恋の真空ドロップキック

ぽむ

涙のシングルマッチ①(脚本)

恋の真空ドロップキック

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恋の真空ドロップキック
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〇病室のベッド
カレンの母「・・・ワタシね、」
カレンの母「あなたなら任せてもいいと思って」
カレンの母「ワタシには時間がないのよ」
カレンの母「花恋を、お願いいたします」
龍牙「・・・」
龍牙「承知しました!」

〇トレーニングルーム
龍牙「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
  御子神カレン・・・
  
  彼女が父を失ったのは、俺のせい。
  悲劇は試合中に、
  皆が見てる眼の前で起きたのだ。
  事故だと皆は言うが、
  俺が死なせてしまったのには
  変わりない。
  彼女は俺を恨んでいるだろう。
龍牙「ふぅ」
  そしてカレンの母親は、
  病魔と懸命に戦っている。
  「あなたに花恋を、任せるわ」
龍牙「フッ」
龍牙「こんなオレに。よく任せるなんて 言えるな・・・俺は悪だぜ。」
  ・・・
龍牙「あの時の、彼女のダブルムーンサルト、 俺の身体に、胸に、 重く刺さったようだ。」
龍牙(俺は彼女を守る。 どんな事があっても)

〇ボクシングジムのリング
高柳ハヤテ「ふん!ふん!」
藤川アキト「気合い入ってるな!ハヤテ!」
高柳ハヤテ「だってさ!この前の試合! 悔しくて悔しくて! テレビにも恥ずかしい姿を晒して!」
高柳ハヤテ「俺は、このままで終われない! 次の試合!絶対に負けられない!」
高柳ハヤテ「その試合に勝って! 再度、ジャガードマスクに 挑戦して勝つんだ!」
藤川アキト「そうだな。 次の対戦相手は決まったのか?」
山浪タケシ「やぁ! 次の対戦相手はお前だってな!」
高柳ハヤテ「ヤマナミ!絶対に負けないからな!」
山浪タケシ「ハハ、楽しみにしてるよ! また無様な姿を晒さないようにな!」
高柳ハヤテ「チクショー なんだあの言い方! 絶対に負けないからな!」
藤川アキト「あいつ同期でライバルなんだろ?」
高柳ハヤテ「あぁ。因縁ていうか なんかオレに絡んでくるんだ。 絶対に負けねえ!」
高柳ハヤテ「ふんっ!ふんっ!」

〇トレーニングルーム
レディマサコ「んもう〜 本当に悔しいわ。 この間の試合、周りから言われたし! 凄い恥ずかしい思いをしたわ!」
レディマサコ「試合には勝ったのに! ワタシ自身は負け試合よ!」
レディマサコ「絶対にあの子に勝つ方法!」
レディマサコ「良いこと思いついた〜」
レディマサコ「あー!代表~」
井上ナオト「ん、マサコか。なんだ?」
レディマサコ「ワタシ~次に〜 御子神カレンさんと戦いたいですぅ~」
井上ナオト「ほほう、なぜだ?」
レディマサコ「今度の大会で〜彼女に〜 宣戦布告したいンです〜」
レディマサコ「レディマサコ率いる アイドルスターグループ! vs 御子神カレン率いる 復讐の鬼と化した悪の軍団!」
レディマサコ「どう?ワタシの考えたシナリオ? 面白そうでしょ!?」
レディマサコ「ちゃんとした〜悪の敵がいることで ファンも〜盛り上がると思うし〜」
井上ナオト「そうだなぁ、 じゃあ、次のシングルマッチで 勝ったほうが「アイドルスター」 ってのは、どうだ?」
レディマサコ「ええー!? シングルマッチ? あの子と!?」
井上ナオト「あぁ!勝った方がリングで アイドルみたいに歌を歌って踊る、 ってのは、いいだろう!?」
レディマサコ「歌って踊る、ですって!?」
井上ナオト「そうだ。 テレビ放映も決まったことだしな。 強く美しいプロレスラーのアイドル! これからの時代の最先端だ!」
井上ナオト「勝っても負けても歌わせてやる。 負けた方は悪の歌! 勝った方は真のアイドルスターだ!」
井上ナオト「有名先生にオファーしてやる! これは楽しくなってきたぞ!」
レディマサコ「強くて美しい・・・ ワタシにピッタリだわ!」
レディマサコ「ワタシ!頑張ります! あのコを倒してスターになります!」
井上ナオト「期待しているぞ!」
レディマサコ「ウフフフ〜!」

