてる連中がいる・・・」
謎の男「本当ですか?」
総裁「ああ。 俺らの行動で影響が広がると マズいと踏んでいるんだろう・・・」
謎の男「そんな・・・・・・ この村を救ったのは、総裁なのに・・・」
  ────第6話「成敗の追憶」────

〇草原

〇山の中

〇けもの道

〇田舎道
農家のハナさん「稲が荒らされとる!!!」
農家のゲンさん「うちの田んぼもじゃ! カラスがぜーんぶ食い荒らしよった!!」
農家のヘイちゃん「これは、どういうこっちゃ!?」
農家のヘイちゃん「かかしが通用せんのじゃ・・・」
農家のハナさん「ぜんぶカラスやスズメにやられとるんじゃ!」
農家のゲンさん「そんな、いっしょくたに鳥が賢くなること なんてあるんか?」
農家のヘイちゃん「そんな目にあった事も聞いた事もないわ・・・」

〇古風な和室(小物無し)
宗次郎「ヨネや・・・」
ヨネ「お父さん、どうなさった?」
宗次郎「もし、ワシがこのまま死んだら・・・」
宗次郎「ワシを先祖代々の墓に入れんでくれ・・・」
ヨネ「なしてそんな事言うんだ?」
宗次郎「墓には入りとうない・・・・・・」
ヨネ「ほなら、どないして弔えばええの?」
宗次郎「鳥葬・・・・・・ 鳥葬しかないわ・・・」
ヨネ「・・・は?・・・ そ、そげなこと・・・・・・」
ヨネ「ご先祖さんでもやった人おらんやろうに・・・」
宗次郎「ええんじゃ・・・」
宗次郎「御間乃木山のてっぺんに・・・」
宗次郎「ワシの身体をそのまま捧げとくれ・・・」
宗次郎「頼む・・・」
ヨネ「・・・・・・お父さん?」
宗太「親父!!?」

〇雪山
  ──────御間乃木山──────
宗太「親父・・・ ほんにこれでええんか?」
ヨネ「見てられん!」
マヨルガ「やはり魂は、格別だ!! 全身の力が漲って行く!!」
宗太「親父・・・ 何で鳥葬がええ言うたんじゃ・・・・・・?」
ヨネ「こんな流儀、うちには無い・・・ やっぱり、ご先祖様に失礼や・・・」

〇炎
甚兵衛「宗次郎さん・・・」
ヨネ「あら!甚兵衛さん、 わざわざ来てくれはったんか・・・」
甚兵衛「ヨネさん、大変やったねえ・・・」
甚兵衛「もうすぐアユの解禁やから、 また一緒に釣り行こう言うとったのに・・・」
甚兵衛「ほんに将棋やらしても、麻雀やらしても 宗次郎さんは強かった」
甚兵衛「勝ったことあれへん」
甚兵衛「スナックの女の子にモテるのも、 いっつも宗次郎さんや・・・」
甚兵衛「よお「ニヒルやわあ〜」言われとったなあ・・・」
宗太「甚兵衛さん、忙しいとこ来ていただいて ほんにすいません・・・」
甚兵衛「宗太君。あんたのお父さんは、 ほんま、よおモテたでえ・・・」
甚兵衛「宗太君も、男前やからな、 女泣かせなるで・・・」
宗太「僕は、そんな融通効きませんわ・・・ 甚兵衛さん、今日は、ほんま来てくれて・・・」
甚兵衛「和代ちゃんは、宗次郎さんみたいな  旦那もらうんやで!」
和代「は、はい・・・」
甚兵衛「まあ火遊びで苦労するかもしれんけどもな」
甚兵衛「今、この場で火遊び言うとややこしいけども」
和代「いえ、わかります。 アホとちゃいますから。今日はありが・・・」
甚兵衛「スナックで1番綺麗なミエいう子がおってな・・・」
和代「はい、あのー・・・それは、今度また・・・」
甚兵衛「向こうも惚れてもうてな、 そこの角谷旅館でチョイチョイ会ってたらしいけどな、」
甚兵衛「ミエちゃん、スジモンの女やってな・・・」
和代「あ、それはもう本当に・・・」
甚兵衛「宗次郎!!ゆるすまじ!!」
宗太「な、何をしとるだが!!」
ヨネ「甚兵衛さんやめなはれ!!」

