2話「望み」(脚本)
〇謁見の間
広々として、黄金色の高級品の数々が並ぶ部屋。
ここは東の国の王が勤める城だ。
今日は魔王を倒した記念日で魔王を倒した英雄達が褒美をもらっている。
英雄達が財や権力を願うなか、私の番が迫っていた。
「国が平和ならそれでいい。」と言いたいとこだが、正直言えば私もこの日を待ちわびていた。
私の番が来て王の前に膝をつく。
東の王「よくぞ戦い抜いた!感謝する。 そなたの願いはなんだ?」
ミカ「恐れながら申し上げます。王よ。私の願いは普通の生活です。普通の学生の生活が送りたいのです」
〇教室
制服を着て、学校の教室の机に座り授業を受ける。
願いは叶えられ、普通の学生として生活を許された。
自分の過去をかくしてなんとかやっている。
今日も何時ものように学校へ向かい、自分の席に座って青髪の友人、ラン・レティシヤと何気ない会話をしていた。
ラン「この学校、出るらしいよ。」」
ミカ「出るって?何が?」
疑問に対してランは前髪で目元を隠して両手をだらんとふらつかせながら答えた。
ラン「幽霊だよ」
ミカ「まぁこれだけ広い建物ならいてもおかしくないかもね!」
ラン「・・・アリスって変わってるよね」
ミカ「?」
そんな何気ない会話をしていると教室の扉が開いた。
不知火 白夜「おはよう、クソガキども。相変わらず時計も見れねえようだな、ここは動物園か?」
ラン「朝から不機嫌だな。先生!肩でも揉もうか?」
生徒達は罵倒されたにも関わらず笑っている。
なんやかんだ面倒見のよい性格から生徒からなつかれている。
彼もまた、私と同じく魔王を倒した英雄の一人だ。
戦場では「裏切りの英雄」と呼ばれていた。名は不知火 白夜、茶色の瞳が印象的な彼が教師になったのは私と同じだと思う。
英雄となった者のほとんどは幼少期から戦い方を叩き込まれて来た者ばかりだ。
平凡な生活は夢のまた夢だった。
普通を願う気持ちは分かるし、実際に私もその道を選んだ。
不知火 白夜「このクラスの三割が補習になってるぞ?どうゆうつもりだ?」