転生したら渋谷だった件

やまだ

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〇平屋の一戸建て
  チュンチュンチュン・・・

〇実家の居間
ママ「あら・・・」
ママ「もうこんな時間」
ママ「カナ子!朝だよ!起きなさい!」
ママ「カナ子!こら!カナ子!」
「むにゃむにゃ・・・はーい・・・」
「、、、え!?ちょっと!!うそぉ!!」

〇家の階段
  ドタドタドタ・・・

〇実家の居間
  バン!!!!
カナ子「もっと早く起こしてよママぁ!」
ママ「ごめんねえ」
ママ「てれびが面白くってついつい」
カナ子「最近、ずっとそんな感じじゃない、ママぁ〜 ついにテレビが買えたからって、はしゃぎすぎよ」
ママ「はいはい、ごめんなさい ほら、ごはんが冷めちまうよ」
カナ子「これは常温で食べるものなの・・・」
カナ子「まあいいや!行ってきます!」

〇土手
  このゴッサム村は去年から急に開発が始まった。
  コンビニっていうのもできて、最近は朝ごはんもあの調子。
  色々便利になって、新しい村人も増えた。
  でも、豊かになってる一方で、何か大切なものを無くしてる気がするんだよね・・・
カナ子「って、いっけなーい!遅刻遅刻!!」
カナ子「──って、あぶなーーーい!!」
  ドゴドォォォン

〇黒背景
「うううーーーん・・・」
カナ子「はっ!!」
カナ子「ここは・・・?」
「ようやく起きたようだね」
カナ子「あな・・・たは・・・」
シャチョサン「私は斎藤という者だ」
シャチョサン「スナックで泥酔していたら、気づいたらここにいた・・・」
シャチョサン「ここがどこなのかはまだ分かっていない」
シャチョサン「君が起きたら、一緒に調べようと思っていたんだ」
カナ子「そうなんですね・・・(暗くてよく見えないけどちょっとタイプかも・・・)」
カナ子「わかりました!ここを出ましょう!」
カナ子「ヴォァ・・・」
カナ子「ガァ!!!」
  ドゴォ

〇岩穴の出口
カナ子「出れそうですね」
シャチョサン「・・・ありがとう・・・ございます」
シャチョサン「それじゃあ出てみよ・・・みましょうか」
  ザッザッザッ・・・

〇SHIBUYA109
カナ子「なんなの・・・これ・・・」
シャチョサン「我々が閉じ込められていたのは、この「いちまるきゅう」という建物のようですな」
カナ子「え・・・?看板には「100」って書いてあるけど」
シャチョサン「おそらく、権利の関係でしょうな あまり突っ込むと、我々が消されかねません 忘れましょう」
カナ子「この一帯の建物、、人間が建てたの・・・? すごく高くてきらきらしてる・・・」
シャチョサン「私も噂には聞いたことがありましたが、これほどのきらきらとは・・・」
シャチョサン「もうすこし人の多いところを探し、情報を集めましょう」
カナ子「うん!」

〇モヤイ像
カナ子「あのう、すみません」
「・・・」
カナ子「あなたです、草むらに埋まってる」
「・・・」
カナ子「聞こえないのかしら、、 どうして首から下が埋まっているの?」
カナ子「私たちも攫われてここにきたの。 同じ境遇じゃないかしら」
「・・・」
シャチョサン「カナ子さん、これはたぶん「モアイ像」というやつです」
シャチョサン「人ではありません」
カナ子「私がありなら、この子もありかと思って・・・」
シャチョサン「残念ですが、もっと探してみましょう」
  ──・・・
「危なかった・・・存在がバレるところだったわ」
「あの子・・・危険ね」

〇渋谷のスクランブル交差点
  ざわざわざわ
カナ子「いやちょっ えっ」
カナ子「待って! 人が多すぎない!?」
シャチョサン「これは「すくらんぶる交差点」というやつですかね・・・」
カナ子「なんか人が入り乱れてるけど、大丈夫かしら!?ぶつからないのかしら!?」
シャチョサン「まあなんか道とか信号もでっかいんで、大丈夫でしょう」
「さすがにそれは適当すぎないか!?」
シャチョサン「え!?この声は!」
シャチョサン「なんだ、参研ゼミの漫画に出てくる幼馴染じゃないか」
参研ゼミに出てくる幼馴染「この夏でライバル達との差は広がっていくんだぜ!!!!」
カナ子「私も早く帰ってやらなきゃ・・・」
カナ子「中学受験はもうすぐそこなのに!」
シャチョサン「もっと低学年かと思ってましたよ・・・」
「おいカナ子!カナ子じゃないか!!!」
カナ子「あ、この声はまさか!」
もう手遅れなおじさん「おう、元気そうだな」
カナ子「もう手遅れなおじさん!」
カナ子「なんでここにいるの?」
もう手遅れなおじさん「おれも気づいたら村からここにいたんだ もう・・・理性が・・・」
カナ子「楽にしてあげる・・・」
シャチョサン「なんだか、色んな人がいて楽しい街ですね」
カナ子「地元の人と会ったりするのも、ここだとなんだか格別な楽しさがあるよね」
シャチョサン「俗に言う「バイブス爆上げ」というやつですな」
カナ子「この調子で、調査を続けていこうよ」
シャチョサン「はい!」

〇黒背景
  10年後・・・

〇高級一戸建て
  ちゅんちゅん
「ママ、いってきまーす!」
「気をつけてねえ」
  私は、新社会人になった。
参研ゼミに出てくる幼馴染「俺たちもとうとう就職か」
参研ゼミに出てくる幼馴染「カナ子は今日から何をするんだっけ?」
カナ子「私は・・・」
カナ子「この村の開発よ!」
カナ子「この村を渋谷みたいな、きらきらして、わくわくする空間にするの!」
  10年前、私は豊かになる村に不安を覚えていた
  それでも、あのきらきらした体験を経て、豊かになることの素晴らしさを知った
  これからは私が作る側として、人を笑顔にする街を育てていきたい
  そう思ってる
  ただ、

〇モヤイ像
  モアイの伏線は、回収できなかった
  それでも、ほんのひと駅のあいだ
  くすっとしてくれたなら、嬉しいです

コメント

  • このカオスな世界観、ヤミツキになりそうです!
    キャラクタービジュアルから名前から、ツッコミ要素がありすぎるのですが、ストーリーは真っ直ぐで面白いですし!

  • カオスな展開がツボにハマりました🤣

  • いやぁ笑いました。感謝。出落ちやないかいと、突っ込んだあとも、連打が続き、感動的でした。お笑い目指すんやとの決意にまでなっています、今のところ。

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