6.Bal A Versailles/Dancers③(脚本)
〇白
『サンジェルマン伯爵』
『賢者の石』の精製に成功した
『天才錬金術師』であったという通説があり
様々な年代・地域で『観測』された為
『不老不死』『超常存在』と呼ばれた──
『ヨーロッパ史上最大の謎の人物』である
〇山中の川
オルコット「そんな奴が 『ド変態野郎』だった⋯ってコト!?」
ジェーン「⋯まぁ、 でもまだ『憶測』の段階だから」
ヘレナ「⋯」
ヘレナ「ぶっちゃけ 『イケメン』の部類だと思ってたのに⋯」
ヘレナ「中身、『エロジジイ』だったのかよッ!」
〇木の上
(⋯いくらなんでも『言い過ぎ』では?)
『伯爵』(やれやれ⋯)
〇山中の川
『興味深い話題』で盛り上がってる所、
非常に申し訳ありませんが⋯
〇黒
これから『悲劇』が
引き起こされるというのに
『伯爵』「⋯いつまで黙って見ているつもりですか?」
〇白
!!
〇先住民の村
『女王』「皆様、ごきげんよう」
『女王』「『合衆国政府の使節団』です」
『女王』「誰か、『お話の分かるリーダー』は いらっしゃいませんか?」
首長(チーフ)「生憎、こちらは『合意性社会』でのう 『リーダー』なんていないんじゃよ」
首長(チーフ)「だがまぁ、『交渉』に慣れてる ワシが矢面に立つことにしようかの」
首長(チーフ)「お前らの目的は?」
『女王』「『政府』は『先住民族』の方々と ”交渉”をしたがっております」
どうぞ、
書面に提案の要項をまとめております
〇黒
-『先住民族移住法』の案内-
法案内容の確認
及び、移住に伴う特別報酬についての説明
〇城の会議室
この法案は、専用居住特区
『先住民族準州』への
一族移住を要請するものである
移住に合意頂ける場合は
元の住処の面積・地価に応じた
『特別報酬』を国庫金から支払う
また、『年金制度』により
一族・文化の存続や生活費を
国を上げて保障する事を約束するものである
〇先住民の村
『女王』「別段、悪い話ではないと思いますが?」
『女王』「むしろ『特区』に移住していただければ 生活に苦労することは無くなりますよ?」
首長(チーフ)「⋯」
首長(チーフ)「その『特区』とやらに どれくらいバッファローは生息してる?」
〇原っぱ
お前らが『鉄道』とやらを引く為に
何頭のバッファローが犠牲になった?
『我らの平和と強さの象徴』を
感謝も無く貪り、
肥料にしてきた気分は?
〇山中の川
それに、いま『特区』にいる部族達に
この『年金』はちゃんと払えているのか?
『南北戦争』だか何だか知らないが
戦後間もないお前たちに
我々を養う『余力』はあるのか?
〇先住民の村
首長(チーフ)「ふざけるのも大概にしろッ!!」
そもそも『移住法』自体、
『30年程昔』から存在するものだろう!!
今の大統領が『不可侵協定』を結んだお陰で
特区移住は『希望者制』のハズ!!
首長(チーフ)「今さら『故郷を去れ』⋯!?」
首長(チーフ)「こんなバカげた交渉あるかッッ!!」
『女王』「『交渉』するつもりなんて ”最初からありませんよ?”」
『女王』「私が気になるのは、 お前達『蛮族風情』が」
なぜ『複雑な英語で書かれた書面』を
”一瞬で理解出来たのか?”
〇黒
ま、だいたい予想はついてますけど
〇先住民の村
『女王』「まだ近くに『彼女達』は居るはず!!」
絶対に見つけなさい!!
無抵抗の奴らは
見つけ次第、即捕縛!!
『女王』「『かみさまの異能』を研究する為の 『実験マウス』になってもらうわ!」
〇先住民の村
〇湖畔
『女王』「いつだってこの世は『美しいモノ』で 満たされているべきだと思わない?」
『女王』「こんな綺麗な湖畔がある『土地』、 『土臭い蛮族共』には勿体ないでしょ?」
『女王』「代わりに、ホテルや劇場を建てて 煌びやかな『歓楽街』を造りましょう!!」
とびきり綺麗な庭園もあつらえるの!
祖国の『バラ』も取り寄せてね!!
〇黒
あぁ、楽しみ!とっても楽しみよ!!