〇寂れた村
義夫「山火事じゃー!!」
倉持「原因は何じゃ?」
義夫「宗次郎はんの葬式じゃ! 火葬の火が、木に燃え移ったんじゃ!」
鉄彦「とりあえず早よ逃げな!!」
明美「もうどうにもならん!!」
紀之介「村の動物が猛っとる!!」
明美「炎で興奮してもうたんか?」
紀之介「猫も杓子も人間めがけて、 襲い来るんじゃ!!」
明美「何でやろか?」
紀之介「これは・・・・・・祟りじゃ・・・」
明美「祟り!?」
紀之介「そうじゃ!! 祟りが起きとるんじゃ!!!」

〇岩山
総裁「村に悪霊が降りて来とる・・・」
総裁「このままでは・・・・・・」
総裁「村が殲滅してしまう!!!!!!」

〇古びた神社

〇祈祷場
武弦老師「ほう!!」
武弦老師「魔脳岩が反応をみせた!!」
武弦老師「あなたは悪霊が視える人で間違いない!!」
総裁「ええ。ほんのわずかですが・・・」
武弦老師「この山頂からも、 火の音が聴こえて来たか・・・」
総裁「老師。 殲滅を防ぐには、もう時間がありません」
武弦老師「分かりました」
武弦老師「あなたに「魔除けの神器」をお渡しします!」
武弦老師「そして・・・・・・」
武弦老師「うちの初代が、悪魔封じの寺で知られる」
武弦老師「かのミザリー聖寺院から頂いた 門外不出の寺宝です」
武弦老師「これをあなたに授けましょう!」
武弦老師「もしもうまくいかなければ・・・」
武弦老師「またこちらへ駆け込んでくだされ!」
総裁「ありがとうございます!」

〇けもの道
マヨルガ「千悪の魔道も一悪から・・・」
ベガ「姉さん、もう百悪は、いってますぜ」
リタ「地上を掌握するのも、 時間の問題だね!」
マヨルガ「ん?法螺貝の音・・・?」
マヨルガ「この状況で、抵抗しようとする 輩がいるのか?」
ベガ「フン、よっぽど命知らずのバカか とんだ荒くれ者ですねえ・・・」
マヨルガ「それ、どっちもバカじゃねえか」
ベガ「姉さん、こりゃ失礼しました!」
リタ「ちょっくら始末してきますわ」
マヨルガ「頼んだぞ」

〇密林の中
リタ「うるせーなあ・・・」
リタ「危ねっ!!」
リタ「何でこんな丑三つ時に 陽が射してんだ?」
リタ「ヤベえ・・・」

〇岩穴の出口
リタ「ちょっくらここで休んでと・・・」
リタ「うわっ!!眩しっ!!」
リタ「クソッ!!」
リタ「クソッ!!結界張ってやがる!!」
リタ「雪隠詰めにされちまった!!」

〇けもの道
マヨルガ「リタが消滅した・・・」
ベガ「え!?やられちまったんですかい!?」
ベガ「ちょっくら見て来ますわ!」
マヨルガ「やめとけ!」
マヨルガ「並のエクソシストではない・・・」
ベガ「へ、へい、わかりやした・・・」
ベガ「ハグァッ!! 聖水!!!」

