エピソード7(脚本)
〇屋敷の門
〇黒背景
中二が屋根裏を這っている。
中二は天井口の前で止まる。
中二「ここが幼子が囚われし部屋」
中二が天井口から飛び降りる。
〇怪しい実験室
中二が天井から飛び降りてくる。
中二がカギを取り出し、鍵穴に入れる。
本山蓮司「よう、坊主」
中二が振り返る。
本山が刀を持ってニヤついている。
本山蓮司「わかってるよな?」
中二「無念」
中二は後ろ手でスマホを操作する。
〇明るいリビング
桃子とボスが並んでソファに座る。
桃子がスマホを操作している。
スマホのバイブが鳴る。
桜井桃子「あ、何か連絡来たよ」
ボス「返してもらって大丈夫?」
桜井桃子「大丈夫」
桜井桃子「使っても問題ない」
ボス「ありがと」
桃子がボスにスマホを渡す。
ボス「あちゃー」
ボスが電話をかける。
ボス「もしもし」
ボス「連絡来ましたか?」
〇車内
〇車内
運転席にプライド、助手席にギャルが座っている。
後部座席には手錠をかけられた小沼と小塚が座っている。
プライド「ああ、こっちにも連絡来たぞ」
ボス「動けますか?」
プライド「悪い」
プライドが窓の外を見る。
〇住宅街
本山組組員たちが車を囲っている。
プライド「こっちも詰んだ」
〇明るいリビング
ボス「了解しました」
ボスが桃子にスマホを渡し、
ボス「ゴメンね、急いでくれる?」
桃子はボスからスマホを受け取り、
桜井桃子「もう終わる」
桃子はスマホを勢いよくタッチしていく。
桃子はスマホをボスに返す。
ボス「終わったの?」
桃子がうなずく。
ボス「早いね、さすが」
桜井桃子「大した事、ない」
ボスがキッチンの方にいる里香を見る。
ボス「ごめんなさい、騒がしくなるかも」
桜井里香「え?」
〇一戸建て
本山組組員が入り口ドアの前に立っている。
組員「いるのはわかってんじゃ、ボケ!」
組員「いるなら出てこいや、ボケ!」
組員「いなくても出てこいや、ボケ!」
組員たちがドアをバンバン叩く。
〇明るいリビング
桃子と里香が互いに抱き合いながら震える。
ボスがソファから立ち上がる。
ボス「そろそろかな」
ボスはゆっくりと歩き出ていく。
外から悲鳴が聞こえる。
〇一戸建て
ドアが開き、ボスが出てくる。
ボス「急に連絡してごめんなさい」
地面には警察官に組み伏されている本山組組員たち。
クールが本山組組員に手錠をかけている。
クール「構わないわ」
クール「大した仕事じゃなかったし」
ボス「後はお願いしてもいいですか?」
クール「ええ、もちろん」
クールが家の中をちらっと見る。
ドア越しに桃子と里香が覗いている。
クール「あの子がハッキングの子?」
ボス「ええ」
クール「あんな大人しそうな子がねえ」
ボス「近くで見ましたけど凄い速さでしたよ」
クール「それでも急いだほうがいいかもよ」
クール「証拠映像、警視庁のサーバーに届かなくなってるみたい」
ボス「わかりました」
ボスが中に入っていく。
〇シックな玄関
桃子と里香がボスを出迎える。
桜井里香「あ、あの・・・・・・」
ボス「もう大丈夫ですよ」
里香が胸を撫で下ろす。
ボス「ねえ、桃子ちゃん」
桜井桃子「何?」
ボス「本山組のライブ映像、見れる?」
桃子がこくんとうなずく。
〇柔道場
本山が椅子に座っており、その横に修子が寄り添っている。
組員たちが中二を蹴り飛ばしている。
組員のポケットから淡い赤い光が灯っている。
組員「何とか言ってみろや、ボケ!」
中二「ここに煉獄の炎を纏いし死神に誓う・・・・・・」
組員「ああ!?」
組員「頭おかしくなったんか、ボケ!」