あはははははははははははは!!!
〇先住民の村
あなた達との『出会い』は
もう『無かったこと』には出来ないけど⋯
これから起こりうる、『最悪な未来』
ヘレナ「それだけは、『絶対に選ばせない』!!」
ヘレナ「『仇討ち(リベンジマッチ)』よ!! 『結社(フラタニティ)』!!」
『女王』「『劇場』『国葬』、そして『今回』」
『女王』「さながら『ツアー』に ついてくる『ファン』みたいね?笑」
『女王』「でも、残念ながら『今回』で─────」
『女王』「『終演』にさせていただくわッ!」
ヘレナ「みんなッ!」
”死にたくなければ『指示』に従ってッ!”
〇黒
6.
バラ ベルサイユ
Bal A Versailles
(ベルサイユの舞踏会)
〇大広間
『女王』「ひとたび 『舞台(ステージ)』に上がったのなら」
『女王』「『女王の歌声』に ”虜(とりこ)”まれて──────」
〇大広間
”踊り続けるしかない”
〇大広間
ヘレナ「”みんな動くな”ッッッ」
ロナト「クソッ!カスったッ!! (みんな『致命傷』は避けられた⋯?)」
ヘレナ「『ダメージコントロール』って奴よ!」
ジェーン「⋯ブツブツ⋯ブツブツ」
ヘレナの『異能』の効力を信用し、
数分間『致命傷』の可能性は
”ない”と判断したオルコットは────
〇大広間
『命中精度』向上の為、
敵との距離を最速で詰める
『女王』(銃持ち3人相手に『正面突破』ァ?)
『女王』(こっちも狙いやすくて助かりますね〜笑)
では、ここで──────
〇黒
とある『射撃技術』を説明する
〇大広間
オルコットの所持する銃は
いわゆる『シングルアクションタイプ』
射撃一発毎に、
①『ハンマー』を指で降ろし
②『引き金』を引く行為 を必要とする
──────では
『多数相手』にどう立ち回れば良いのか?
①
『利き手』で銃を抜きつつ
そのまま『ハンマー』を
コッキング(引き起こし)位置に降ろす
※通常の射撃準備
〇黒
②
『空いた片手の指』を
『扇子(ファン)』の如く広げつつ
『ハンマー』目がけてスライド───
この『刹那』で
”発射回数分『引き金』を引き”
”『ハンマー』を連続して指で降ろす”
つまりは、『射撃にかかる諸動作』を
”コンパクト 且つ 一瞬で数回行う”
〇大広間
『一瞬』で数発射撃する技術仕様の為、
『発砲音』は
”1発分にしか聴こえない”
───それが
『ファニングショット(扇ぐ射撃)』
〇大広間
ヘレナ「届いて、ない!?」
『女王』「頭 が 高 い の よ 『 愚 民 共 』 が ッ」
『女王』「des vies dénuées de sens. (意味無き生命たちよ)」
『復活(Réutilisation)』
ヘレナ「ッ!?」
『女王』「『擬似・錬金生命(ホムンクルス・エラーズ)』」
『女王』「『聖女様』から拝借した 『再利用可能な人モドキ』よ!」
〇白
『女王』「!?!? 何この『声』!?」
『女王』「あ、集中が、、」
〇先住民の村
アイヤナ「景色が!」
ジェーン「ブツブツブツ⋯ブツブツ」
ロッキー「ヴヴぅぅゥぅゥッ!!」
『女王』「クソ犬がァ!!」
アイヤナ「⋯ロッキー?」
『女王』「ああっ、最悪! 『バイ菌』が伝染ったらどうしてくれるの!」
『女王』「死ねっ!死んでろっ!! 汚ねぇケダモノなんて要らねぇンだよ!!」
アイヤナ「いっ」
〇黒
いやぁあぁあああああぁあああああ!!!!
⋯なんで?
ウチ、何か悪い事したの?
白人に優しくした『報い』?
『大精霊(グレイトスピリッツ)様』の『罰』?
ウチはただ、みんなの為に────
『生き残る道』を探してただけなのに──
アイヤナ「助けてよ⋯」
アイヤナ「どこの『かみさま』でも!! 誰でも!! 何でもいいから!!」
「助けて!助けてよぉ〜〜〜〜ッ!!!!」
ジェーン「⋯ッ、そう、なんだ、、『分かった』」
〇黒
『作戦』?
