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makihide00

最終話 あしたの魂(脚本)

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〇荒野
菅原「・・・パパ!?」
松井「10年前に蒸発したって言ってた・・・!?」
ひまり「・・・うん」
ひまり「間違い・・・ないと思う」
カツヤ「う、うう・・・」
菅原「目を覚ましそうだ!」
松井「もしもし、大丈夫ですか?」
カツヤ「うう・・・」
カツヤ「ここは・・・どこだ?」
「・・・」
(よかったー・・・「ぽよ」って言わなくて)
カツヤ「・・・あなたは?」
ひまり「・・・パパ」
ひまり「ひまり・・・だよ」
ひまり「・・・パパっ!!」
カツヤ「・・・」
カツヤ「ひまり?」
カツヤ「・・・お嬢さん、冗談はよしてください」
カツヤ「うちのひまりはまだ7つですよ?」
カツヤ「あなたのことは、存じ上げません」
ひまり「うあ・・・あ・・・」
松井「ひまりちゃん!無理もないよ・・・ 10年ぶりなんだから!」
菅原「そ、そうだよ・・・しっかりして!」
ひまり「・・・」
ひまり「すいません!人違いでしたっ!」
「ひまりちゃん!!」
ひまり「・・・」
ひまり「アタシ・・・魔法つかえなかった・・・」
ひまり「ちっともヒロインなんかじゃない・・・!!」
菅原「ひまりちゃん!なんで逃げたの!」
菅原「・・・あのね」
菅原「実は、ボクが魂の状態で 玉の中に閉じ込められていた時・・・」
菅原「キミのお父さんと・・・一緒だったんだ」
菅原「お父さん、いつも話してたよ・・・」
菅原「7歳の、それはそれはかわいい 娘がいるんだ、って・・・」

〇黒
カツヤ「私ね、7歳の娘がいるんです」
カツヤ「もう少し小さい頃は 「大きくなったらパパのお嫁さんになる」 って言ってたんですよ」
カツヤ「それが今じゃ 「パパは汗臭いからイヤー」って・・・」
カツヤ「でもね、その言い方がまたかわいいんだ」
カツヤ「・・・はぁ」
カツヤ「会いたいなぁ、娘に・・・」

〇荒野
菅原「あの玉の中では、時は止まったまま」
菅原「だからお父さん、 繰り返し繰り返し7歳の娘が どれだけかわいいか話してた・・・」
菅原「まさか、その娘が ひまりちゃんのことだなんて 思いもしなかったけど・・・」
菅原「・・・ひまりちゃん」
菅原「10年という時は、 あまりに長いかもしれない」
菅原「でも、あれだけ娘のことを 想ってるお父さんとなら、きっと 乗り越えられるんじゃないかな・・・」
松井「・・・娘のことを 想わない親なんていませんよ」
松井「時間はかかるかもしれませんが、 これから先、失くした10年以上の 思い出を作っていけばいい・・・」
松井「ひまりちゃん・・・お父さんと もう一度話してみませんか?」
松井「大丈夫・・・きっと信じてくれますよ」
ひまり「・・・」
ひまり「あ、あの・・・」
ひまり「さっきは驚かせてごめんなさい」
カツヤ「・・・」
ひまり「信じてもらえないかもしれないけど ・・・アタシ、ひまりです」
ひまり「・・・あなたの娘の」
ひまり「もう17歳になりました」
ひまり「・・・アタシ、パパがいなくなってから ずっとココロにフタをしてたの」
ひまり「パパはいないんだ、 最初からいなかったんだって 思い込もうとしてた・・・」
ひまり「・・・でも、本当は」
ひまり「ツラくて、寂しくて・・・会いたくて」
ひまり「もうダメ・・・フタなんかできない・・・」
ひまり「ねぇ、パパ・・・」
ひまり「パパ・・・」
ひまり「一緒に、おうちに帰ろ・・・?」
カツヤ「・・・」

〇可愛い部屋

〇荒野

〇荒野
カツヤ「・・・」
カツヤ「ひまりっ!!」
ひまり「パパっ!!」
カツヤ「ひまり・・・ひまりっ・・・!!」
ひまり「帰ろ・・・ママも待ってるよ」
松井「これはくるねぇ・・・菅原くぅん」
菅原「泣くしかないっすよ・・・松井さぁん」