〇一軒家の庭
カレン「294、295、296、297・・・」
メイ「キャハハー」
ケイ「まてまてー!」
カレン「ふんっ!ふんっ!300!」
カレン「ふう〜」
ヨーコさん「やっと見つけた! ジムの中庭にいたのね。 トレーニング中、お邪魔するわ」
カレン「あっヨーコさん! 妹達もいたので、邪魔にならないように 外でトレーニングしてました!」
ヨーコさん「そう。 代表が、アナタにお話があるって 探してたの」
井上ナオト「よう!頑張ってるか!?」
カレン「ハイ!代表!」
ヨーコさん「じゃ、ワタシは彼女たちと 中に移動してるわね」
井上ナオト「フフフ、いい返事だな。 今度のシングルマッチ戦が決まったぞ」
カレン「シングルマッチ!?ワタシが!」
井上ナオト「そうだ。 本当のマットの上で一人での戦いだ。 やれるな!?」
カレン「はい!頑張ります!」
井上ナオト「ちなみに・・・」
井上ナオト「その試合に勝つとだな・・・ 歌と踊りを踊ってもらうぞ!」
カレン「うた!?おどり?」
井上ナオト「そうだ。名実ともにアイドルになるんだ」
カレン「ワタシ、プロレスラーです!」
井上ナオト「そうだ、次世代のプロレスラーだ! 篤斗も望んだ、かつて無い、 強く美しいプロレスラーだ!」
カレン「次世代のプロレスラー・・・」
井上ナオト「かつて篤斗は言っていた。 プロレスは最高のエンタメで ショーなのだと。」
井上ナオト「観客を楽しませてこそ! 真のプロレスラーだと!」
カレン「パパが。そう! 観客を最高に 楽しませるプロレスラー!」
井上ナオト「その試合に勝ったものが 次の時代を作るんだ! 頼んだぞ!」
カレン「・・・」
カレン「観客を最高に 楽しませるプロレスラー、」
カレン「ワタシがなれると思う?」
ジャガードマスク「なれるさ」
カレン「ジャガードマスクさん!?」
  カッカッカッカッ
カレン「・・・ワタシ、頑張ります!」

〇総合病院
ヨーコさん「お支度できました?」
カレンの母「付き添って頂いて、悪いわね。 転院前に一度だけ家に戻りたくて」
ヨーコさん「いいんですよ、さ、 乗ってください」

〇車内
カレンの母「久しぶりで、子ども達は どんな顔をするかしら?」
ヨーコさん「きっと喜びますよ!」
カレンの母「カレンは驚くでしょうね。 無理言ってごめんなさい。」
カレンの母「急に試合を観に行こうなんてね」
ヨーコさん「いいえ、彼女の晴れ姿を 直に見ていただきたかったのですよ」
カレンの母「ありがとうヨーコさん。 アナタには感謝しかないわ」

〇狭い畳部屋
  ガラガラガラ
カレンの母「ただいま」
ケイ「あーママだ!」
メイ「わーい!ママだ!おかえりー!」
「わーいわーい」
カレンの母「あらあら」
  ぎゅー!
  ふたりは、しがみついた!
カレンの母「よしよし。 いい子にしてた?」
ケイ「うん!」
メイ「え、えへへ・・・」
ケイ「メイちゃんは、 私のもの 取ってばっかり!」
カレンの母「もうしょうがないわねぇ、 ダメよ、困らせるようなことしちゃ」
メイ「ごめんね」
  ぎゅっ
メイ「ママ・・・」
カレンの母「よしよし」
  ぎゅっ
メイ「ママー大好き!」
ケイ「だいすき!」
  ぎゅー
ケイ「今日はねぇ、お姉ちゃんの試合を見に行くのよ!」
メイ「ママも一緒にいこーよ!」
カレンの母「ええ、そうね。 そうしましょう。 花恋をみんなで応援しましょう!」
カレンの母「外の車で ヨーコさんが待ってるわ。 行きましょう!」

