秘密の友達(脚本)
〇映画館のロビー
高橋 結衣(・・・映画館?)
高橋 結衣(あそこにいるのは彩香・・・と岩崎さん!?)
高橋 結衣(どういう組み合わせ!?)
岩崎 美琴「映画面白かったね〜!!」
中島 彩香「ラストが最高に盛り上がったね〜」
岩崎 美琴「ちょっと売店見てかない?」
中島 彩香「おー、行こー!」
高橋 結衣(でも今思えば2人がちょくちょく話してるとこみたな・・・)
岩崎 美琴「・・・いつもごめんね、彩香」
中島 彩香「は?急に何?」
岩崎 美琴「いつも学校で話しかけるなとか言ってコソコソ仲良くしてもらっちゃって・・・」
岩崎 美琴「アタシが、有咲たちのグループでやってけるかばっかり気にして・・・」
中島 彩香「あー気にしなくていーよ」
中島 彩香「アタシも莉夢が有咲達のこと毛嫌いしてるから琴美と友達とか言えないし」
中島 彩香「迷惑とか思ってないよー」
岩崎 美琴「ありがとう彩香・・・」
岩崎 美琴「・・・てか莉夢と有咲なんかあった?」
中島 彩香「莉夢は正義感が強い子でしょ?」
中島 彩香「莉夢が有咲のこと注意したら有咲が悪態ついてきて、それで由奈と一緒に攻撃してきたって・・・」
岩崎 美琴「あー・・・そりゃ嫌がるよねぇ」
中島 彩香「だから莉夢と有咲は超不仲」
岩崎 美琴「まぁもともと相性悪そうだったしね・・・」
高橋 結衣(・・・人間関係って大変だね)
高橋 結衣(それにしても、あの二人は私服だってのになんで私は制服着てるの?)
高橋 結衣(そもそも夢なんだからパジャマで良くない?)
〇教室
寺坂 莉夢「あれ、彩香髪切った?」
中島 彩香「ちょっと揃えただけなのによく気づいたね?」
寺坂 莉夢「そりゃ、毎日学校であってるもん!気づくよ!」
小幡 莉奈「えっ!!美琴嘘でしょ!?」
寺坂 莉夢「・・・ん?」
小幡 莉奈「めっちゃ髪型変えたね!?」
岩崎 美琴「夏だしイメチェンしよっかなぁ〜って」
小幡 莉奈「いーじゃん!マジ似合ってるし!」
寺坂 莉夢「・・・なんか、あの髪型だと美琴がいい子そうに見えるね」
寺坂 莉夢「前、ちょっと怖そうだったし」
中島 彩香「どんな髪型でも美琴はいい子だよ」
寺坂 莉夢「・・・え?」
中島 彩香「・・・あの4人の中では1番いい子」
久保田 有咲「・・・前の髪の方が良かった。今の美琴陰キャみたいだよ」
葛原 由奈「そうだよぉ〜美琴。陰キャみたいになんかならないでよぉ」
葛原 由奈「前の美琴の方がイケてたのになんで変えちゃうのぉ?」
久保田 有咲「似合って無いわけじゃないけどさぁ・・・いかにも陰キャっぽくてなんかなぁ・・・」
岩崎 美琴「・・・悪いけどアタシこの髪型超気にいってんの」
「・・・は?」
岩崎 美琴「アンタらがなんと言おうと今はこの髪型を変えないからね」
久保田 有咲「・・・」
小幡 莉奈「美琴・・・言うねぇ」
中島 彩香「ね?いい子でしょ」
寺坂 莉夢「そう・・・だね、思ったより悪い子じゃないかもね」
寺坂 莉夢(なんか髪型が彩香っぽいからか、今日の美琴彩香に似てる気がする)
〇本屋
寺坂 莉夢「えーと、新刊新刊・・・」
寺坂 莉夢「あ、あったあった!」
小幡 莉奈「あれ、寺坂じゃん」
寺坂 莉夢「えっ・・・小幡さん?」
寺坂 莉夢「小幡さんも本屋行くんだ?」
小幡 莉奈「あはは、何言ってんの」
小幡 莉奈「アタシと美琴だって、本ぐらい読むよ」
寺坂 莉夢「へぇ・・・意外」
小幡 莉奈「つか、中島はいないの?」
小幡 莉奈「もしかして、アタシと同じくフラれちゃった?」
寺坂 莉夢「アタシと同じってことは・・・小幡さんも?」
小幡 莉奈「今日美琴にプリ撮りに行こうって誘ったんだけど『ごめん!今日だけは無理!』って言われた」
寺坂 莉夢「彩香も一緒に帰ろって言ったら『今日はダメだわ〜』って言ってた」
小幡 莉奈「そーなんだ。前の日曜の誘いも断られちゃったんだ」
寺坂 莉夢「・・・あたしも前の日曜日に遊びに誘ったら断られちゃった」
小幡 莉奈「え?ホントに前の日曜?」
寺坂 莉夢「うん、前の日曜日」
小幡 莉奈「ねぇ、先々週の土曜日も中島に断られてたりする?」
寺坂 莉夢「そうだけど・・・もしかして岩崎さんもその日に断ったの!?」
小幡 莉奈「うん・・・なんでこんなにフラれた日がダブってんのかな?」
寺坂 莉夢「なんか・・・偶然とは思えない」
小幡 莉奈「・・・あの二人、本当は仲良いのかも」
寺坂 莉夢「・・・え?」
小幡 莉奈「うちらの誘いを断った日ったさ・・・ワンチャン二人で遊んでるのかもよ?」
寺坂 莉夢「それは・・・有り得る、かも」
寺坂 莉夢「・・・アタシが久保田さんたちが苦手だって言ったから、岩崎さんと仲いいって言えなかったのかも」
