第12話 さよなら魂(脚本)
〇コックピット
ヨシト「よし、魔王の魂を倒すぞ!」
レイカ「さっき『強力なる光線』って 電話越しに聞こえたけど・・・」
ひまり(魂)「ハイパーラブリーボム、 みたいなものかなぁ・・・?」
松井(魂)「・・・で、誰か操作わかります?」
「・・・」
松井(魂)「・・・」
松井(魂)「愚問でした」
ヨシト「ええい!とにかくこの辺のボタン、 適当に押してみよう!」
レイカ「そんな乱暴な・・・」
ヨシト「よし!みんな、このボタン押すぞ・・・!」
ヨシト「ココロをひとつにっ!!」
「ひとつにっ!!」
暖房20℃で運転を開始します
ひまり(魂)「・・・空調じゃん!」
ひまり(魂)「空調までついちゃったよ、 アタシのカラダ・・・」
松井(魂)「人体の神秘・・・」
ヨシト「つ、次はこのボタンだ!いくぞ!」
ヨシト「ココロをひとつにっ!!」
「ひとつにっ!!」
ひまり(魂)「な、なんか動き出した!」
ひまり(魂)「出るかな、必殺技・・・!?」
〇荒野
トラストジェンダー「アッタカ〜イオチャ、イカガデスカ?」
〇コックピット
菅原(電話越し)「もしもし、ひまりちゃん!? なんかお茶出てきたんだけど!」
ひまり(魂)「なんの機能よっ!!」
〇荒野
ザムザ「・・・なぜお茶が?」
ヴァヴェル「わからんぽよ・・・」
ザムザ「今のうちに、一旦魔界に撤退するか?」
ヴァヴェル「それは名案ぽよ!体制を立て直すぽよ!」
菅原(・・・まずい、まずいぞ!逃げられる!)
菅原「・・・よし」
菅原「ここはボクがっ!!」
菅原「あ、あの・・・すいませーん」
ヴァヴェル「急になんだぽよ?」
菅原「もしもまだ次のカラダが 決まってないのであれば・・・」
菅原「ボクのカラダ、また貸しますけど・・・?」
ヴァヴェル「な、なにを言い出すぽよ!」
ザムザ「・・・」
ザムザ「よろしくお願いしまあああああすっ!!」
ヴァヴェル「ザ、ザムザ様!明らかに怪しいぽよ! やめたほうがいいぽよよ!」
ザムザ「うるさい、ヴァヴェル! わたしだって、イケメンの皮をかぶって 女の子にキャーキャー言われたいのだ!」
ヴァヴェル「なにをモテようとしてるぽよ! 魔王がモテてどうするぽよ!」
ザムザ「・・・モテたいに決まっているだろうっ!!」
ザムザ「モテたいし、スイーツだって食べたいし、 お気に入りの車でゴキゲンなナンバーを かけながら湘南の海辺を走りたいのだ!」
ヴァヴェル「なにかに毒されているぽよ!」
ザムザ「とにかく・・・イケメンは正義!!」
ヴァヴェル「魔王が正義とか言っちゃダメぽよ!!」
菅原(みんな、今のうちに早く・・・!)
〇コックピット
松井(魂)「また・・・お茶ですね」
ひまり(魂)「同じ機能に何個ボタンを 割り当ててんのーっ!?」
ひまり(魂)「なんなの、このわがままなカラダは!?」
松井(魂)「・・・違う意味に聞こえますよ」
ヨシト「・・・残されたボタンはあとひとつ!」
レイカ「引き悪すぎっ!」
ひまり(魂)「もう、間違いないよね・・・?」
「・・・」
「スイッチオーンっ!!」
〇荒野
トラストジェンダー「プレミアム、ハイパー、ラブリー・・・」
トラストジェンダー「ボーーーーー厶ッ!!」
ザムザ「だーかーらー、こんな見た目だけど ココロはイケメ・・・」
ザムザ「え」
ヴァヴェル「ザムザさまぁぁぁぁぁっ!!」
ヴァヴェル「え」
〇コックピット
「・・・」
「やったぁぁぁぁぁっ!!」
ヨシト「・・・『魂はあるべきカラダへ還り』」
レイカ「カラダが元に戻ろうとしてる・・・!?」
ひまり(魂)「・・・ってことは」
ヨシト「・・・そろそろお別れだな」
ひまり(魂)「ヨシトさんっ・・・!!」
松井(魂)「こんなにすぐ、なんですね・・・」
レイカ「魔王から世界を守れたのは、 ひまりちゃんと松井さんのおかげよ」
ひまり(魂)「レイカさんっ・・・!!」
松井(魂)「ううっ・・・」
ヨシト「・・・じゃあな」
レイカ「・・・元気でねっ」
「ありがとうっ!!」
ヨシト「・・・小柄なヒロイン!」
レイカ「・・・メタボなヒーロー!」
ひまり(魂)「アタシも・・・ヒロイン?」
松井(魂)「レイカさん、メタボって・・・ 最後にそりゃないよ・・・ううっ」
ひまり(魂)「ロボのカラダが・・・縮んでく!」
松井(魂)「ゆっくり・・・ふたつに・・・!」
〇黒
「あ」
〇可愛い部屋
ひまり(幼少期)「あのね、ひまりはね、 すっごいまほーがつかえる ひろいんなんだよ!」
ひまりの父「どんな魔法なの?」
ひまり(幼少期)「あのね、だれかがまいごになっててもね、 どこにいてもちゃんとみつけだせるの!」
ひまりの父「なんだそれ・・・ でも、確かにすごい魔法だなぁ」
ひまり(幼少期)「えへへ・・・」
〇黒
「・・・」
「・・・りちゃん」
「・・・ひまりちゃん!」
〇荒野
菅原「ひまりちゃん!ひまりちゃん!」
菅原「・・・ひまりちゃん!?」
菅原「よかった・・・気がついた?」
ひまり「カラダ、戻ってる・・・」
ひまり「菅原さん・・・アタシ・・・」
菅原「ひまりちゃん、 しばらく気を失ってて・・・」
菅原「あー、気がついてよかった!」
松井「・・・うーん」
松井「・・・私のカラダだ」
ひまり「松井さん!よかった・・・!」
松井「・・・この人は?」
菅原「・・・ヴァヴェルですよ」
松井「えっ!?」
菅原「ヴァヴェルの魂が 抜けていったあと、この姿に・・・」
松井「・・・この人もカラダを 乗っ取られていたというわけですか」
松井「魔力が抜けてしまえば、 外見は普通のナイスミドルだ・・・」
ひまり「・・・」
ひまり「パ」
ひまり「パパ・・・?」
〇黒
つ づ く
合体ロボの体内のボタンが、空調とお茶多数ww ツボに入ってしまいました……
そしてモテたいと公言する魔王ザムザ様って……