〇格闘技リング
  わーわー
南アナウンサー「皆さんこんにちは! レッツプロレスアワーの時間が やってまいりました!」
南アナウンサー「本日は解説を吉永(よしなが)さん、 実況は南(みなみ)でお送りします!」
南アナウンサー「こんにちは!吉永さん!」
吉永レスラー「こんにちは!」
南アナウンサー「いや〜御子神カレン選手! 初のシングルマッチ戦! 楽しみですね〜」
吉永レスラー「さすが御子神篤斗さんの愛娘! デビュー戦は負けということですが、 魅せる試合をいたしましたね!」
吉永レスラー「ドロップキック! ダブルムーンサルトプレスの大技! ダブルですよダブル! 信じられます?」
南アナウンサー「凄いですね! 今後が楽しみな選手です!」

〇球場の観客席
ケイ「お姉ちゃんまだかなー?」
メイ「あっハヤテお兄ちゃんだー! がんばれー!」
カレンの母「あら?知ってるの?」
ケイ「うん!一緒に遊んでもらったー!」
「がんばれー!」
カレンの母「フフフ」

〇格闘技リング
  60分一本勝負!
  赤〜コーナー、175センチ〜、65キロ〜、
  タカヤナギ〜ハヤ〜テ〜
高柳ハヤテ「うっしゃあああ!」
  青〜コーナー、
  175センチ〜、65キロ〜、
  ヤマナミ〜タケ〜シ〜
山浪タケシ「こいやぁあああ!」
  カーン!
高柳ハヤテ「しゃあー!」
  高柳の先制攻撃!
  鋭いチョップが山並選手に
  斬りかかる!
山浪タケシ「くっ」
山浪タケシ「これから!これから!」
  負けじとチョップをやり返す!
  高柳選手よろめいた!
高柳ハヤテ「くっ」
高柳ハヤテ「俺はこのために鍛えたんだ!」
高柳ハヤテ「負けるか!」
  山並選手をつかんでロープに投げた!
  ランニングネックブリーカー!
山浪タケシ「ぐっうぅ」
  おっと山並選手、立てない!
  高柳選手がトップロープへ!
高柳ハヤテ「おぅりゃああ!」
  華麗なムーンサルト・フット・スタンプ!
  これは痛い!
  仕掛ける方も受ける方も技術の為せる技!
  高柳選手も両刃の刃だ!
  膝に受けるダメージは相当ですからね
山浪タケシ「う、くくぅぅ」
  山並選手、よろよろと立ち上がった!
  かなりダメージは受けてるみたいですね!
山浪タケシ「あんな奴に負けるか!」
  高柳選手は、いま一度
  トップロープに登った!
  ところを!
  最上段からの
  雪崩式ブレーン・バスター!
  どどーん
  両者、雪崩のように
  マットに叩きつけられた!
  大きくマットが波打ちました!
高柳ハヤテ「ぐうう」
山浪タケシ「くぅぅ」
  何故、そんなに戦うのか!
  苦しい!この戦い!
  制するのは俺の方だと、
  両者、執念を見せています!
  山並選手!倒れる高柳選手をホールド!
  逆エビ固めだー!
高柳ハヤテ「ぐうう」
  1、2、おおー
  高柳選手、ピンチを脱出!
高柳ハヤテ「させるかー!」
  その手を振りほどいた!
  柔らかい関節!
  逆に山並選手を
  サソリ固めにしたー!
  これは決まっている!
山浪タケシ「・・・」
  山並選手、起き上がれない!
高柳ハヤテ「よし!」
  高柳選手!
  フィニッシュを決めるか!?
高柳ハヤテ「ウオリャアアア!」
  フライングパイルドライバー!
  みごとに決まった!
  1、2、3!
  カンカンカンカンカン!
  
  わーわー!
高柳ハヤテ「勝った!」

〇球場の観客席
ケイ「お姉ちゃんまだかなー?」
メイ「あっ次かもー!」
ケイ「試合が始まるよー!」
カレンの母「フフフ」

〇格闘技リング
  赤コーナー、
  172センチ〜、68キロ〜、
  夏川マサ〜コ〜
  わー!
レディマサコ「この対戦!みんな見たかったでしょー!?」
  わー
  レディ!レディ!レディ!
レディマサコ「ウフフフ! みんな!おまたせー!」
  わーわーわー
レディマサコ「ウフフフ」

〇格闘技リング
  青コーナー、
  154センチ〜35キロ〜
  
  御子神〜カレ〜ン〜!
カレン「よし!いける!」

〇黒背景
  つづく

次のエピソード:涙のシングルマッチ②

コメント

  • プロレスに詳しくないですが、実況のおかげで分かりやすかったです😀豊満な身体のマサコちゃん、よく見れば可愛くてみんな応援したくなりました!

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