第十三話 面接番号六番 支離滅裂女子高生 宮坂皐(脚本)
〇オーディション会場(物無し)
俺は、宮坂さんに連れられ、ハートの家を出た。
いや、『連れられ』という表現はよくなかったかもしれない。
脅されてここまできた。
そう、もちろん例の物で
そして、ここは学校である。
日曜日なのに・・・・・・
雪根サトシ「なぁ、」
宮坂皐「なんですか?」
雪根サトシ「なんで、こんなとこまで連れてきたんだよ」
宮坂皐「決まってるじゃないですか」
宮坂皐「彼女面接をします」
雪根サトシ「いや、もう今日は疲れた」
雪根サトシ「ていうか、ずっと疲れてる」
雪根サトシ「あんたのせいで」
宮坂皐「え??」
宮坂皐「恋煩いというやつですね!!」
宮坂皐「うれしー!」
雪根サトシ「ちげーよ!」
宮坂皐「というか」
宮坂皐「ホント、まともなやつがいないですね」
宮坂皐「これまでの受験者には・・・・・・」
宮坂皐「ということで、」
宮坂皐「私が、面接番号6番の宮坂皐です」
宮坂皐「どうぞ、よろしくお願いします」
雪根サトシ「え??」
雪根サトシ「どゆこと?」
宮坂皐「だから、」
宮坂皐「そのまんまの意味です」
雪根サトシ「いやいや、いちよう、あんた面接官じゃん」
宮坂皐「でも、もう我慢できません」
宮坂皐「これまで、雪根サトシさんにとって、分不相応のない彼女を探してきましたが」
宮坂皐「もう現界です」
宮坂皐「あなたに似合う人間は、やはり私しかいない」
宮坂皐「ということで、面接を開始します!」
宮坂皐「なにか、質問してください!!」
雪根サトシ「え??」
宮坂皐「速く!!」
雪根サトシ「え、えーと」
雪根サトシ「なんで、こんな面接なんてしようと思ったの?」
宮坂皐「そんなの、何度も言ってるじゃないですか!」
宮坂皐「あなたの彼女を面接で決めるためですよ」
雪根サトシ「そうじゃなくてさぁ」
雪根サトシ「宮坂さんがこれを行なおうと思った個人的な動機を聞いてるの」
宮坂皐「それは、まぁ」
宮坂皐「他の子がかわいそうだな・・・・・・と思ったからですよ」
雪根サトシ「え?」
雪根サトシ「どゆこと???」
宮坂皐「あなたに好意を持っている人は」
宮坂皐「まぁ、何人かいたわけです」
宮坂皐「その方達が、想いを伝えられる場所を提供したかったんですよ」
雪根サトシ「そうだとしても、もっといいやり方があったのでは・・・・・・」
宮坂皐「いいえ、」
宮坂皐「こういう形式にしないと」
宮坂皐「あなたは、汚駄浜とか、私の髪型をパクった金髪幼なじみとかに惹かれていたでしょう」
宮坂皐「そんなのダメです!!」
宮坂皐「そうなったら、私が雪根サトシさんの彼女になれないじゃないですか!!」
宮坂皐「絶対ダメです!」
ホント
何言ってんだ??こいつは・・・・・・
宮坂皐「それに、さっきの」
雪根サトシ「さっきの??」
宮坂皐「公園での・・・・・・」
雪根サトシ「公園??」
宮坂皐「あの、金髪幼なじみが好きとか、ほざいてましたよね」
雪根サトシ「え」
雪根サトシ「あぁ」
宮坂皐「あんなのは、最低です」
宮坂皐「どうせ、あの髪型パクリ野郎と付き合って彼女面接から逃げてやろうとか」
宮坂皐「そんな、E判定みたいな考えしてたんでしょ??」
雪根サトシ「うるせーよ!!」
