エピソード4(脚本)
〇ストーカーの部屋
桃子がPC画面を見て頭を掻きむしる。
桜井桃子「どうなってんだ、一体!?」
PC画面には小沼と修子の仲睦まじい映像が映し出されている。
桜井桃子「ああああああ!」
桃子がPCをバンバン叩く。
PC画面に大量のウィンドウが開く。
桜井桃子「あっ」
〇研究施設のオフィス
根本丈瑠「よしよしよし!」
根本がPCの前でガッツポーズをする。
PC画面にはある位置を特定した画像が表示されている。
ボス「特定できたんですね」
ボスがPC画面をのぞき込む。
根本が慌てて振り返る。
根本丈瑠「いたんですね」
ボス「ごめんなさい」
ボス「気になっちゃって」
ボスが根本の前に缶コーヒーを置く。
根本丈瑠「あ、ありがとうございます」
ボス「この位置情報、こちらに回せますか?」
根本丈瑠「もちろんです。これを・・・・・・」
画面から位置情報が消える。
根本丈瑠「はあ!?」
ボス「なるほど、素晴らしい情報をいただけました」
ボス「ありがとうございます」
根本丈瑠「はい?」
ボスがクスクスと笑いながら去っていく。
根本は茫然とボスの後姿を見送る。
〇ストーカーの部屋
桃子がPC画面を見ている。
桜井桃子「このハッカーは片手間で処理できるか」
桜井桃子「侵入されたとて取られるもんもないし」
桃子はキーボードを叩き、本山組組員のチャットをハッキングする。
本山組組員のチャット画面。
桜井桃子「隠語があるな」
桜井桃子「こう翻訳すれば・・・・・・」
桃子がキーボードを素早く叩く。
桜井桃子「よし、これでこの暴力団が捕まれば祐一も助かる」
桜井桃子「お願い!」
〇雑誌編集部
ボスがドアを開き、入ってくる。
プライドとギャル、中二がくつろいでいる。
ギャル「あ、帰ってきたし!」
プライド「長いトイレだったな、大丈夫か?」
ボス「もう、女子に聞くことじゃないですよ」
中二「こちらが魔王城のカギになります」
ボス「古いタイプの鍵だ」
ボス「作ってくれて助かるね」
プライド「ホント、なんでもやってくれる」
プライドがボスにPC画面を見るように促す。
ボスが画面を見る。
画面には一軒家が表示されている。
プライド「これが次のターゲットの家らしい」
プライド「隠語まで解読してくれたぞ」
ボス「おお、すごい」
ボス「それじゃあ、作戦を・・・・・・」
プライド「信用していいのか?」
ボス「え?」
プライド「根本が言ったようにフェイク動画の可能性・・・・・・」
ボス「それはないですよ」
ボス「ただ必死なだけです、この子は」
ボス「それに外からも力を借りたいですし」
プライド「根本じゃダメか?」
ボス「ダメっていうか・・・・・・」
〇屋敷の門
〇畳敷きの大広間
小沼と修子が並んで眠っている。
本山が入ってくる。
小沼がビクッとなる。
本山蓮司「別にキレやしねえよ」
小沼祐一「え?」
本山蓮司「お前ら」
本山蓮司「もう少し静かにできねえか?」
本山修子「あなたが聞いてるって思うだけで」
本山修子「より興奮しちゃうんだもん」
本山蓮司「ってことだ坊主」
本山蓮司「これからもこいつの相手頼むわ」
本山蓮司「他の奴にはバレないようにな」
小沼祐一「い、いいんですか?」
本山蓮司「ああん!?」
小沼祐一「す、すいません!」
本山蓮司「自分に嘘をついてまで抱くのは修子に悪いからな」
本山修子「私は愛情をくれれば充分なのよ」
本山蓮司「ああ、ありがとな」
見つめ合う本山と修子。
小沼祐一「あ、あの・・・・・・」
本山と修子が小沼を見る。
〇ストーカーの部屋
桃子が頭を抱えている。
PC画面にはくつろぐ本山と仲睦まじい様子の小沼と修子。
桜井桃子「どうなってるんだ!?」
桜井桃子「何か、何かが見つかるはずだ!」
桃子がキーボードを一心不乱に叩く。