第7話 エピソードゼロ魂(脚本)
〇荒野
ヨシト「・・・」
ヨシト「オレがトラストマンに、 レイカがトラストレディーに なったきっかけ・・・」
ヨシト「それは本当に突然だった・・・」
〇古いアパートの部屋
ヨシト「レイカっさん〜、レイカっさん〜」
ヨシト「デート、デート、デーット・・・」
ヨシト「今日こそキメるぜッ!」
あの頃、オレとレイカは
知り合ってまだ間もない時期だった
お互いに好意は持っているものの、
なんとなく一歩を踏み出す勇気がない
そんな、3回目の
デートの日だった・・・
〇駅前ロータリー(駅名無し)
レイカ「お待たせ〜」
レイカ「・・・待ちました?」
ヨシト「い、いや、全然・・・」
ヨシト(今日もかわいいな・・・)
レイカ「どこ行きます〜?」
ヨシト「そうだなぁ・・・」
ヨシト「とりあえず、駅前を ブラブラしながら決めましょうか」
レイカ「はいっ!」
〇アーケード商店街
「・・・」
レイカ「へー、ヨシトさんって 意外と甘いもの好きなんだー」
ヨシト「そうなんですよ、 特にパンケーキが好きで・・・」
占い師「・・・」
占い師「そこのおふたりさん、占いはいかが?」
ヨシト「う、占い・・・?」
レイカ「いいじゃない、 せっかくだし占ってもらいましょうよ」
レイカ「・・・ふたりの相性とか」
ヨシト「レ、レレレ、レイカさん、それって・・・」
レイカ「ふふっ、冗談ですよ、じょーだん・・・」
ヨシト「もーっ・・・」
占い師「・・・」
占い師「ほあああああっ!!」
占い師「・・・」
占い師「こ、これは・・・!?」
占い師「・・・あなたがたは、 極めて稀有な能力を秘めています」
占い師「今はまだその能力は眠ったままですが、 この世界が危機に晒される時、 おのずとそれは目覚めるでしょう・・・」
占い師「あなたがたふたりが出会ったのも、 運命・・・いや、必然です」
「・・・」
ヨシト「極めて稀有な能力・・・?」
レイカ「出会ったのは必然・・・?」
ヨシト「いやー・・・ないない だってオレたち、平凡な一般人ですよ?」
レイカ「そんなこと急に言われても・・・ねぇ?」
占い師「・・・いずれわかる」
占い師「あと・・・」
占い師「交通事故には気をつけて・・・!」
〇荒野
ひまり「・・・当たっちゃってんじゃん!」
ヨシト「まぁ、今となってはそうだな・・・」
ひまり「で、それからそれから・・・?」
〇川沿いの公園
ヨシト「歩き回ったら おなか空いちゃいましたね・・・ なにか食べますか?」
レイカ「あの・・・」
レイカ「わたしたちが出会ったのは必然って・・・ ほんと・・・かなぁ?」
ヨシト「あ、あー、いや・・・」
ヨシト「まぁ、たかが占いですし・・・」
ヨシト(よし、ここは、いくしかねぇっ!!)
ヨシト「あ、あのっ、レイカさん」
レイカ「・・・はい」
ヨシト「オレと・・・!」
モンスター「シュギャーン!」
「え?」
通行人「キャーッ!!バケモノ!!」
通行人「逃げろ!みんな、逃げるんだ!」
モンスター「シュギャギャッ!」
ヨシト「・・・」
ヨシト(なんだこれは・・・? いったい何が起こっている・・・?)
ヨシト(カラダが・・・熱い!?)
