エピソード1(脚本)
〇宇宙空間
ルール①A.M01:00~A.M04:00の間だけ、
「START GAME」か「CONTINUE」を選択できます。
注意事項。
このゲームはA.M05:00までしか、ご利用いただけません。
・・・A.M01:18
「CONTINUE」を選択。
「OK?」を選択。
〇田舎駅の駐車場
──
バスに乗ったところだ。
ここは新潟。
沙梨は記憶を取り戻していった。
画面から見える景色は、昨日と同じだ。
〇田舎駅の駐車場
沙梨「あっ」
弘美が来た。
親友の弘美とはクラスが違うから、なかなか話す機会がない。
昨日、入浴するときに弘美のクラスと入れ違えで顔を合わせた。
昨日の弘美は不機嫌だった。
弘美は気分屋だ。
〇田舎駅の駐車場
──
記憶を取り戻したタイミングで、コントローラーで自分をバスの座席に着席させ、顔をうつむかせた。
このクラスには、仲の良い友人が居ない。
バスを含め、閉所な場は逃げ場がないから嫌いだ。
男女の仲良しグループは気を遣って話しかけてくるから、面倒だし。
陰キャのグループは、話しかけても会話が続かない。
すぐに内輪でしかわからない話で盛り上がる。
居場所がないことを自覚させられる。
修学旅行なんか「不参加」を選べばよかった。
“コイン”をたくさん使って、憂鬱になるなんて無駄だった。
〇宇宙空間
ルール② 「CONTINUE」で3コイン獲得。
器用に振る舞えば、その都度コインを獲得。その都度コインの数は変わります。
〇田舎駅の駐車場
とっとと、このシーンは終わらせたい。
早く終わらせるコツは“スレ違う人から上手く避けること”だと、ネットの掲示板で見た。
〇宇宙空間
ルール③ コントローラーで、あなたの嫌いな人を避けて下さい。
ぶつかってしまうと、あなたは相手に謝らなければなりません。
〇時計台の中
15年以上前の光景を見たことで、動揺と不安からぶつかることが多い。
苦戦するシーンだ、修学旅行は。
〇観光バスの中
バスが発車した。
車に酔いやすいのもプレッシャーだ。
さっさと時間なんか過ぎればいいと願うことしかできない。
男女の仲良しグループがうるさい。
なにかアイテムを使うか。寝たふりで乗り切るか・・・・・・。
〇宇宙空間
ルール④ あなたの身近にあるアイテムをご用意しています。
コインで購入できます。
〇観光バスの中
何を話してるのかは、さっぱりわからない。
こういうとき、
自分の悪口を言われてるんじゃないか、
自惚れた勘違いをしてしまう。
性格が悪いと思われてるんだろう。
こういう自分も嫌いだ。
「速く目的地へ着け」と願いながら、寝たふりをし続けた。
〇宇宙空間
※ルール③ 補足
一瞬でも迷えば、最初に戻ります。
モトノセカイヘ
こんばんは!
ループしていく中で何か変化が起きてくるのかとても面白い題材のお話ですね
クラスメイトのグループ、集団生活のリアルが描かれていて情景がよく思い浮かびました
このゲーム世界、プレイヤーの沙梨さんは何者で、何故このゲームをプレイするに至ったのか、色々と興味がそそられる第一話ですね!
誰にでも日常生活で、感じることをこう記述してみれば思いの外その選択に枝派があるように思います。それが人生ということなんでしょうけど、嫌な時間ほど遅く過ぎていくものですね。