東京魔法

ぽんたろう

第2話『お守り』(脚本)

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〇リサイクルショップの中
藤原朱音「あー、暇だ」
藤原朱音「おじいちゃんから 店を任されたのはいいけど お客さんが来ない」
藤原朱音「たまには友達とカラオケ行きたい」
古賀加奈子「あのぉ」
藤原朱音「いらっしゃいませ」
古賀加奈子「ここでスピリチュアルなものが 買えるって聞いたんですが」
藤原朱音「買えますよ」
藤原朱音「ご所望のものがあれば、お出しします」
古賀加奈子「良かった」
古賀加奈子「ここ5日間で悪いことばかりが起こっちゃって厄除けみたいなのありますか?」
藤原朱音「・・・・・・」
古賀加奈子「どうかしました?」
藤原朱音「いえ、何でもないです」
藤原朱音「ありますよ」
古賀加奈子「これは?」
藤原朱音「お守りです」
藤原朱音「これがあれば おそらく悪い運とお別れできるはずです」
古賀加奈子「ありがとうございます!」
古賀加奈子「ちなみに、おいくらですか?」
藤原朱音「500円でいいですよ」
古賀加奈子「買います!」
藤原朱音「確かに!」
藤原朱音「ありがとうございました!」
古賀加奈子「こちらこそ、ありがとうございました!」
藤原朱音「悪い運以前の問題なんだよなぁ」
藤原朱音「あの子、何やらかしたんだろ」
京極「姉ちゃん」
藤原朱音「帝か、急に驚かさないでよ」
京極「悪かった」
藤原朱音「どうしたの?」
京極「お札新しいの欲しいんだけど」
藤原朱音「はいはい」
藤原朱音「あんた魔術使えるんだから 自分で作りなさいよ」
京極「めんどい」
藤原朱音「はい」
京極「ありがとう」
京極「ていうか、ここ さっきまで誰かいた?」
藤原朱音「いたけど、やっぱ分かる?」
京極「そりゃ、分かる」
藤原朱音「帝が分かるってことは相当か」
藤原朱音「また来てくれるといいけど」
京極「気になるからちょっと辿ってみるか」
藤原朱音「頼むわ」
京極「姉ちゃん、そういえばさ」
藤原朱音「ん?」
京極「この店、本当に必要な人間にしか 見つけられないように術掛けられてるの じいちゃんから聞いてないの?」
藤原朱音「・・・・・・」
藤原朱音「聞いとらんわ!」
藤原朱音「どうりでお客が来ないわけだ!」
藤原朱音「おじいちゃん、商売する気ないだろ!」
京極「あるわけない」
京極「金なら腐るほど持ってるから 趣味の延長だろうな」
藤原朱音「明日は友達とカラオケ行こ」
京極「まあ、店番は交代で施翔にさせようか」
藤原朱音「ありがと」

〇ゆるやかな坂道
古賀加奈子「これでどうにかなればいいけど」
古賀加奈子「本当に効くのかな」

〇教室
前田未央「加奈子、昨日本当に行ったの?」
古賀加奈子「うん!本当にあったよ!」
古賀加奈子「これ買ったよ!」
前田未央「噂は本当だったんだね」
古賀加奈子「お父さんが怪我したり 私も体育の時間に足捻挫するしずっと頭痛いし飼ってたハムちゃん死んじゃうし」
前田未央「そりゃあ、お守りも欲しくなるよね」
古賀加奈子「・・・うん」
前田未央「良くなるといいね」
古賀加奈子「そうだね」
保田弥生「か、加奈子ちゃん、おはよう」
古賀加奈子「保田さん、おはよう」
三木島知恵「ほら、そろそろホームルーム始めるわよ」
古賀加奈子「はーい」
保田弥生「・・・・・・」

〇線路沿いの道
前田未央「今度の日曜日さ 映画観に行かない?」
古賀加奈子「ごめん!ちょっと用事あるの」
前田未央「また?最近、休みの日予定入ってるね」
古賀加奈子「ちょっといろいろやることあってね」
前田未央「もしかして、彼氏?」
古賀加奈子「違うって!」
前田未央「怪しい」
前田未央「なら、仕方ないか 今度会わせてね」
古賀加奈子「だから、違うって!」

