第1話『真夜中の駅』(脚本)
〇外国の駅のホーム
京極「夜中にひっそりと現れる駅」
京極「どこからか現れる乗客たち」
京極「そろそろ来る時間か」
〇電車の中
京極「さて、今日はどこに 連れて行ってもらえるのか」
幼い乗客「お兄ちゃん」
京極「ん?」
幼い乗客「この電車はどこに向かってるの?」
京極「それは誰にも分からない」
京極「着いてからのお楽しみだ」
〇田舎の駅(看板の文字無し)
京極「着いたか」
京極「自分の行くべき場所に 連れて行ってくれる」
施翔「ご主人!」
京極「施翔ちゃん」
施翔「何で現地集合なんですか!」
施翔「一緒に住んでるんですから 一緒に行っても良いじゃないですか!」
施翔「恥ずかしがり屋さんですか?」
京極「別行動しても 同じ場所で降りられるのか 試してみたくてな」
施翔「相変わらず意味わからないです」
京極「じゃあ行くか」
施翔「今回は異界に迷った人を 助けに来たんですよね」
京極「まあ、そんなところだな」
京極「では、行くか」
〇村の眺望
京極「いつもの悪霊退治に比べれば 楽な部類だ」
施翔「ですね」
京極「こう見ると、普通の世界と変わらん」
施翔「ですね!」
施翔「だけど」
施翔「並の人間が入り込んではいけない世界です」
京極「ああ。ただの村ではない」
〇実家の居間
京極「住居はあるが人はいない」
施翔「迷家ってやつですかね」
京極「食料もあり、綺麗にされていて 生活感があるな」
施翔「さっきの家は誰かが 食べ荒らした後がありましたからね」
京極「興味深い」
施翔「こんなところ来たくて来れる 場所じゃないですからね」
京極「この世界に迷い込んで 盗み食いするような人間なんて どうでもいいが普段来れない場所に来れたのはありがたいな」
〇枯れ井戸
施翔「気配を感じます」
京極「ああ」
飯島「えっ!?人!?」
京極「あんたか、この世界に迷い込んだのは」
飯島「あ、ああ」
飯島「ようやく人に会えたぜ」
京極「そうか」
飯島「彼女と肝試しに来たら 出られなくなったんだ」
京極「その彼女は?」
飯島「知らねえよ、あんなブス」
飯島「そんなことより あんた外から来たんだろ?」
京極「ああ」
飯島「だったら早く助けろよ」
京極「俺にあんたを助ける義理はない」
京極「そう思うだろ?」
飯島「てめえ、ぶっ殺すぞ」
京極「ぶっ殺すつもりなら 最初から殺しに来い」
京極「相手してやる」
飯島「てめえ!」
施翔「どうやら、切羽詰まってるようです」
施翔「虚勢を張っていただけのようですね」
飯島「そこの女!うるせえぞ!」
施翔「ふふ、図星か」
京極「それで彼女は?」
飯島「だから知らねえよ!」
飯島「グズだから途中で置いて来たからな」
京極「施翔ちゃん」
施翔「はい」
飯島「あの女、どこに行ったんだ?」
京極「彼女を探しに行かせた」
飯島「そんなことより お前、外から来たんだろ?」
飯島「どうやって、ここに来たんだ?」
京極「列車だ」
飯島「こんなところに駅なんてあったか?」
飯島「いろいろなところ、見て回ったけど そんなもんなかったぞ」
京極「あるぞ」
京極「探していれば見つかるだろ」
飯島「ったくよ、さっさと教えろよな」
飯島「マジうぜえな」
飯島「じゃあ、その駅に行って 電車で帰るか」
京極「彼女はどうするんだ?」
飯島「知らねえよ 勝手にはぐれたんだから 置いてくに決まってんだろ!」
飯島「せっかく付き合ってやったのに ヤラせてくれねえしよ」
飯島「学校で会ったらぶん殴ってやるわ」
京極「そうか」
京極「会えれば良いな」
飯島「大きなお世話だ!」
京極「そろそろ見つけたかな」
〇田舎の駅(看板の文字無し)
飯島「本当に駅があったなんてな」
飯島「でも、ここら辺も探したはずだけどな」
飯島「まあいいや」
飯島「やっと帰れるぜ」
飯島「それにしても腹減ったな」
飯島「もっと民家で 盗み食いしとけば良かった」
飯島「ん?」
〇電車の座席
飯島「どこに向かってるのか分からねえけど あそこにいるよりマシだろ」
飯島「帰ってあいつに会ったら ぶん殴ってやらねえとな」
飯島「楽しみだわ」
〇田園風景
沼田「あなたは?」
施翔「”せしょう”と申します」
施翔「沼田愛美さんですよね?」
沼田「え、はい」
施翔「あなたを助けに来ました」
沼田「助けにって」
沼田「何で?」
施翔「ある人から頼まれたんです」
沼田「ある人?」
京極「お、見つけたようだな」
京極「偉いぞ」
施翔「ありがとうございます!」
施翔「ご褒美は、カレーを希望します!」
京極「分かった」
沼田「あなた達って一体?」
京極「ひそう研だ」
沼田「ひそう研?」
京極「そんなことより 早くここから出るぞ」
京極「あまり長いすべき場所じゃない」
沼田「・・・・・・」
施翔「どうしました?」
沼田「飯島くんは?」
