上司さんと部下ちゃん(屍鬼もいます)

内田 今日―

エピソード17 ちょっとの事が大事なようです  (部下ちゃん受難編)(脚本)

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〇応接室
  上司さんはクライアント様の
  事務所にいます
上司さん「このたびは弊社をご指名 いただきありがとうございます」
上司さん「リサーチ内容は 「過疎地における肥満度調査」 とありますが?」
クライアント「都心部のスポーツジムは供給過多です 「であるならば過疎地を狙って 差別化を」と思っているのです」
上司さん「・・・(スポーツジムのオーナーならもう少し痩せたほうが・・・)」
上司さん「なるほど 得心しました それでは近々にリサーチを開始します」
  新しいリサーチの商談を終えて
  上司さんは
  オフィスへ戻りました
クライアント「もう帰ったみたいだね」
クライアント「暑い暑い とっくに限界だよ」
クライアント「この星の生物に化けるというのも なかなか手間だなあ」
宇宙人「擬態解除 あー暑かった」
宇宙人「つか 人間の皮をかぶっているだけ なんだけどね」
  惑星観測員Ⅿ1号
  状況を知らせよ
宇宙人「あ、やべ 定時連絡の時間だ」
宇宙人「こちらⅯ1号 現在「地球」の潜入予定地をリサーチ中」
宇宙人「クリアになりましたら 潜入開始願います」
  了解
  次の報告を待つ
宇宙人「さてと結果待ちか」
宇宙人「我々と地球人では体形が全く違う」
宇宙人「こっそり殺して入れ替わるにしてもだ」
宇宙人「それなりに太っていてくれなければ」
宇宙人「人間の皮をかぶって 擬態することもできないからな」
  どうやらスポーツジムの話はウソで
  宇宙人の目的は
  人間に擬態して潜入することのようです

〇田園風景
  数日後、宇宙人の目論見を
  知る由もなく
  部下ちゃんと守信寺さんは
  郊外へリサーチに出かけたのでした
部下ちゃん「はーるばる来たぜー ド田舎ー」
守信寺さん「部下ちゃん 地元のかたに失礼かと」
守信寺さん「上司さんが 「自分は行きたくない」と言うなんて 珍しいことでしたね」
部下ちゃん「なーんか田舎に嫌な思い出でも あるんでしょー 知らんけど」
  部下ちゃんは
  「エピソード2 みんなお腹がすいている」のことを忘れているようです
守信寺さん「おかげで 私は久しぶりに 外の空気が吸えてうれしいですよ」
部下ちゃん「事務所の中だけじゃ 気が滅入るもんねー お、目的地の小学校発見」

〇田舎の学校
  二人が到着すると
  役所の方が出迎えてくれました
役所の人「お疲れ様です なんでも都会のスポーツジムが 出店されるとか」
守信寺さん「まだ見積りの段階ですが 見込みがあれば可能性は高いと 申し上げます」
部下ちゃん「んじゃ始めますんで モニターの方を呼んできて もらえますか?」
役所の人「了解です」
守信寺さん「早速準備しましょう」
部下ちゃん「準備完了!」
守信寺さん「順番にどうぞ」
モニターA「よろしく」
部下ちゃん「はいOK」
モニターB「ハイごめんよ」
守信寺さん「・・・(肉付きの良い方ばかり)」
モニターc「あー どすこい!」
部下ちゃん「・・・(体重計が可哀そう)」
役所の人「はいお疲れ様でした 正直、あきれたでしょ」
役所の人「今の田舎はみんな車で移動するから 肥満系ばっかりなんですよ」
役所の人「ちょっとした 車での移動の積み重ねが 皮下脂肪を増やすんですよ」
部下ちゃん「あ、そーゆーことかあ!」
守信寺さん「部下ちゃん 言葉遣いに気を付けて」
役所の人「ははは 構いませんよ事実ですし」
部下ちゃん「にゃはは」
役所の人「ですからぜひともスポーツジムの 出店お願いいたしますね」
守信寺さん「「現地からの強い要望あり」 と報告させていただきます」
  役所の方が出迎えてくれたのは
  地元の方々の肥満問題解消のため
  だったのです
  ともあれ二人は無事に
  リサーチを終えたのでした

〇個別オフィス
  センターに戻った二人は
  上司さんに報告しています
上司さん「二人とも お疲れさまでしたね」
守信寺さん「疲れるなんて むしろ楽しかったです」
部下ちゃん「なーんか 「スポーツジム来てください(切実)」 でしたっす」
上司さん「田舎にですか?」
守信寺さん「なんでも 田舎は自動車の普及で 慢性的に運動不足だそうです」
部下ちゃん「みんなポッコリさん だったっす(笑)」
上司さん「なるほど それならクライアント様の ご期待に沿える形になりそうですね」
部下ちゃん「それじゃあ 結果を入力して 数式を入れてっと」
部下ちゃん「ほい! データを上司さんのところに 転送しました」
  意外に仕事の早い部下ちゃん
  でも、ちょっと雑な気がします