寺坂 莉夢「あっ、今のは・・・」
小幡 莉奈「大丈夫、黙っとくよ」
小幡 莉奈「有咲と由奈もクラスの子を見下しちゃってるし、それは寺坂達も例外じゃないから・・・」
小幡 莉奈「だから、美琴は中島との関係を言い出せないでいるのかもね」
寺坂 莉夢(どうしよう・・・あたし、知らない間に彩香を困らせちゃってる)
〇商店街
岩崎 美琴「あのバナナジュースマジ美味かった〜!」
岩崎 美琴「タビオかの次はバナナジュースの時代だね!」
中島 彩香「あの店は口コミでも話題になってるからね〜」
中島 彩香「人気店になって行列ができる前に行っとかないと」
岩崎 美琴「だね!今日莉奈の誘い断っちゃったからまた莉奈に奢ろうかな〜」
中島 彩香「アタシも今日の誘い断ったお詫びに莉夢にご馳走してやろっかな」
岩崎 美琴「・・・いつかさ、4人で行けたらいいね」
中島 彩香「・・・だね」
寺坂 莉夢「彩香・・・」
小幡 莉奈「美琴・・・」
中島 彩香「・・・莉夢」
中島 彩香「それに莉奈も・・・」
岩崎 美琴「・・・ご、ごめんなさい!!」
中島 彩香「み、美琴!?」
寺坂 莉夢「岩崎さん!!」
???「・・・岩崎美琴は、公園にいる」
小幡 莉奈「・・・?」
寺坂 莉夢「小幡さん、どうかした?」
???「今すぐ公園に向かうんだ、手遅れになる前に」
小幡 莉奈「・・・美琴は、公園にいる」
小幡 莉奈「みんな、行こう」
小幡 莉奈(誰かがアタシの脳内に語りかけてくる・・・)
小幡 莉奈(・・・この声に従った方がいい気がする)
〇公園のベンチ
岩崎 美琴「ハァ・・・ハァ・・・」
岩崎 美琴(どうしよう・・・彩香を置いて逃げちゃった)
岩崎 美琴(これで・・・明日からもう有咲のグループにはいられな・・・)
岩崎 美琴(・・・でも、アタシは本当に有咲たちと一緒にいたい?)
岩崎 美琴(・・・そうだアタシはいじめを繰り返す有咲達といると、ストレスを感じてたんだった)
岩崎 美琴(だから・・・別に有咲と一緒に居なくてもいいんじゃ・・・)
岩崎 美琴(いや・・・ダメだ、そしたら莉奈との縁も切れる・・・)
岩崎 美琴(・・・けど、あんな事しておいて莉奈は明日も友達でいてくれるの?)
岩崎 美琴(莉奈だけじゃない、彩香だって置いてけぼりにされて幻滅したはず・・・)
小幡 莉奈「美琴!!」
岩崎 美琴「莉奈!?それに彩香と寺坂まで!」
岩崎 美琴「どうしてアタシがここにいるってわかったの!?」
小幡 莉奈「・・・わかんないけど、そんな気がしたの!」
小幡 莉奈(・・・本当に公園にいたなんて)
小幡 莉奈(・・・あれ?中島と寺坂は?)
岩崎 美琴「・・・けど、もうアタシは莉奈達とは一緒にいられない」
小幡 莉奈「・・・え?」
岩崎 美琴「だって、アタシは莉奈に彩香との関係をずっと隠してきた」
岩崎 美琴「ずっと、あなたに嘘ついてた」
岩崎 美琴「おまけにさっき・・・みんなから逃げたりした」
岩崎 美琴「嘘つきで卑怯者のアタシは、誰とも仲良くする資格なんかないの」
中島 彩香「全然そんなことないと思うけどなぁ〜?」
岩崎 美琴「・・・へ?」
中島 彩香「ごめん遅くなって」
中島 彩香「ちょうど踏切が鳴って莉奈と離れ離れになっちゃって」
中島 彩香「アタシ、今までの事を莉夢に謝罪したんだ」
中島 彩香「・・・その時に莉夢が言ったの」
中島 彩香「『謝らなければいけないのは私の方だよ』」
中島 彩香「『大切な友達の事を悪く言ったりしてごめんなさい』」
中島 彩香「『もう、岩崎さんの事を隠す必要は無いからね』・・・って」
中島 彩香「嘘つきのアタシを受け入れてくれたんだよ」
寺坂 莉夢「・・・岩崎さん、今まであなたと彩香を悩ませてしまってごめんなさい」
寺坂 莉夢「けど、もう大丈夫だから」
寺坂 莉夢「アタシは、岩崎さんと彩香の事はちゃんと受け入れるよ」
小幡 莉奈「アタシもごめんね」
小幡 莉奈「美琴は嘘つきな卑怯者なんかじゃないよ」
小幡 莉奈「アタシが美琴に嘘をつかせたようなものだから」
小幡 莉奈「・・・これからは、中島と仲良いこと隠さなくてもいいよ」
岩崎 美琴「・・・じゃあ、望み通り仲良くしたい人と仲良くできるってこと?」
小幡 莉奈「そういうこと!」
岩崎 美琴「やったぁ・・・ついに願いがかなったよ!」
中島 彩香「よかったね、美琴」
中島 彩香「これでもう何も隠さなくていいんだよ」
小幡 莉奈「・・・丸く収まってよかったね、莉夢」
寺坂 莉夢「・・・アタシのこと、莉夢って言った?」
小幡 莉奈「アタシらの親友同士が仲良いんだよ」
小幡 莉奈「きっと、アタシらも仲良くなれるよ!」
寺坂 莉夢「ふふっ、そうかもね」
寺坂 莉夢「よろしくね、莉奈」