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makihide00

第3話 マッチング魂(脚本)

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〇荒野
ひまり「ちょっと!なんでパンケーキなの!」
松井「ヒーロー関係ないじゃないですか!」
ヨシト「・・・だってオレ、 こう見えてスイーツ男子だから」
レイカ「楽しみにしてたのよ、 1日10個限定のプレミアムパンケーキ」
ヨシト「ホントはさっき、 食べられるはずだったんだ・・・」

〇駅前ロータリー(駅名無し)
ヨシト「いやー、プレミアムパンケーキ、 楽しみだなー」
レイカ「うふふっ、そうねっ」
レイカ「どうしたのかしら? みんな、あんなに慌てて・・・」
ヨシト「ま、まさか・・・」
ヨシト「わかったぞ」
ヨシト「みんな、プレミアムパンケーキ目当てで 喫茶店へ急いでるんだ!」
レイカ「そ、そんなに人気なの!?」
ヨシト「1日10個限定・・・ これじゃすぐ売り切れちまう!」
ヨシト「おい、レイカ!急げ!」
レイカ「わかってる!」
ヨシト「くそっ、渡れねぇ・・・ もういい!レイカ、突っ切るぞ!」
レイカ「オーケー!」
「う、うわあああああっ──」

〇荒野
ヨシト「・・・実はモンスターに気づいたのは、 トラックにはねられたあとだったんだ」
レイカ「そのくらいパンケーキのことで 頭がいっぱいだったわ」
ヨシト「でも、魂になってしまった今、 味わうことなんて永遠にできない・・・」
レイカ「そう、だから・・・」
「カラダ貸してくださぁぁぁい!!」
ひまり「・・・」
ひまり「いや、納得できるわけないでしょ!」
松井「まさかモンスターにも 気づいてなかったとは・・・」
ひまり「あの時急いでた理由が パンケーキだったなんて・・・」
松井「だいたい、たかが パンケーキごときで人のカラダを・・・」
ヨシト「たか・・・が?」
ヨシト「プレミアムは特製ハニーシロップが たっぷりかかってるんだぞ!?」
ヨシト「これを食わずに死ねるかっ!!」
ひまり「・・・死んでんじゃん」
ヨシト「・・・」
ヨシト「う、うわぁぁぁぁぁんっ!!」
ひまり「・・・わかった、わかったわよ!」
ひまり「ただ・・・ひとつ提案がある」
ヨシト「提案?」
ひまり「レイカさんが アタシのカラダに入って・・・」
ひまり「ヨシトさんが 松井さんのカラダに入る」
ひまり「このほうがよくない?」
レイカ「ひまりちゃん、それ、めいあーん! やっぱ女の子は 女の子同士が落ち着くよね!」
レイカ「わたしも久しぶりにJK気分味わいたいし!」
松井「・・・やさしくお願いしますね」
ヨシト「ええ・・・」
ヨシト「ごめんなさい、ちょっとオレ・・・」
レイカ「はぁ?やっぱJKのカラダがいいってわけ?」
ヨシト「ち、ちげーよ! 誤解を招くような言い方すんな!」
ヨシト「でもよー、なんでわざわざ オレがこんな中年おっさんの中に・・・」
松井「・・・聞き捨てなりませんねぇ」
ヨシト「・・・あ、すいません」
松井「あのねぇ!私だってねぇ、 別に好きでキモデブハゲ中年おっさんに なったわけじゃないんですよぉ!」
ヨシト「あ、いや、その、 キモデブハゲとまでは・・・」
松井「キミは若いから まだ実感ないかもしれないけど・・・ 十数年後、絶対くるから!」
松井「ビール腹!薄毛!加齢臭! 今の私が未来のキミなんだよ!」
ヨシト「あ、あの・・・」
ヨシト「でもオレ、死んでるから もう年取らないんすよ・・・」
松井「・・・」
松井「う、うわぁぁぁぁぁんっ!!」
レイカ「松井さん、温厚そうな人だと 思ってたのに・・・男の更年期かしら?」
ひまり「・・・たぶん、レイカさんにも キレさせた原因あると思いますよ」
レイカ「そ、そうかな?」
レイカ「・・・もー、松井さーん! そんなに怒らないで、ね?」
レイカ「わたし、ステキだと思うなー、 松井さんみたいな貫禄あるオジサマって」
松井「・・・」
松井「そ、そうですかぁ?」
ひまり(猫なで声の破壊力・・・おそるべし)
レイカ「さぁ、とりあえず一回試してみましょ! それぞれペアに別れてー!」
ひまり(これがオトナのやり方かぁ・・・)
「ひっひっふー!」
「ひっひっふー!」
レイカ「・・・ダメ、全然入れる気がしない」
レイカ「そっちは?」
ヨシト「ぬうううううん!」
松井「痛い痛い!・・・ちょっと! やさしくって言ったじゃないですかぁ!」
ひまり「ハアハア・・・ダメみたい、だね・・・」
レイカ「どうしてなんだろ・・・?」
ヨシト「やっぱり相性があるんじゃないか? ・・・魂とカラダの」
松井「私、レイカさんと カラダの相性いいみたいですねぇ・・・」
レイカ「あ、あーら、松井さんったらー!」
レイカ「・・・調子に乗ると、殺しますよ」
松井「ひいっ!」
ひまり「やれやれ・・・」
ひまり「じゃあなに?今まで通りの ペアじゃなきゃダメってこと?」
ヨシト「ひとまずはそういうこと・・・だな」
ひまり「・・・アタシのカラダを貸すのは、 モンスターを倒すために トラストマンに変身する時」
ひまり「それと・・・」
ひまり「今度、プレミアムパンケーキを 食べに行く時だけだからねっ!」
ヨシト「・・・え」
ヨシト「い、いいんですかあっ!?」
ひまり「・・・特別だよ」
ヨシト「・・・ありがとうございますっ!!」
レイカ「ま、松井さんは・・・どうなの?」
松井「・・・いいですよ」
松井「プレミアムパンケーキ、 ぜひ食べてきてください!」
レイカ「わーい!松井さん、だーいすきっ!」
松井「・・・えへへ」

〇黒
  そして、日曜日・・・

〇駅前ロータリー(駅名無し)
ひまり(中の人ヨシト)「いやー、プレミアムパンケーキ、 楽しみだなー」
松井(中の人レイカ)「うふふっ、そうねっ」
松井(中の人レイカ)「ねぇ・・・」
松井(中の人レイカ)「久しぶりに、手つなごっか?」
ひまり(中の人ヨシト)「お、おう・・・」
ひまり(魂)「・・・」
ひまり(魂)(あー、こっちが死にたい・・・)

〇黒
  つ づ く

次のエピソード:第4話 恋する魂

コメント

  • 第1話ではヒーローバトル要素とコメディ要素が拮抗というかグラデーションでしたが、今話はコメディ全振りですねww
    松井さんの魂の叫び、全オッサンが涙したことでしょうね…

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