エピソード10(脚本)
〇柔道場
爆発音が鳴る。
修子が本山の腕をぎゅっと掴む。
本山がボスをにらみつける。
本山蓮司「随分と派手なことをしてくれる」
ボス「ここまでやれば徹底的に調べざるを得ないですからね」
本山蓮司「ロリコンに厳しいのう」
ボス「ロリコンだからじゃないですよ」
ボス「墓場まで持っていけなかったんですか?」
本山蓮司「歳を取るとな、我慢がきかな・・・・・・」
プライドが勢いよく入ってきて、
ボスを抱っこして走り去っていく。
本山蓮司「最後まで言わせてくれんか」
本山修子「あなた」
本山蓮司「次はロリコンが許される世界線に生まれたいのう」
本山修子「私はその世界線でロリに生まれ変わって」
本山修子「再びあなたと共にいたいです」
本山と修子が抱き合う。
〇おしゃれな廊下
プライドがボスを抱っこして走っている。
プライド「ロリコン談義中に死んだらどうするんだ!?」
プライド「死に方にはプライド持てよ!」
ボス「助けてくれるって信じてましたから」
プライドがため息をつく。
ボス「女の子たちは?」
プライド「あいつらに任せてある」
〇田舎の病院の廊下
組員たちが慌てて外に向かう。
ギャルと中二、小塚が
女の子たちを誘導している。
ギャル「どでかいの仕掛けてくれたなだし!」
中二「新しい調合を知ってしまった故・・・・・・」
小沼が桃子の手を引っ張りながら逃げている。
桜井桃子「祐一、私・・・・・・」
小沼祐一「いいから足動かせ!」
桜井桃子「私、祐一のこと・・・・・・」
小沼祐一「後で聞くから!」
〇屋敷の門
爆音が鳴り、本山組組員たちや
女の子たち、
ギャル、中二、小塚が出てくる。
遅れて小沼が桃子を連れて出てくる。
ボスを抱えたプライドも急いで出てくる。
事務所が崩れていく。
〇荒廃した街
茫然とする組員や女の子たち。
プライド「よくもまあ」
プライド「何を仕掛けたんだ?」
中二「ニトログリセリンと・・・・・・」
土煙が舞う中、人影が現れる。
息を呑む一同。
土煙の中から根本が現れる。
ギャル「おまえかい、だし!」
根本丈瑠「お」
根本丈瑠「お」
根本丈瑠「女の子~」
根本が倒れる。
パトカーが殺到する。
プライド「さてと、後処理だ」
ギャル「え~、だるいし」
プライド「グダグダ言わずにだな・・・・・・」
中二「正義を貫くとはすなわち付随する雑務も請け負うことを・・・・・・」
ギャル「わかったし!」
ギャル「やるし!」
プライドとギャル、中二が組員たちに手錠をかけていく。
プライド「逃げる奴はパト隊に任せていいからな」
桃子と小沼が地面に座り茫然とする。
ボスが桃子に近づき、
ボス「ゴメンね、桃子ちゃん」
ボス「こんなに激しくなるとは思わなくて」
桜井桃子「謝らなくていい」
桜井桃子「私がわがまま言ってついてきただけ」
小沼が桃子とボスの会話に聞き耳を立てている。
ボス「それじゃ、頑張って」
ボスが桃子の肩をポンと叩き去っていく。
小沼祐一「警察に協力してたのか?」
桜井桃子「うん」
桜井桃子「ハッキングを手伝ってた」
小沼祐一「そんなことできたんだな」
小沼祐一「知らなかったよ」
桜井桃子「引きこもっているうちに覚えてた」
小沼祐一「よくわかんねえが凄いな」
桜井桃子「外には出られなくなったけど、」
桜井桃子「祐一のこと、気になって・・・・・・」
小沼祐一「見てたのか?」
桃子がうなずく。
小沼祐一「そりゃあ、気になるか」
小沼祐一「俺たち、ちゃんと・・・・・・」
桃子が小沼の腕を掴んで、
桜井桃子「ダメ!」
小沼祐一「桃子が外に出れなくなるほど苦しんでるのは知ってた」
小沼祐一「それでも放っておいた」
小沼祐一「ゴメンな」
桜井桃子「やめて」
小沼祐一「最初は何とかしたいと思ってさ」
小沼祐一「思い切ってサッカー辞めて」
小沼祐一「女子が離れるようにしたりした」
桜井桃子「お願い」
桜井桃子「私、祐一がいないと・・・・・・」
小沼祐一「最初は桃子のためだったんだけど」
小沼祐一「でも段々と桃子のこと忘れていってた」
桜井桃子「お願い」
桜井桃子「言わないで」
小沼祐一「ゴメン、俺」
小沼祐一「桃子のこと」
小沼祐一「とっくに好きじゃない」
小沼祐一「別れよう」
桜井桃子「私は祐一のことが好き」
桜井桃子「ずっと好き」
小沼祐一「前に進んでいけば」
小沼祐一「俺のことなんかすぐに忘れるよ」
小沼祐一「せっかく外に出られるようになったんだ」
小沼祐一「頑張れ」
桜井桃子「私は忘れない」
桜井桃子「祐一のこと、ずっと」
小沼祐一「今日は会えて本当に良かったよ」
小沼祐一「じゃあな、桃子」
小沼が立ち上がり、警察官の元へ向かう。
小沼は警察官の前に両手を差し出す。
小沼の手に手錠がかけられる。
小沼が警察官に連れられ去っていく。
桃子が号泣する。
ボスが桃子の元へ近づき、そっと肩を抱く。
〇警察署の入口
数日後
〇応接室
ボスが警視総監から謝礼を受け取る。
ボス「助かります」
ボス「この子も立派に育ちそう」
ボスがお腹をさする。
警視総監「子供が天からの授かりものだっていうのはわかる」
警視総監「わかるんだが・・・・・・」
ボスがウっと呻き、口元をおさえる。
警視総監が慌ててボスを介抱する。
〇雑誌編集部
ギャルと中二がソファに座っている。
桃子がプライドの横に立っている。
プライド「と、いうことで」
プライド「今日からここに勤めることになる桜井桃子君だ」
プライド「仲良くやれよ」
桜井桃子「さ、桜井桃子です」
ギャル「よろしくだし!」
中二が会釈をする。
プライド「勤めるといってもサイバー捜査特別専任として・・・・・・」
ギャルのスマホのバイブが鳴る。
ギャル「あ!」
プライド「何だ?」
ギャル「ボスが産気づいたし!」
ギャル「警視総監室だし!」
中二「行きましょう!」
中二が駆け出していく。
ギャルが桃子とプライドに近づき、
ギャル「プライドとストーカーも早く行くし!」
ギャルが桃子とプライドを力いっぱいに押す。
桜井桃子「す、ストーカー!?」
桜井桃子「私のこと!!?」
プライド「産むの8人目だろ?」
プライド「色々心得てるって」
桜井桃子「8人目!!?」
プライド「子供産むために仕事してるところあるからな」
プライド「うちのボスは」
桜井桃子「そ、そうなの!?」
ギャル「ごちゃごちゃ言ってないで早く行くし!」
桃子とプライド、ギャルが出ていく。