〇海水浴場
　　夏だ！
部下ちゃん「いえーい！」

〇海水浴場
　　ビーチだ！
守信寺さん「楽しいです」

〇海水浴場
　　お仕事だ！
上司さん「ちょっと待ってください」
上司さん「二人とも なんでくつろいでいるんですか？」
上司さん「「臨時の水質調査が入ったから 沖津海岸で仕事です。 濡れてもかまわない服装で」 そう伝えたはずですよ」
守信寺さん「部下ちゃんから 「沖津海岸で夏祭り！ ド派手水着で大集合！」 って聞きましたけど」
上司さん「部下ちゃん」
部下ちゃん「ちゃんと伝えました （自分の願望を）」
　　上司さんの連絡は予想通り
　　部下ちゃんの不合理ブラックホールに
　　飲み込まれてしまいました
守信寺さん「あの、今からでも お手伝いしましょうか？」
上司さん「私が何とかしますよ 二人は「休日」扱いでＯＫです」
　　上司さんは一人で仕事を
　　始めました

〇海岸の岩場
上司さん「何とか一人で終わらせないと」
　　上司さんは頑張っています

〇水中
　　そのころ海の中では
サメさん「腹減ったなあ」
　　空腹のサメが泳いでいました

〇海水浴場
部下ちゃん「まったりのんびり これぞバカンスっす」
守信寺さん「はあ （後で上司さんに 差入れしようかしら？）」
　　沖合にサメがあらわれました
　　「遊泳禁止」となります
　　海から上がってください
部下ちゃん「あらら でも海に入らなけりゃ 問題ないっしょ」
守信寺さん「上司さんはこのこと 知っているのかしら？」
　　繰り返します！
　　沖合にサメがあらわれました
　　「遊泳禁止」となります
　　海から上がってください
　　浜辺にいる人たちは
　　海から上がってきますが
　　少し離れたところの人たちは
　　あまり反応が無いようです
部下ちゃん「もしかして上司さん 聞こえてないかも」
守信寺さん「ちょっと行ってみましょうよ」
　　二人は上司さんのいる
　　岩場に向かうのでした

〇海岸の岩場
上司さん「潮が満ちてきましたね 急がないと」
　　やはり上司さんのところまで
　　アナウンスは聞こえて
　　いないようです

〇水中
サメさん「ビーチの方は俺に気づいて 逃げ始めたな」
サメさん「だが岩場に 逃げ遅れがいる」
　　サメは上司さんを
　　ターゲットにしたようです

〇海岸の岩場
サメさん「もうちょっと潮が満ちれば 行けるぜ！」
　　サメは波打ち際まで来て
　　アシカを襲うことがあるのです

〇海岸の岩場
　　二人が岩場に近づくと
　　サメはすでにスタンバイ状態でした
部下ちゃん「ヤバい！ 上司さん ワニワニパニック状態だー！」
守信寺さん「遠すぎて間に合わないです！」
部下ちゃん「ならば魔法だー！」
守信寺さん「えーと・・・ でも、威力のある火炎系は 水で相殺されるから・・・」
　　二人ともすっかり
　　慌てきっているようです
部下ちゃん「守信寺ちゃん 魚には弱点の雷撃を！」
守信寺さん「そうでした！」
部下ちゃん「「雷神の鎚」 ファイエル！」
守信寺さん「承知 オン・バサラ・サトバ・アク 破！」

〇海岸の岩場
　　上司さん、危ない！

〇海岸の岩場
　　守信寺さんの雷撃は
　　サメに直撃
　　こうかはばつぐんだ！
　　サメは気絶した

〇海岸の岩場
部下ちゃん「やったー！」
守信寺さん「手ごたえあり！」

〇海岸の岩場
　　が、話はそこで終わりません
　　電撃は海水（電気伝導体）を
　　伝わって・・・
上司さん「あばばばば！」
　　上司さんを直撃！
　　こうかはばつぐんだ！
　　上司さんも気絶した

〇海岸の岩場
「し、しまったーー！」

〇海
　　波間に浮ぶ上司さん
　　早く助けないと！
　　だがしかし
　　信じられないほど
　　急な海流が上司さんを
　　沖に押し流したのです
　　海岸の波打ち際から沖に向かってできる強い流れ
　　「離岸流」に飲み込まれたのでした

〇海岸の岩場
部下ちゃん「見えなくなっちゃった」
守信寺さん「ああ、何てことに」
　　もはや二人では
　　どうにもならない状態に・・・

〇海
　　沖に流された
　　上司さんは思いました
　　退職まで後５年
　　「仕事なんて程々にしておけば
　　よかったんですね」
　　その後、上司さんは
　　ゆっくりと海に
　　沈んでいきました

〇黒
　　長い間働きづめだった
　　上司さんの人生
　　それももう・・・

〇アクアリウム
　　そのころ海の中では
　　ひとりの人魚が泳いでいました
人魚さん「さっきはサメが降ってくるし 今日は変な日ねえ」
人魚さん「・・・（ん？）」

〇水中

〇アクアリウム
人魚さん「あれは」

〇水中

〇アクアリウム
人魚さん「親方ーー！ 空からおじいさんが！」

〇黒
　　上司さんの人生は
　　まだ終わらせて
　　もらえないようです
　　
　　おしまい