〇山の中
マヨルガ「フン、陽射しなんぞで消えるレベルではない」
マヨルガ「なるほど。灯篭だったか・・・」

〇村に続くトンネル
マヨルガ「!!!!!!!!」
マヨルガ「結界を張り倒してるみたいだな」
マヨルガ「またか!!」
マヨルガ「ひつけえな!!!」
マヨルガ「四方八方に結界を張ろうが、 時間の無駄だ!!」
マヨルガ「出て来い!エクソシスト!!」
総裁「やっと逢えたね」
総裁「林彪強社会凛烈材惨憺言羅盤街防単元未満株藍本弾丸患難山神汗倒諾峰総研弾羅魚間儚夜拉薩柳名墓列苣沙經尾薪場叉路羅身那珂裳化」
総裁「斬鉄儀権兵薔薇釜沙耶御沙汰真礼羅北 千等道尊鷹浅間渡中魚打破納谷葉力無 縄話我垢強仲機魂簿亜不動夜迦魔紫波」
マヨルガ「そんな聴いたことねえ 呪文唱えたってムダだよ・・・」
マヨルガ「これでおしめえだ!!」
マヨルガ「小賢しいザコ相手に、ちとやり過ぎたか?」
マヨルガ「仕立ての良い装束だろうが、  私の攻撃に掛かりゃ ボロボロになっちまうんだ・・・」
マヨルガ「ん!!!!???」
マヨルガ「カ、カカシ!? このエクソシスト、カカシだったのか!?」
マヨルガ「ナ、ナメやがって!!! カカシにテープ仕込んでやがった!!」
マヨルガ「ヤベッ!!」
総裁「ヨッシャー!!!」
総裁「悪魔封じ成功!!!!」
総裁「やっと終わった・・・」

〇祈祷場
武弦老師「はっ!!このエレキの音色は!?」
武弦老師「おはらい成就の吉報!!!」
武弦老師「あの兄ちゃん、ほんに悪魔を封じよったか!」
武弦老師「ようやった・・・・・・」

〇城のゴミ捨て場
謎の男「村の消滅を守ったにも関わらず、 総裁を疑う連中がいるなんて・・・」
総裁「結局、視えねえもんには、 何の意味も無えんだよ・・・」
総裁「俺だって平凡な人間なら、 俺を疑うもんな・・・」
総裁「世の中にはよお、自分と同じツラの人間が 3人いるらしいんだよな」
謎の男「ええ、聞いた事がありますね」
総裁「そこで、頼みたい事がある・・・・・・」
謎の男「何なりと・・・」
総裁「結社総出で、 俺の影武者を探してくれないか?」
総裁「容易な事では無いだろうがな」
謎の男「了解いたしました」
総裁「頼むぞ」

〇田舎道
農家のハナさん「ゲンさんとこの稲穂は、ええツヤしとる」
農家のゲンさん「なんとか半分の土地は生きとったからのお・・・」
農家のゲンさん「もともと強いのだけ残ったんやろうな」
農家のヘイちゃん「自然に間引けたっちゅうことか?」
農家のゲンさん「まあ、そう思うしかないわなあ」
農家のヘイちゃん「ハナさんとこもボチボチちゃうか?」
農家のハナさん「まあ、孫たちも手伝ってくれとるからのお」
農家のハナさん「上京する予定やったから、孫には 迷惑かけてもうたかもしれんけどのお・・・」
農家のヘイちゃん「ハナさん、そんな気にせんと喜ばな。 うちも同じやから」
農家のゲンさん「そうや。またもう一踏ん張りして、 子供らに沢山小遣いやって、送り出したら ええんとちゃうか?」
農家のハナさん「そうやな。そう考えるしかないな・・・」
農家のヘイちゃん「それにしても、いっつもワシら 同じ話しとんな?」

〇けもの道
  わずかな獣と、村人の中に、
  悪魔の残り香は、まだ受け継がれていたのであった・・・
  ──────つづく──────
  ──────HYBRID──────

次のエピソード:第7話 「紋章の代償」

コメント

  • 昔のマヨルガより今のマヨルガの方が親しみやすいですね。封印されている間に心変わりでもしたのか。しかし地上を征服するという野望は残っていそうですね。

  • おお、過去の因縁はこのようになっていたとは!
    魔除けの神器、何だかビジュアル的には疑問符がつきそうなものばかりでしたが、ちゃんと活用されてw 一番疑問に思ったエレキまでww

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