エピソード1(脚本)
〇遊園地の広場
沢山の人で賑わうテーマパーク。
その中にあるカップルシートに小沼と修子が座っている。
小沼が修子の肩を抱き寄せ、スマホをかざし自撮りする。
小沼と修子が撮った写真を確認する。
本山修子「あ、これ、いい!」
小沼祐一「よし、保存っと」
本山修子「アップしちゃだめだからね」
小沼祐一「わかってるよ」
小沼は修子の頬にキスをする。
修子が頬を赤らめる。
小沼祐一「今日は何時までオッケーなの?」
本山修子「今日は旦那、帰ってこないから・・・・・・」
ジェットコースターが通りすぎる。
小沼祐一「とりま、あれ乗ろう?」
本山修子「うん」
小沼と修子がカップルシートから立ち上がり、手をつないで歩いていく。
小沼と修子が動画配信者とすれ違う。
動画配信者「えー、次に紹介するのはこのカップルシート!」
〇一戸建て
〇ストーカーの部屋
薄暗い部屋の中、PC画面の光が桃子を淡く照らす。
桃子は爪を噛みながら動画を見ている。
動画配信者「永遠に結ばれるといわれるこのカップルシート!」
動画配信者の後ろでいちゃつく小沼と修子の姿が映る。
桜井桃子「誰だ、あのおばはんは!?」
桃子は息を整え、ケケケと笑う。
桃子がパジャマの袖をまくると、腕いっぱいに痣がある。
桃子は腕を頬ずりしながら、
桜井桃子「祐一は私のモンだ」
桃子はスマホを手に取り、ニヤッと笑う。
〇遊園地の広場
配信者の後ろを制服を着た女の子が通る。
桃子「この制服は・・・・・・」
〇SNSの画面
桃子「附記高校か」
桃子が画面を次々に切り替える。
先ほどの女子高生がアップしたアイスクリームを頬張る画像を見つける。
その画像の後ろにはアイドルイベントのスタッフTシャツを着た男性が映りこんでいる。
桃子「この大衆のカメラからは」
〇ストーカーの部屋
桜井桃子「逃げられない」
と、スマホを操作しながらケケケと笑う。
スマホ画面には小沼と修子が仲良く手をつないで歩く画像が次々に映し出される。
桜井桃子「後はこのおばはんの旦那を見つけて送り付ければいいっと」
桜井桃子「祐一は私だけを見ていればいい」
桃子がスマホをタッチし、フフフと笑う。
〇ストーカーの部屋
数日後
桃子がおびえた様子でパソコン画面を凝視している。
〇柔道場
本山がニヤニヤしている。
修子が本山に寄り添っている。
投げ捨てられた学生カバンのポケットから淡い赤い光が灯る。
小沼が小塚や組員たちに殴られ倒れる。
小塚卓也「テメエ、何したかわかってんのか!」
組員「黙ってねえで何か言ってみろ、こら!」
組員が小沼を蹴り飛ばす。
小沼祐一「こ、このたびは・・・・・・」
小塚卓也「生意気に口利いてんじゃねえ、ボケ!」
小沼が投げ飛ばされる。
小沼祐一「どうすればいいんだよ」
本山「どうすればいいかって?」
本山が小沼に近づいていく。
小沼が修子のほうをちらっと見る。
修子は小沼から視線を逸らす。
小沼がうなだれる。
本山が小沼の前でしゃがみ、小沼の顔を掴み、ニヤニヤと小沼を見る。
本山蓮司「頼まれごとを聞いてもらえねえか?」
小沼がガタガタ震えながら本山を見る。
本山蓮司「ちっちゃい女の子、さらっと攫ってきちゃくんねえか?」
小沼祐一「え? は!?」
本山蓮司「やれ、頷くまでな」
本山が小沼から離れる。
小塚や組員たちが小沼にゆっくり近づいていく。
斬新な角度から描き始めた第一話ですね。元カレ&暴力団員たちの空間と、この主人公が今後どう関わっていくのか楽しみになります