図星だわ・・・・・・
宮坂皐「はぁ・・・・・・」
宮坂皐「次の質問・・・・・・」
雪根サトシ「え?」
宮坂皐「質問しろや、ぼけ」
宮坂皐「かす」
雪根サトシ「面接官の俺に、そんな口の利き方していいのかよ」
宮坂皐「はぁ??」
宮坂皐「受験者も私。面接官も私」
宮坂皐「言ってる意味わかりますか??」
雪根サトシ「意味不明です」
宮坂皐「そうですか・・・・・・」
雪根サトシ「す、すみません」
宮坂皐「じゃあ、」
宮坂皐「なんで、私が雪寝サトシのこと好きになったのか」
宮坂皐「質問して」
雪根サトシ「え・・・・・・」
宮坂皐「はよ・・・・・・」
宮坂皐「はよ!!!」
雪根サトシ「な、なんか、その・・・・・・」
雪根サトシ「なんで、俺のこと・・・・・・」
雪根サトシ「その・・・・・・」
雪根サトシ「す、すき・・・・・・になったの??」
宮坂皐「それはですね・・・・・・」
宮坂皐「えへへへ」
宮坂皐「言うわけないだろ。バーカ」
ほんと、なんなんだよ。こいつは・・・・・・
自分で聞いたくせに・・・・・・
しかも
もう全然、敬語使わないじゃん
これまでのイメージ・・・・・・
ホント、キャラ大崩壊だな
いや、まぁ、元から支離滅裂だったんだけど・・・・・・
宮坂皐「じゃあ、次は」
宮坂皐「私の魅力について質問してください」
雪根サトシ「一回、一回、このやりとり挟まず、自分から言えば良いじゃん」
宮坂皐「それでは、面接になりません!」
宮坂皐「はよ!!言え!!」
雪根サトシ「あの・・・・・・宮坂さんの魅力ってなんですか・・・・・・」
宮坂皐「うーん」
宮坂皐「逆に、なんだと思います??」
雪根サトシ「はぁ???」
雪根サトシ「質問しろって言ったの・・・・・・そっちだろ」
宮坂皐「はよ、言えよ、カス」
雪根サトシ「頭がおかしいとことか」
雪根サトシ「支離滅裂なとことか」
雪根サトシ「人の話を聞かないとことか」
宮坂皐「えへへへへへへ」
宮坂皐「いっぱい、褒められちゃいました!!」
宮坂皐「うれちーー!!!」
ほんと、アホだろ。こいつ。
宮坂皐「じゃ、『あなたを一言で表してください』って、質問して」
雪根サトシ「・・・・・・」
雪根サトシ「みっ、宮坂さんを一言で表して!!」
宮坂皐「雪根サトシの彼女!!」
雪根サトシ「気持悪い」
宮坂皐「はぁ??」
宮坂皐「死ねよ。カス」
雪根サトシ「うぅぅぅ」
???「しっ、失礼します!!」
雪根サトシ「え?」
宮坂皐「お!」
宮坂皐「来ましたね!!」
宮坂皐「お待ちしておりました!!」
????
雪根サトシ「え・・・・・・」
雪根サトシ「え??」
雪根サトシ「なんで、全員来てんの??」
宮坂皐「あぁ、私がお呼びしました!!」
宮坂皐「この状況で」
宮坂皐「私とサトシさんのお付き合いを、正式に認めてもらいましょう!!」
宮坂皐「えへへへへ」
峰太喜「そんなぁぁ」
佐藤恋心「はぁぁ??」
雪根佳乃子「やっぱり、おにーちゃん。大っ嫌い」
なつ夏喜「うぅぅ」
小田浜ゆり「もう、最悪」
宮坂皐「えへへへへ」
宮坂皐「皆さんが祝福してくれてますね!!」
宮坂皐「うれちーー!!!」
雪根サトシ「どこがだよ!!!」
雪根サトシ「・・・・・・」
雪根サトシ「マジかよ・・・・・・」
雪根サトシ「もう、しんどい。この状況」