沼田「私と一緒に来た男の子です 知ってますよね?」
京極「先に帰った」
沼田「そうですか」
沼田「少しでも期待した私がバカだった」
沼田「帰りたくありません」
施翔「どうしてですか?」
沼田「あの人、すぐに暴力振るうし 罵声も浴びせてくるんです」
京極「でも彼氏だろ?」
沼田「好きで付き合ったわけじゃありません」
沼田「無理矢理付き合うことにされたんです」
沼田「本当は嫌だった」
沼田「付き合わないと 何されるか分からないから 仕方なかったんです」
施翔「つまり脅迫ですね」
沼田「はい」
沼田「今日は肝試しに来たんですけど おそらく人気のないところで 私を襲うことが目的だったと思います」
施翔「だけど、この村に迷い込んで それどころじゃなくなった?」
沼田「はい」
京極「とりあえず帰るぞ」
沼田「でも!」
施翔「大丈夫ですよ」
施翔「信じてください」
京極「君の安全は保証しよう」
沼田「えっ?」
〇電車の中
沼田「列車なんて走ってたんですね」
京極「ああ。この列車はクセが強いからな」
施翔「これで帰れますよ」
京極「ちなみにだが」
沼田「はい?」
京極「あの村で、何か口にしたか?」
施翔「食べ物を食べたり 飲み物を飲んだりしましたか?」
沼田「いえ」
沼田「人様の家のものなんて 勝手に食べれませんし」
沼田「昔から、変なところに迷い込んだら そこのものは食べてはいけないって」
沼田「おばあちゃんから教わりましたから」
沼田「飲み物は持って来たものを飲んで お腹空いたけど我慢しました」
施翔「さすがです!」
京極「素晴らしいお婆さまだ」
京極「感謝するんだな」
沼田「は、はい」
〇繁華な通り
沼田「本当に帰って来れた」
沼田「降りた駅、聞いたこともない駅だった」
施翔「でしょうね」
沼田「あと電車に乗ってる時間が やけに短く感じました」
沼田「あんな田舎から来たんだから もっと時間かかりそうなのに」
施翔「普通そう感じますよね」
施翔「間違ってませんよ」
京極「気をつけて帰るんだぞ」
京極「あと今日のことは あまり口外しないように」
沼田「はい」
沼田「・・・・・・」
京極「飯島のことが心配か?」
沼田「はい」
沼田「明日、学校で会ったらどうしようって」
施翔「それなら大丈夫ですよ」
沼田「えっ?」
〇生徒会室
京極「未だ行方不明の男子高校生 手がかり掴めずか」
施翔「無知とは恐ろしいですね」
施翔「自業自得というべきでしょうか」
京極「おや?」
老婆「孫娘を助けていただき ありがとうございました」
京極「特に何もしていませんよ」
老婆「おかげで孫娘も 安心して学校に通えます」
京極「教養のあるお孫さんで助かりました」
施翔「もし、向こうで何か口にしていたら 計画が変わりましたからね」
老婆「昔話をたくさん聴かせましたからね」
京極「素晴らしい」
老婆「イザナギとイザナミの話とか」
施翔「”よもつへぐい”ですね」
老婆「そうです」
京極「これで、あなたも天国に戻れますね」
老婆「はい!大変お世話になりました」
施翔「行っちゃいましたね」
京極「死んでも孫が心配で 俺たちの前に現れるなんて頭が下がる」
施翔「今回のあの空間は 愛美さんが救いを求めて 辿り着いたってことですかね」
京極「そうだな」
京極「彼女の心に潜む恐怖が あの空間と波長があったんだろう」
京極「そして、迷い込んでしまった」
施翔「彼女のように不安を抱える人の数だけ また誰かが迷い込んでしまうかもしれない」
京極「俺たちはそれを どうにかしないといけない」
一色エルイ「お疲れ様!」
京極「エルイちゃん」
一色エルイ「ひそう研は今日は何するの?」
京極「カレーでも食べに行くか」
施翔「やったー!」
一色エルイ「良かったね!」
〇霧の立ち込める森
飯島「どこだよ、ここ」
飯島「電車がやっと止まったと思って降りたら 変なところに迷い込むし」
飯島「誰かいるのか!?」
飯島「助けてくれよ!」
???「・・・・・・」
飯島「えっ!?」
???「m@8oq'w.」
飯島「来るな!」
こんばんは〜
最後の飯島の末路...因果応報でしょうか
世界観が独特でノスタルジックさと怖さが相まってぞっとしました!面白かったです
また楽しいシリーズが始まりましたね☺️👍
まさか依頼者はおばあちゃんだったとは!
てっきり彼女を好きな誰かと勝手に推理していました😅
特殊な力を持つコンビっていいですよね。今後のひそう研としての活躍が楽しみなお話でした😊
ふれてーん!!そうだ!!( ゚д゚)✨
ふれてんも続き読みに行かなくては!!✨
自分の長編コンやら皆さんの読んでたらほんと時間がなかなかですねー!!😂
この作品も面白いですねー!!✨☺️
不思議さと主人公のクールな感じと女の子たちの可愛い感じが癒されますね✨
無事に女の子帰れておばあちゃん安心ですね✨
良かったです✨😊