エピソード9(脚本)
〇住宅地の坂道
桃子とボスを乗せたパトカーが通る。
〇車内
桃子とボスが後部座席に乗っている。
桃子の手にはスマホが握られている。
画面にはプライドたちが連れていかれる様子が映し出される。
桜井桃子「祐一・・・・・・」
ボス「音声拾える?」
桜井桃子「わかった」
桃子がスマホを操作する。
中二「導かれし者たちに光を・・・・・・」
ボスが運転席を見て、
ボス「急げますか?」
〇屋敷の門
〇柔道場
根本丈瑠「特捜が動いていたのは意外でしたが」
根本丈瑠「まあ、大丈夫です」
根本丈瑠「証拠は消しておきますよ」
本山蓮司「特捜?」
根本丈瑠「名前はかっこいいですけど」
根本丈瑠「はぐれ者たちの集まりですよ」
根本が大笑いをする。
ボス「みんな私の大事な友達です」
根本が慌てて振り返る。
本山蓮司「お主は?」
ボス「名乗る気は一切ないです」
ボス「だって」
〇怪しい実験室
プライドとギャル、中二、
小沼と小塚が縛られている。
奥の方にはぼ~っとしている女の子たち。
ギャルが女の子たちに微笑み、
ギャル「大丈夫だし!」
ギャル「もうすぐ助けが来るし!」
女の子たちはぼ~っとしている。
ギャル「どうしたし?」
ギャル「お姉ちゃんたちに全部任せるし!」
女の子たちはぼ~っとしている。
プライド「わかったぞ」
ギャル「何がだし?」
プライド「本山組が幼女を誘拐していた理由だ」
小塚卓也「どんな理由なんですか?」
プライド「知らずに攫ってたのか?」
小塚卓也「はい」
小塚卓也「きっと組の拡大につながるって先輩から・・・・・・」
プライド「あの組長」
プライド「ロリコンだ」
ギャルと小沼、小塚が絶句する。
中二がブツブツと呪文を唱え続ける。
〇柔道場
ボス「そうですよね?」
修子がうつむき、本山が修子の肩にそっと手を乗せる。
根本丈瑠「そんな低俗な言葉で片づけないでいただきたい!」
ボス「事実を言っただけじゃないですか」
ボス「気持ち悪い」
根本丈瑠「気持ち悪い!?」
根本丈瑠「これだから女は!」
根本丈瑠「価値観が少し違うだけですぐそう言って拒絶する!」
根本丈瑠「それに比べて小さい女の子は純真無垢に・・・・・・」
ボスがチラッと時計を見る。
本山がじっとボスの様子を見ている。
本山修子「あなた?」
本山蓮司「ブツブツと何やら言っている坊主を連れてこい!」
根本丈瑠「え? は?」
本山蓮司「何を仕掛けた?」
ボス「答えるまでもないくらいベタですよ」
ボス「まあ、ロリコンには理解が及ばない・・・・・・」
根本丈瑠「ロリコンを一括して知能を低く扱うのは・・・・・・」
本山蓮司「挑発だ!」
本山蓮司「頭を冷やせ、バカタレ!」
本山蓮司「早く連れてこい!」
根本丈瑠「は、はい!」
根本が慌てて出ていく。
〇怪しい実験室
中二がブツブツと呪文を唱える。
女の子が涙を流している。
女の子「それでね、おじいちゃんが・・・・・・」
ギャル「もう大丈夫だし」
ギャル「ゴメンね、辛いこと話させて」
女の子が涙を流す。
小沼祐一「そりゃあ組長さん」
小沼祐一「奥さんとの関係、許してくれるよな」
小塚卓也「許した?」
小沼祐一「体裁上ああするしかなかったって言ってました」
小塚卓也「俺は、ロリコンのために働いてたってのか」
プライド「理由は知らなかったってことなら」
プライド「俺が証言して罪を・・・・・・」
ドアの鍵がカチャカチャと鳴る。
ドアの方に視線が集まる。
桃子がこっそりと入ってくる。
桜井桃子「祐一」
小沼祐一「え、桃子!?」
小沼祐一「何でここに!?」
桃子が小沼に駆け寄り、縛っているロープを解こうとする。
ギャル「あ、手錠の鍵は・・・・・・」
桜井桃子「おたくのボスから預かってる」
小沼を縛っていたロープが解ける。
桃子がポケットから手錠の鍵を取り出す。
プライド「ハッカーの子か」
中二「女神に仕えしこの御霊に・・・・・・」
ギャル「ちょうどいいタイミングだし?」
プライド「ああ、そうだな」
組員「ドアが開いてるぞ!」
組員「誰の仕業だ!?」
組員たちがなだれ込んでくる。
組員が桃子を見て、
組員「あの女だ!」
組員「どうやって開けやがった!?」
組員たちが桃子に走ってくる。
小沼の手錠の鍵が外れる。
小沼が組員にタックルをする。
組員「てめえ!」
小沼祐一「お願いします」
小沼祐一「桃子は一切関係がない・・・・・・」
組員「ああ!?」
ギャル「こっちのロープも解いてほしいし!」
桜井桃子「わ、わかった!」
桃子がギャルのロープを解く。
プライド「俺たちのボスは?」
桜井桃子「組長と話し合うって言ってた」
プライド「あのバカ!」
ギャルのロープが解け、ギャルはプライドのロープを解く。
ギャル「どうするし!?」
中二「さまよえる穢れた魂に一時の制裁を!」
組員たちが驚き、動きが止まる。
プライド「逃げるしかないだろう」