私の友達(脚本)
〇駅の出入口
高橋 結衣「なんか、最近夢見ないんだよなぁ〜」
桜井 千尋「え、夢ってそんなしょっちゅう見るものなの?」
高橋 結衣「2年になってからよく見るんだよね」
桜井 千尋「へぇ・・・私逆に全然見ない」
桜井 千尋「見ても忘れる」
高橋 結衣「それより、こうやって二人で遊ぶの久しぶりだね」
桜井 千尋「ねー!1年の頃はしょっちゅう遊んでたのにねー」
高橋 結衣「七海は家族旅行いってて心夏は中学時代の友達と遊ぶらしいし」
高橋 結衣(あ・・・そういや千尋はなんでか心夏が苦手っぽかったんだよね)
高橋 結衣(心夏の話、しちゃまずかったかな?)
桜井 千尋「・・・あのさぁ、森野さんってどんな子?」
高橋 結衣「え?」
桜井 千尋「森野さんのこと全然わかんないからさぁ」
桜井 千尋「結衣が良ければ教えてよ」
高橋 結衣「うん、いいよ」
〇映画館のロビー
高橋 結衣「映画面白かった〜」
桜井 千尋「一時期はどうなるかと思ったけど、最終的に結ばれてよかったよね!」
高橋 結衣「ね〜、あ、私トイレ行ってくるね」
桜井 千尋「行ってら〜」
桜井 千尋「ふぅ・・・ちょっと休憩しよ・・・ん?」
桜井 千尋(ゲッ・・・副島と・・・大崎!)
桜井 千尋(か、隠れよ!)
副島 心夏「やっぱ『ゾンビパレードからの脱出』は最高だわ!」
副島 心夏「4回目だけどまだ飽きないし!」
大崎 玲莉「どんだけ見てんだ」
桜井 千尋(咄嗟に隠れた・・・けど)
桜井 千尋(結衣と仲良くしてるくらいだし、あの性格は治ったんじゃない?)
副島 心夏「初めて七海と見に行った時が傑作だったなぁ〜」
大崎 玲莉「ま、初回が1番オモロだろ」
副島 心夏「ね〜!まぁ結衣と見に行けないのが残念だけど・・・」
副島 心夏「あの子、ホラー苦手だもん」
大崎 玲莉「え、お前そんな気遣いできるようになったんだ?」
副島 心夏「は!?ひどくね!?」
副島 心夏「ウチだって空気読めるし!」
副島 心夏「それに・・・結衣と七海は平穏な日々を送るのに欠かせない大切な存在だもん!」
副島 心夏「あの二人を傷つけるようなことはしないって!」
桜井 千尋(良かった・・・結衣と森野さんのことは大切にしてるっぽい)
大崎 玲莉「へぇ、5組で上手くやってんだ?」
副島 心夏「うん!まぁクラス内に多少のいざこざはあったけどウチは上手くやってるよ!」
桜井 千尋(・・・結衣たちのこと大切にしてるみたいだし、あの子も変わったのかも?)
大崎 玲莉「・・・心夏、マジで丸くなったね」
大崎 玲莉「中学時代の心夏とは大違いだよ」
大崎 玲莉「とても真凛を不登校に追い込んだ人とは思えない」
副島 心夏「真凛・・・あー懐かしー!」
副島 心夏「いたねそんな子!」
桜井 千尋「・・・」
大崎 玲莉「いたねそんな子って・・・お前あんな事しておいて覚えてないのかよ?」
副島 心夏「覚えてるよ!ホラ写真だって持ってるし?」
大崎 玲莉「うわお前、そんな写真よく持ってんなぁ」
大崎 玲莉「そのうち動物殺すんじゃね?」
副島 心夏「可愛い動物を殺すわけないし!!」
大崎 玲莉「真凛の事は傷つけるのに?」
副島 心夏「あれはそもそも真凛が悪いんだよ?」
副島 心夏「人の彼氏取ったりするからあぁなるんだよ」
大崎 玲莉「そいつとは結局中学卒業して以来連絡とってねぇじゃん」
大崎 玲莉「あのまま付き合っても良かっただろ」
副島 心夏「そーいう玲莉が一番えぐい事してたじゃん」
大崎 玲莉「まぁ・・・ね」
副島 心夏「つーか、どんな生活してたらあんなこと思いつくの?」
副島 心夏「マジ天才すぎ!いじめの天才だわ〜」
桜井 千尋(やっぱり、副島は中学時代から変わってない)
桜井 千尋(副島は人の心がわからないモンスターのままだ・・・)
高橋 結衣「千尋?なんでそんなところに隠れてんの?」
桜井 千尋「わっ!結衣!」
高橋 結衣「お昼食べに行こーよ」
桜井 千尋「あぁ・・・うん」
〇川沿いの公園
高橋 結衣「ふぅ、遊んだ遊んだ」
高橋 結衣(・・・思いきって、聞いてみちゃおうかな)
高橋 結衣「ねぇ、千尋ってさ心夏の知り合いだったりする?」
桜井 千尋「あ・・・うん」
桜井 千尋「心夏は・・・同じ中学だったの」
高橋 結衣「え、千尋も寅午中学なの?」
高橋 結衣「心夏だけじゃなくて佐々木くんも寅午中学出身なんだって!」
高橋 結衣「寅午中学出身の人って多いんだなぁ」
桜井 千尋(・・・佐々木も私と同じ時乃高校だったか)
桜井 千尋(やっぱ、ホントの事言わなきゃ・・・)
高橋 結衣「あ、七海からメッセ・・・何何?」
森野 七海「今旅館のお土産コーナーいるんだけど、3人でお揃いのストラップつけたいなって思って」
森野七海「パンダとコアラ、どっちがいい?」
高橋 結衣「パンダがいい〜!」
桜井 千尋「・・・メッセの話?」
副島 心夏「パンダ一択!」
高橋 結衣「えへへ、パンダ楽しみ〜」
桜井 千尋「・・・結衣、ホントに心夏と仲いいんだね」
高橋 結衣「うん!心夏は私の愚痴とかいつも聞いてくれるし」
高橋 結衣「3人でいる時、仲間外れが出ないよう気を使ってくれるしほんとにいい子!」
桜井 千尋「そっか・・・」
桜井 千尋「結衣は、本当に心夏が大事なんだね・・・」
高橋 結衣「・・・あっ!ヤバ!忘れてた!」
桜井 千尋「・・・?」
高橋 結衣「ごめんね!今すぐ寄らなきゃ行けないところがあるの!」
高橋 結衣「だからもう行くね!バイバイ!」
桜井 千尋「うん、バイバイ」
桜井 千尋(・・・結衣に本当の事言えなかった)
桜井 千尋(あの幸せそうな顔を、潰したくない・・・)
桜井 千尋(・・・結衣、副島は確かに明るくていい子そうに見えるけど)
桜井 千尋(あの子は、人を人と思わない悪魔なんだよ)