ORESTORYのEPILOGUE(脚本)
〇古い倉庫の中
『こうして、何だかんだあったけど俺は愛する凛と二人・・・』
『いや、お腹の子と三人で新しい道を生きていく事を決めたんだ』
『しかし、あのとき助けた冴えない老人がまさかゼネラルハイパー商会の会長だったとは、人生何があるか分からない』
〇豪華な社長室
ゼネラルなんちゃらの偉い人「私は君のボクサーとしての経歴や才能ではなくむしろ若さと情熱を買ったんだ」
ゼネラルなんちゃらの偉い人「これから我が社で君の新しいストーリー」
ゼネラルなんちゃらの偉い人「いや、伝説を作ってくれたまえ!」
〇古い倉庫の中
『この工場での日々を俺は決して忘れないだろう』
蓮「うん?」
某田「おい、四ツ爺!フラついてんじゃねーぞ!邪魔なんだよ!」
四ツ谷「す、すみません・・・」
某田「とっとと辞めてくれよ!迷惑なんだよ!」
四ツ谷「ひい~」
蓮「・・・オイ」
某田「な、なんだよ・・・また暴力かよ」
蓮「TEAMだ」
某田「ああ?」
蓮「こんな小さな工場でも、大切なのはチームワークなんだよ!」
蓮「それが分からねえなら辞めるべきはお前だ」
蓮「昔の俺がそうだったように・・・」
某田「チッ・・・言うようになったじゃねえか」
四ツ谷「あ、ありがとう蓮さん」
蓮「今までみたいに坊やでいいさ」
蓮「さあ、手伝うよ。ヨッサン」
『そう。俺の拳は殴るためじゃない』
蓮「こうやって助ける為に使うものだったんだ」
〇職人の作業場
蓮「・・・」
蓮「・・・ふう」
蓮「あばよ!俺の青春の日々!」
四ツ谷「あ、あの。蓮さん」
蓮「だから坊やでいいって」
四ツ谷「世界に羽ばたく君に坊やはないよ」
四ツ谷「はい。これ餞別」
蓮「また訳のわかんねー彫刻作って」
蓮「こんなもん作ってる暇あったら、もう少し鍛えろよな」
蓮「もう庇ってやれねえんだぞ。ヨッサン」
四ツ谷「ははっ。君も頑張ってね」
蓮「こっちの台詞だぜ!」
〇見晴らしのいい公園
凛「な、なにこれ?」
蓮「大彫刻家四ツ爺の新作。価値でるかもな。なんちゃって」
蓮「やべえ!妙なもん見せたから、お腹の子に触るかも」
凛「そういうこと言わないの。お世話になったんでしょ?」
蓮「ああ。ボクシングもあの工場も、俺のPROLOGUEさ」
蓮「いつまでも青春してられる四ツ爺の人生が羨ましいぜ」
凛「それ本気で言ってるの?」
蓮「まあ、そういうストーリーもあるって話。俺のこれからのストーリーはお前とお腹の子のために作っていくんだ」
蓮「そしていつか伝説になる。ゼネラルハイパー商会のエースとして」
蓮「つって~♪」
凛「もう、すぐに調子に乗るんだから。この子も蓮に似なきゃいいんだけど」
凛「でも支えるよ。これからもずっと蓮を」
蓮「ああ、生きていこう。これからも」
蓮「青春は終わり!これからが俺の・・・いや俺達の人生だぜ!」
TheEnd
〇格闘技リング
キャスト
石橋蓮
笹本凛
西園寺翔
伊知地沙彩
飯島幸太郎
某田大輔
四ツ谷正夫
園村洋子
卜部マッケンロー
曼珠沙華旭
轟響子
猪苗代麻呂美(特別出演)
富士川蔵之介
主題歌 RITSU
『人生そんなに甘くねえ!』
脚本/監督 山本律磨
〇白
『一年後』
〇オフィスのフロア
ゼネラルなんちゃらの上司「なんだよこの成績はよォ!」
ゼネラルなんちゃらの上司「どんだけ根性あっても、顧客とってこれなきゃクズなんだよクズ!」
蓮「クズ・・・」
ゼネラルなんちゃらの上司「お、おい!また手を出すのか?今度はいよいよ上司が相手か?」
ゼネラルなんちゃらの上司「いくら社長の恩人だからって、これ以上は庇いきれねえかもなあ~」
蓮「す、すみません」
ゼネラルなんちゃらの上司「ゼネラルのツラ汚しがよ」
蓮「・・・」
〇荒れた公園
蓮「はあ・・・」
蓮「もしもし」
『今日ご飯いるの?いらないの?』
蓮「ああ、もういいや」
『あっそ』
『また残業また飲み会』
『いいなー。私も、毎日子育て残業してるけど全然飲みにいけないなー』
『主婦の仕事時給に換算するとそっちより稼いでるはずなんだけどなー』
蓮「なあ、凛」
『あ、仕事辞めるなんて言わないでよね。さんざんパパとママの反対押し切って結婚したんだから』
『ゼネラル、クビになったら恥ずかしくて二度と親戚に会えなくなっちゃうじゃん』
『もっと蓮太郎の将来を考えて、死ぬ気で働いてくんないとヤバイんだけど私達』
蓮「・・・ああ、がんばるよ」
『はあ~疲れた』
蓮「・・・」
蓮「・・・」
〇SNSの画面
蓮「・・・」
蓮「・・・!」
『日本人初の快挙!ワールドアーティスティックコンペティション最優秀作品賞!』
『彫刻家四ツ谷正夫さん』
蓮「四ツ谷正夫・・・」
蓮「・・・そうか」
蓮「そうか・・・ついに」
蓮「ついに・・・ついにやったんだな!」
〇荒れた公園
蓮「・・・フン」
NeverEnd
最初、何かの続編かと思いました。
ありがちなストーリーへの批判なのですね?
安易に物語が終わっても、人生は続くし綺麗事じゃないですねww
批評精神に溢れた作品ですね!
人生はエンドロールが流れてからが正念場ということでしょうか。子供の頃は「家に帰るまでが遠足です」と言ったものですが、大人は「棺桶に入るまでが人生です」なんですね。