〇黒
  1ヶ月後・・・

〇綺麗なダイニング
ひまり「おっはよー!」
ユリカ(ひまりの母)「おはよう」
カツヤ(ひまりの父)「おはよう、ひまり」
ひまり「パパ、おはよう!」
ひまり「・・・今日も面接?」
カツヤ(ひまりの父)「ああ・・・ 早く仕事を探さなきゃならないからな」
ユリカ(ひまりの母)「土曜日なのにお疲れ様・・・」
カツヤ(ひまりの父)「10年間、苦労をかけたからな・・・ 早く家庭に貢献しないと」
ひまり「アタシ、もう行くねー」
ユリカ(ひまりの母)「朝ごはんは?」
ひまり「うん、ちょっと・・・ お腹すかせて行きたいからっ!」
カツヤ(ひまりの父)「ハンカチ持ったか?ティッシュは? 暗くなる前に帰るんだぞ!」
ひまり「パパ・・・アタシもう高2だよっ!!」
カツヤ(ひまりの父)「あ・・・」
カツヤ(ひまりの父)「すまんすまん、まだ慣れなくてな・・・」
ひまり「もー、パパったら!」

〇駅前ロータリー(駅名無し)
ひまり「・・・」
「ひまりちゃーん!」
ひまり「あ、松井さん!お久しぶりです!」
松井「ちょっと散歩がてら 駅前に来てみたら・・・偶然ですねぇ」
松井「・・・もうあれから、1ヶ月ですか」
ひまり「そんなに経ったんですね・・・」
松井「そもそもあの朝、ここでモンスターに 出くわさなければ」
松井「そして、ヨシトくんとレイカさんが 車にはねられなければ」
松井「こうして今、ひまりちゃんと 親しげに話すこともなかった・・・」
ひまり「・・・なんだか不思議ですねー」
ひまり「ヨシトさん・・・レイカさん・・・ 今ごろどうしてるんだろ」
松井「きっと、あっちで仲良くやってますよ」
松井「あるいは、また別のカラダを借りて こっちの世界で暮らしてたりして・・・」
ひまり「ありますかね、その可能性・・・」
松井「いやー、でも・・・楽しかったなぁ!」
松井「若者たちに混じって、 こんなおじさんが走ったり叫んだり・・・」
松井「なんだか、青春・・・ だった気がするなぁ、久しぶりの」
「ひまりちゃーん!」
松井「おっと・・・では、 邪魔者は去るとしますか」
ひまり「そんな、邪魔者だなんて・・・」
松井「いや・・・だってねぇ・・・」
ひまり「な、なんですかー!その顔!」
松井「いやいや、失礼」
松井「それじゃあ・・・ しっかり青春を楽しんで!またね!」
ひまり「もー・・・松井さんったら・・・」
菅原「ひまりちゃん!待った?」
ひまり「いえ、今来たところですー」
菅原「朝ごはんは?」
ひまり「しっかり抜いてきました!菅原さんは?」
菅原「ボクも抜いてきた」
菅原「・・・あのさ、もう 名字にさん付けやめない?」
菅原「だってさ・・・ボクたち、もう・・・」
ひまり「・・・そ、そうですねっ!」
ひまり「・・・あー、でも楽しみだなー!」
ひまり「お互い、まだ味わってないですもんねー」
ひまり「・・・自分の魂ではっ!」
菅原「そっか・・・そうだね」
ひまり「なんか変なのー」
菅原「じゃ、そろそろ食べにいこっか」
「プレミアムパンケーキ!!」

〇綺麗なダイニング
アナウンサー「・・・では、次は かわいい動物のニュースです」

〇ペットショップの店内
アナウンサー「こちらのペットショップの2羽のインコ、 鳥とは思えない流暢な言葉が 話題を呼んでいます」
インコ「・・・トラスト、マーン、ケンザーン」
インコ「・・・トラスト、レディー、サンジョー」
「・・・」
「マガサシタ・・・」

〇綺麗なダイニング
カツヤ(ひまりの父)「おい、どうした?」
ユリカ(ひまりの母)「インコがどうかしたの?」
ひまり「・・・」
ひまり「なーにやってんのおおおおおっ!?」

〇黒
  ご愛読、ありがとうございましたっ!

次のエピソード:【おまけ1】エンドロールのようなもの

コメント

  • 完結おつかれさまでした!
    軽妙なストーリーと愉快なネタを存分に楽しませてもらいました!
    どんなラストになるのだろうかと思っていたら、まさかのペットショップ!? ザムザさまに続いて2人もインコに!?
    素敵なお話をありがとうございました!

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