作者実話怪談

おけの

父の誕生日(脚本)

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〇明るいリビング
  2023年の夏、
  
  最近の出来ごとです──
おけの「最近、瞬きすると痛いなって思ったら・・・」
おけの「物もらいが出来てる!」
おけの「早く治るといいなぁ」
おけの「まだ痛いな・・・」
おけの「とりあえず、仕事行かなきゃ・・・」
おけの「今日は・・・七夕か」
おけの「父の誕生日かぁ」
おけの「最近、実家に帰れてないんだよね──」
おけの「今日、実家に帰らないと行けない気がする」
  急に、実家に帰らないといけない
  
  気がしてたまらなくなったのです
おけの「もしも仕事が早く終わったら、 実家に帰ろう」

〇職人の作業場
  午前中は何事もなく、仕事をしていました。
  
  昼休憩が終わると──
会社の人「ちょっと機械が故障してねぇ」
会社の人「今日は帰っていいよー」
おけの「早く終わっちゃったな・・・」
おけの「よし、父の好きなもの買って 実家に帰ろう」

〇カフェのレジ
  和菓子とみかんが好きだった父のために
  
  和菓子屋と別にフルーツが売ってある店に
  
  寄る予定でしたが──
おけの「和菓子屋なのに、夏みかんが売ってある!」
おけの「ラッキー! これで時間短縮できるな」

〇車内
おけの「お母さん、今日は土日じゃないから さすがに家にいないよね?」
「いつもだったらいないんだけど 今日は居るのよ」
「水道管が壊れちゃってねぇ」
おけの「そう。 それなら良かった! 今からそっちに行くから──」
  親が家にいないと思っていた私は
  
  連絡はしといて、父に渡すだけ渡して
  
  帰る予定だったのです──

〇おしゃれなリビングダイニング
おけの「ただいま〜」
母「おかえりなさい」

〇綺麗なリビング
おけの「無事に好きなもの渡せて良かった〜」
母「最近は忙しくてたから、 ご飯を1番にお供えできてなかったのよねぇ」
母「お父さんも喜んでるわ」
母「きっと、水道が壊れたのは、 お父さんが怒っちゃったのかもねぇ」
母「台風と共に去った人だから・・・」
  そんな話をしながら、
  
  たわいのない話を続けていると──
おけの「あれ・・・」
おけの「いつの間にか 瞬きしても目元が痛くない・・・」
母「あら、それもお父さんのしわざかしら」
おけの「勘弁してよ〜」
  ただ、このとき思ったのです。
  
  あり得るかも、と。
  仕事場での機械の故障──
  和菓子屋に置いてあるばすのない
  
  夏みかん──
  いつもなら平日の昼はいないはずの
  
  母がいること──
  気になるほど痛かった
  
  物もらいが痛くなくなったこと──
  もしも私が実家に行かない
  
  選択をしたら──
  どうなっていたのでしょう?

コメント

  • ありますよねぇ、こういうこと。
    義理の母が自身の父の危篤の時、病院から連絡を受けて向かおうとしたら、いつだってすぐにタクシーの捕まる都内の大通りで全く車が止まらないことがありました。数十分後ようやくタクシーが捕まり、病院に着いたのは事切れてからだったそうです。義母の父は常々「娘に死に目は見せたくない」と言っていたそうで。
    この話がお父様の意図があってのことだと思わないではいられません。

  • ホラー感とともに家族愛も感じられるエピソードですね!そういえば、我が家の亡父は、葬儀の時は雪、法事の時は決まって暴風と、天候でダダこねています。何かあるのかもしれませんね

  • お父様が見守って下さっていそうな偶然ですね😍✨
    不思議エピソードですがほっこりしました!

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