ヨシト「う、うあああああっ!?」
レイカ「あ・・・ああ・・・」
レイカ「ヨ、ヨシトさんっ!? この姿はいったい・・・そして、デカッ!」
トラストマン「・・・」
トラストマン「オレとツキ合ってくださいっ!!」
〇荒野
ひまり「いや、タイミングおかしいでしょ!?」
ヨシト「今しかねぇ、と思って・・・」
ひまり「逆に、今だけは絶対なしでしょ!」
〇川沿いの公園
レイカ「・・・」
レイカ「はいっ!!」
〇荒野
ひまり「オーケーすんの!?」
レイカ「いや・・・ギャップ萌えっていうか・・・」
ひまり「ギャップありすぎでしょ!」
〇川沿いの公園
トラストマン「・・・」
トラストマン「うおおおおおっ!! やったあああああっ!!」
トラストマン「え、感情がたかぶったらビーム出た」
モンスター「シュ、シュギャッ!?」
レイカ「・・・」
レイカ「なんてたくましい・・・」
レイカ「え、キュンとしたら・・・カラダが!?」
レイカ「きゃ、きゃあああああっ!?」
トラストマン「レイカさんっ!?」
トラストレディー「え、なにこのカラダ・・・」
トラストレディー「さっきまで普通の女子だったのに・・・ どうしてくれんのー!?」
トラストレディー「・・・わたしもなんか出た」
モンスター「シュギャギャギャッ!?」
「・・・」
トラストマン「と、とりあえず、みんなも困ってるし、 攻撃効いてるみたいだし・・・ 倒しちゃいましょうか?」
トラストレディー「そ、そうですね・・・」
トラストマン「・・・なにか必殺技的な?」
トラストレディー「ええ・・・」
トラストマン「オレたちの はじめての共同作業・・・ですね」
トラストレディー「・・・なんだか照れますね」
「せ、せーの」
「ハイパーラブリーボム!!」
「わー、ほんとに出た!」
モンスター「シュ・・・ギャ・・・」
〇荒野
ヨシト「・・・とまぁ、こんなところだ」
ひまり「・・・なんか想像と違った」
松井「あのー、ひとつ聞いてもいいですか?」
松井「トラストマンの名前の由来が 出てないと思うんですけど・・・」
ヨシト「ああ、それは・・・」
ヨシト「レイカと知り合った バイト先のコンビニの名前が 『トラスト』だったんだ」
ひまり「なんというか・・・」
松井「安直・・・」
ヨシト「う、うるさい!」
ヨシト「・・・」
ヨシト「でも、はじまりは突然で 確かに戸惑ったけど」
ヨシト「最近は使命感みたいなものも 生まれてきてたんだよな」
ヨシト「モンスターだとか、魔界だとか、 正直言ってわからねぇ・・・」
ヨシト「ただ、そいつらがこの世界を脅かすなら、 誰かが倒さなきゃならない」
ヨシト「もしそれが、トラストマンと トラストレディーにしか できないことなら・・・」
ヨシト「やっぱりやらなきゃならないんだよ」
ヨシト「・・・別に「世界を守りたい」 なんて、だいそれたことを 常日頃から思ってるわけじゃねぇ」
ヨシト「ただ・・・大切な人を」
ヨシト「レイカを守るためには、 この世界に滅んでもらっちゃ 困るんだよ・・・」
レイカ「・・・ヨ、ヨシくん」
松井「その気持ち、なんとなくわかりますよ」
松井「私、子供が7人いましてね・・・ やっぱり第一に子供たちのことを 守らなきゃって気持ちがあります」
松井「守るべきもののために、 人ってのは強くなるんでしょうなぁ・・・」
ヨシト「松井さん・・・」
ヨシト「ヒーローやヒロインって、 選ばれた存在だけが なれるわけじゃなくて・・・」
ヨシト「大切な人や場所を守りたい、 そういう気持ちを持っている時点で」
ヨシト「すべての人がヒーローやヒロイン なのかもしれないな・・・」
レイカ「ヨシくん、いつになく真面目・・・」
「・・・っていうか、 松井さん、子供7人いるの!?」
松井「え、ええ、まぁ・・・」
ヨシト「にぎやかでいいじゃないですか!」
レイカ「大変そうだけど楽しそう!」
ひまり「・・・」
〇可愛い部屋
ひまり(幼少期)「・・・へんしーん!」
ひまり(幼少期)「ぱぱ!あたしね、せかいをまもるの!」
ひまりの父「ハハッ、そうかぁ・・・」
ひまりの父「じゃあ、もしパパがピンチの時は・・・ ひまり、助けてくれるかい?」
ひまり(幼少期)「うんっ!!」
ひまり(幼少期)「だってひまりは、 まほーがつかえるひろいんだもんっ!!」
ひまりの父「魔法?頼もしいなぁ、ハッハッハ・・・」
〇荒野
ひまり「ヒロイン・・・」
〇黒
・・・3日後
〇開けた交差点
「ひまりちゃーん!」
ひまり「えっ?」
ひまり「・・・す、菅原さん!」
〇黒
つ づ く
トラストマンとトラストレディーのエピソード、もうツッコミどころしかない気が……、そしてそれに乗っかる松井さん、子供7人ってww