殺し屋、出勤中。

吹宮良治

エピソード24(脚本)

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〇オフィスのフロア
磯ヶ谷敏文「!」
中堀伸介「あんた、何でここにいるんだ!」
石田克典「まさか、俺たちを殺しにきたんじゃ」
星野千尋「・・・これ、不破さんが書いたメモ」
  『爆弾が仕掛けられているから逃げろ!』
中堀伸介「爆弾? ふざけるのもいい加減にしてくれ」
石田克典「きっと俺らをここから追い出した隙に、会社の機密情報とか盗むつもりっすよ」
中堀伸介「・・・そういうことか」
磯ヶ谷敏文「不破くん、ここはもうキミの来るところじゃない」
磯ヶ谷敏文「帰りたまえ!」
  磯ヶ谷に詰め寄る不破。
  磯ヶ谷は小声で不破に話しかける。
磯ヶ谷敏文「お前の負けだ」
不破誠「・・・貴様」
磯ヶ谷敏文「誰もお前の言うことなど信じない」
星野千尋「不破さんの言うとおり、もし爆弾があったら・・・」
磯ヶ谷敏文「星野くん、デタラメに決まってるだろう」
中堀伸介「分かった。あんたの話が本当だと信じよう」
磯ヶ谷敏文「中堀くん!」
不破誠「・・・・・・」
中堀伸介「で、どこに爆弾はあるんだ?」
不破誠(磯ヶ谷は俺に全ての罪を着せるつもりだ。 なら仕掛けられている場所はここしかない)
  自分が元いた机の元へと歩み寄る不破。
中堀伸介「!!」
石田克典「ぶ、部長が?」
磯ヶ谷敏文「私は知らん! この男の罠だ!」
星野千尋「でも、不破さんの言った通り、本当に爆弾が・・・」
磯ヶ谷敏文「馬鹿な真似はやめろ!」
不破誠「・・・解除を」
  不破の肩からは血がにじみ、手は震えている。
星野千尋「不破さん、その怪我・・・」
石田克典「・・・血が」
不破誠「・・・・・・」
  中堀が不破に体当たりをする。
  転がる拳銃を手に取る中堀。
不破誠「・・・・・・」
中堀伸介「お前の言うことを信じるわけないだろう」
中堀伸介「部長はずっと俺らの面倒を見てくれた上司なんだ」
不破誠「・・・・・・」
中堀伸介「あんたは仲間じゃない」
不破誠「・・・・・・」
磯ヶ谷敏文「助かったよ、中堀くん」
中堀伸介「これは、こいつが事前に仕掛けておいたもの」
中堀伸介「部長のせいにして、俺らを殺す気だったんだ」
石田克典「中堀さん、連絡しておきました!」
星野千尋「連絡?」
中堀伸介「さっき石田に耳打ちして、警察に通報するよう指示してたんだ。 間もなくここへやってくる」
不破誠「・・・・・・」

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