そう、『作戦』
相棒とジェーンにしか頼めない
『最重要事項』
出会って間もない『間柄』なのに
こんな『無茶苦茶な事』頼むの、
正直気が引けるんだけどね⋯
〇白
相棒は敵の『手札』を晒させる為に
”ひたすら攻撃と回避に専念する”
最悪、『途中で死ぬ事自体』も
敵の『手札』暴く事に繋がるかもしれないわ
ジェーンはひたすら『情報収集』
”とにかく私に情報を伝えて”
『異能の使いすぎ』で、以前の私みたいに
『行動不能』になる事も折り込み済みよ
オルコット「まぁ、ほぼ『死ね』って 言ってるようなもんよね」
ジェーン「本当にそうなったら⋯もう⋯」
大丈夫
〇黒
そんな『最悪な未来(結末)』だって
”考え方を変えれば『切り札』になり得る”
〇大広間
『未来選択(Paradigm Shift)』
ヘレナ「”みんな動くな”ッッッ」
ロナト「クソッ!カスったッ!! (みんな『致命傷』は避けられた⋯?)」
ヘレナ「2人とも!!」
ヘレナ「”ありがとう、助かった!!”」
ヘレナ「アイヤナ!ロッキー!力貸して!!」
あなた達がいれば『勝てる』!!
〇大広間
みんな逃げろ逃げろ!!
こっちよこっち〜ッ!!
『女王』「このっ! 無駄な足掻きしやがって『愚民』がッ!」
〇赤(ダーク)
『劇場』は村全体を覆ってる!!
絶対に逃げることはできない!!
どこに隠れても無駄なのよッ!!
ッ!!
〇要塞の廊下
ヘレナ「⋯アンタの『異能』は、」
ヘレナ「”自分に心酔した人へ” ”自分の芸術の解釈を投影する”」
ヘレナ「取り扱う『題材』次第で違う効果も出せるし 『魅力を補強する為の劇場』も創れるのね」
『女王』「あら、『先を見てきた』の?笑 でも無意味なのよね〜笑」
『女王』「”この『劇場』の対象は『私自身』”」
『女王』「”私はいま、私自身の芸術に心酔してるの” 故に、『無敵』」
『女王』「どんな『暴力行為』であろうと、 『主演』の前では『禁止行為』!!」
「大人しく『投降』しなさい!! それが『世界を良くする為の選択』なのよ!」
ヘレナ「⋯」
ヘレナ「⋯答えは、『無理(NO)』よ」
『理由』は 、1つ
ヘレナ「アンタの歌と踊り、つまんねェ〜〜ッ! ”独りよがり”なのが見え透けてンだよッ!」
〇大広間
誰の為に歌ってんの?何の為に踊ってんの?
『理由』なんて
人それぞれあると思うけどさ?
〇要塞の廊下
ヘレナ「この村の誰の『心』も動かせてない時点で」
ヘレナ「『主演交代』されても、仕方ないよねェ??」
『女王』「ひっ!?」
〇湖畔
アイヤナ「草原を撫でる優しい風や、 暮らしを満たす雄大な水源、」
アイヤナ「命に向きあう『遍(あまね)く』に この『精霊の歌』を届けよう──────」
〇湖畔
────────何、これ?
リズムも音程もステップも
『土臭い蛮族共』の文化そのままじゃない
────ああ、でも、
〇黒
”ほんの少しだけ”
『良い』って、
思っちゃった。
展開があつすぎる!!
異能バトルといい演出といい映画を見てるのかと思った。
ロッキーよいよよいね。
神回すぎて震えた。
そして銃のテクニックも覚えられてまさに一石二鳥(?)
戦闘シーンを上手く魅せるのが非常にTapNovelでは難しい思っているのですが、魅せてくれますねー😆😆😆😆主人公チームが強いのもさることながら、女王の主演の座を奪うところに惚れてしまいます。そこで歌や文化の深堀りが必要になったのですね。とても良い緊迫した展開でした😉😉😉😆😆😆✨✨✨
価値観の強制と否定による反撃!
戦闘の緊張感とスピード感がなんとも素晴らしいです。
途中読みながらオル姉のアクションを自分でやってみている自分がいました。出来ない!(当たり前)
多分この後も加速度的にスパイス効かせてくると思いますが、今回でも既に女王の他人に対する台詞がエグくて心地よかったです。悪い人の台詞が上手すぎる。