〇応接室
  上司さんはクライアント様の前に
  リサーチ結果を提出しました
上司さん「リサーチの結果がでました 報告いたします」
クライアント「お願いします」
上司さん「リサーチの結果 全サンプルが おや?」
クライアント「どうしたのです? もったいぶらないでくださいよ」
上司さん「それがその・・・ BMI値11~15で 瘦せ型になります」
クライアント「それでは潜入できないじゃないか!」
上司さん「潜入?」
クライアント「いや、あの ・・・参入 そう! 参入ですよ」
上司さん「・・・(部下ちゃん! ポッコリさんは どこにいったんです!)」
上司さん「ともかく よろしくないリサーチの結果となり 申し訳ありません」
クライアント「いや、うーん しかたありません 今回はひとまず中止か」
クライアント「もちろん リサーチ内容は満足ですので 料金は見積りどおりに支払いましょう」
上司さん「お心遣いありがとうございます それでは失礼いたします」
  上司さんは
  料金を全額もらえるにもかかわらず
  浮かない顔で退出しました
クライアント「行ったな 擬態解除!」
宇宙人「うーん、悩んでいてもしょうがない 連絡をしなければ」
宇宙人「こちらⅯ1号 応答せよ」
  Ⅿ1号
  結果はどうだった?
宇宙人「みんな痩せ型で 我々が擬態するのは無理です」
  うーむ、しかたない計画は
  一時中断して再検討する
  君はすみやかに撤収しろ
宇宙人「了解 撤収します」
宇宙人「やれやれ 「骨折り損のくたびれ儲け」 ってやつか」
  結果的に部下ちゃんの計算ミスが
  宇宙人の潜入を阻んだのでした

〇空

〇個別オフィス
  上司さんがクライアント様の所へ
  向かった後
守信寺さん「上司さんがリサーチの結果を 報告にいきましたね」
部下ちゃん「にゃはは お客様も大満足間違いなし」
守信寺さん「だと良いですね ん?」
部下ちゃん「どーしたの?」
守信寺さん「BMI値の計算間違ってますよ!」
  正:体重/(身長x身長)
  誤:体重/(身長x身長x身長)
部下ちゃん「え、どゆこと?」
守信寺さん「リサーチ結果が 太りすぎ→痩せすぎで 真逆になっています!」
部下ちゃん「あわわわ どーしよー!」
守信寺さん「素直に謝るしかないのでは?」
部下ちゃん「ヤバいがヤバい マズイがマズイ!」
守信寺さん「・・・(また、耳が聞こえなくなってる)」
部下ちゃん「何とか誤魔化す方法は ないあるあるないあるないあないあるない ひょんげー!」
  部下ちゃんはすっかり
  パニック状態になってしまいました

〇車内
  一方帰社途中の上司さんは
上司さん「また部下ちゃんが いい加減な仕事をしたんですね」
上司さん「戻ったら 厳しく叱ろう」
上司さん「と思いましたが」
上司さん「遠出をして休む間もなく レポートを作ってくれたんだし」
上司さん「今回はスルーですね」
  何とか怒りを収めたのでした

〇個別オフィス
  上司さんがオフィスに戻ってみると
着ぐるみ「・・・・・・」
上司さん「やれやれ ただいま戻りました ん?」
着ぐるみ「・・・・・・」
上司さん「部下ちゃん 何をしているんです?」
着ぐるみ「アタシハ部下ちゃんデハ アリマセン」
上司さん「「リサーチ結果でミスした件を 誤魔化そう」 そういうことですか?」
  ほんのちょっとした切っ掛けが
  上司さんの怒りに火を付けました
着ぐるみ「・・・・・・」
上司さん「どうして正直に謝らないのです?」
着ぐるみ「あのあの(汗)」
部下ちゃん「ごめんなさーい! わざとじゃないんですー!」
上司さん「駄目です!今から終業まで 叱責の時間とします!」
部下ちゃん「わーん(泣)」
守信寺さん「・・・(どうして怒りを爆発させるような 行動を取るのかしら?)」
  ちょとしたミスで宇宙人の潜入を
  食い止めた部下ちゃんは
  ちょとしたミスで上司さんの叱責を
  受けることになるのでした
  おしまい

次のエピソード:エピソード17.5 ちょっとの事が大事なようです (上司さん受難編)

コメント

  • 本話タイトルのカッコ書き「部下ちゃん受難編」にドキドキしてしまいましたが、キツいお叱りでしたか……日頃の上司さんのように、火やら水やらくまさんやらの受難があるのかと思ってしまいましたww

  • 気付けば表紙がカッコよくなっている…
    次の更新も、マッタリ待ってます!

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