月下美人

ホマ

エピソード5(脚本)

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〇森の中
  9月30日
  AM9:00
寺島「長谷川刑事」
寺島「くそっ、またか」
長谷川「寺島、会議行くぞ」

〇警察署の入口

〇大会議室
戸田「山林殺害事件の報告だ。長谷川」
長谷川「被害者の名前は倉田薫。28才。 殺害時刻は・・・」
戸田「午前3時から4時の間。 凶器も尖ったやつか?」
  戸田は、未だ解決出来ない
  この事件にイライラしていた。
戸田「犯人捕まえんのに、 どんだけ時間掛かってんだ」
戸田「もう3ヶ月も経ってんだぞ」
長谷川「それは分かってます」
長谷川「ただ、あまりにも 犯人に繋がる糸口が少なすぎて・・・」
戸田「言い訳なんぞ聞きたくない。 さっさと、聞き込みに行け」
戸田「こっちはな、警察の信用が掛かってんだ」
長谷川「分かりました」

〇警察署の廊下
寺島「ハセさん、戸田警部補怒ってましたね」
長谷川「あぁ。何としてでも、 早く犯人逮捕に努めんとだな」
寺島「殺害時刻と凶器以外に、 何か変わったことはなかったですか?」
長谷川「いや、特に変わった所はなかったぞ?」
寺島「そうなんですね」
寺島「ハセさん、亡くなった被害者の写真 見せてくれませんか?」
長谷川「あぁ。こいつだよ」
  長谷川は、寺島に倉田の写真を見せる。
寺島「う~ん」
長谷川「寺島、どした?」
寺島「この顔、どっかで見たことあるんですよね」
長谷川「それ、本当か?」
寺島「はい。確か情報提供の声掛けして、 家に帰ろうとした時」
寺島「そうだ!女、倉田の横に女がいました。 髪の長い女が」
長谷川「よし、その女に聞き込みしに行くぞ」
寺島「ですが、どうやって聞き込みに?」
長谷川「とりあえず、倉田の見辺調査が先だな。 今から倉田の家に向かう」

〇デザイナーズマンション
長谷川「いいマンションに住んでんだな」
寺島「ですね。俺、大家さんにカギ借りてきます」
  カギを借り、倉田の見辺調査をするものの
  花に関するものは何一つ出てこなかった。
寺島「何も出てきませんでしたね」
長谷川「倉田のスマホからは マッチングアプリが出てきた」
長谷川「つまりお前が見た女は、マッチングアプリで出会った女の可能性があるな」
寺島「マッチングアプリだと、 聞き込みは厳しいですね」
寺島「そういえばハセさん。 倉田の財布見掛けました?」
長谷川「いや、俺は見てないぞ?お前は見たか?」
寺島「いえ。俺も見てないです」
長谷川「そうか」
寺島「俺、もう一度聞き込みに行ってきます。 渋谷に」
長谷川「じゃあ、俺は倉田の勤務先を当たってみる」
  寺島と長谷川は、単独で捜査に出た。

〇SHIBUYA109
  寺島は渋谷に着き、
  片っ端から聞き込みを行う。
寺島「すみません。県警の者ですが、 この男性に見覚えないでしょうか?」
  通行人に倉田の写真を見せる。
「すみません。ちょっと分からないです」
寺島「そうですか。ありがとうございました」
寺島「さすがに昼間は厳しいかな。 夜にまた出直すか」
  寺島は昼間の捜査を諦め、
  長谷川に電話を掛けようとした。その時
  長谷川から着信が鳴った。
寺島「ハセさん、何か分かりましたか?」
「いや、倉田のやつ 先日会社をクビになってたらしい」
「人事の話しだと、勤務中に マッチングアプリしてたみたいだ」
寺島「そうなんですか」
「全く。最近の若もんは仕事より、 プライベートを優先すんのか。呆れたもんだ」
「お前の方はどうだ?何か分かったか?」
寺島「こっちも手掛りなしです。 なので、また夜に出直そうかと思います」
「そうか。寺島、今日はこのまま直帰しろ」
寺島「えっ、ハセさんはどうするんですか?」
「俺もこのまま直帰する。どうやら体調が悪い」
寺島「だっ、大丈夫ですか?」
「しばらく休めば大丈夫だ。 寺島、当分単独捜査を頼む」
寺島「分かりました」
  寺島は長谷川との通話を終え、
  自宅へ直帰した

〇SHIBUYA109
  その日の夜、寺島は再び渋谷を訪れ
  聞き込みを再開する
寺島「すみません。県警の者ですが、 この写真の男性ご存知ありませんか?」
「いえ、知りません」
寺島「そうですか。ありがとうございます」
  道行く通行人に声を掛けるが、
  誰も倉田を知る者はいなかった
寺島「せめて、倉田と一緒にいた あの女と会うことが出来ればなぁ」
  寺島は深く溜め息をついた
寺島「こうなったら、聞き込み範囲を広げるか」
  寺島は渋谷を離れ、別の場所で
  聞き込みを開始することにした

〇森の中
「どれだけ待てば、私の望みは叶うの?」
「いつになれば、私の望みを 叶えてくれる人は現れるの?」
「ねぇ、誰か教えて・・・」

次のエピソード:エピソード6

コメント

  • 花さんに近づくことができないままの警察、何やら長谷川刑事の体調が気がかりですね。
    そして、花さんの望みとは、叶うのか、ドキドキしっ放しでした!

  • 立て続けに更新して頂き、ありがとうございます。ストーリーも間もなく最終段階に突入でしょうか。これからの展開が楽しみです。

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