〇女の子の一人部屋
古賀加奈子「そうなの、彼氏がいるって疑われちゃって 誤魔化すの大変だったよ」
古賀加奈子「日曜日は会えるのかな?」
古賀加奈子「少し体調が悪い?」
古賀加奈子「大丈夫?やめとく?」
古賀加奈子「ほんと?」
古賀加奈子「嬉しい!」

〇女の子の一人部屋
古賀加奈子「何の音?」
古賀加奈子「えっ?家の中から!?」

〇部屋の前
古賀加奈子「やっぱり、誰もいないよね」

〇女の子の一人部屋
古賀加奈子「そこに誰かいるの!?」

〇女の子の一人部屋
古賀加奈子「誰もいない?気のせいか」
古賀加奈子「怖いから今日は電気付けて寝よ」

〇教室
古賀加奈子「おはよう」
前田未央「おはよう」
保田弥生「おはよう」
古賀加奈子「おはよう、、、!?」
古賀加奈子「保田さん、足怪我したの?」
保田弥生「うん、昨日階段から足踏み外しちゃってさ」
古賀加奈子「大丈夫なの?」
保田弥生「う、うん」
保田弥生「ありがとう」
古賀加奈子「何か手伝えることがあったら言ってね」
保田弥生「ありがとう」

〇中庭
藤原朱音「今日も弁当が美味いわ」
藤原朱音「帝が私を校内で呼び出すなんて 珍しいじゃん」
京極「気になることがあってな」
藤原朱音「何?」
京極「この前、姉ちゃんが売ったやつ お守りじゃないだろ?」
藤原朱音「さすが、伊達に陰陽師の血は流れてないか」
藤原朱音「あれはさ、、、」
藤原朱音「・・・」

〇線路沿いの道
前田未央「ていうかさ、保田さん」
古賀加奈子「保田さんがどうかした?」
前田未央「絶対加奈子のことが好きだよね」
古賀加奈子「えっ?そうなの?」
前田未央「だって、明らかに加奈子と 他のクラスメイトだと態度が違うよ」
古賀加奈子「全然気づかなかった」
前田未央「うち女子校だから、そんな子いても 不思議じゃないけどね」
古賀加奈子「うん」
前田未央「あれぇ?」
前田未央「彼氏いる人は困っちゃう?」
古賀加奈子「違うって!」
前田未央「嫉妬に気をつけなよ」
前田未央「嫉妬って怖いよ」
古賀加奈子「怖いこと言わないでよ」
前田未央「ごめんごめん」
前田未央「そういえばさ、三木島先生 今日体調悪そうじゃなかった?」
古賀加奈子「そういえば、そうだね」
古賀加奈子「ずっと咳き込んでたし」
古賀加奈子「この前もちょっと辛そうにしてた」
前田未央「風邪なのかな」
前田未央「三木島先生好きだから 体調壊さないでほしいな」
古賀加奈子「うん」
前田未央「そういえば、体調で思い出したけど」
古賀加奈子「ん?」
前田未央「最近、悪いことは治まった?」
古賀加奈子「うん!お守りってすごいね!」
古賀加奈子「悪いことが全然起きないよ!」
前田未央「良かったね」
古賀加奈子「うん!」

〇教室
三木島知恵「そ、それじゃあ、じゅ、ぎょうを始めます」
古賀加奈子(顔が青ざめてて苦しそう)
三木島知恵「じゃあ、きょうかしょをだ、だれかに読んでもらおうかな」
古賀加奈子(何かあったのかな)

〇学校の廊下
古賀加奈子「智恵さん」
三木島知恵「古賀さん、学校だと先生と呼ぶように」
古賀加奈子「ごめんなさい」
三木島知恵「それでどうかした?」
古賀加奈子「先生が体調悪そうだったから」
三木島知恵「ちょっと寝不足で、それが原因かも」
古賀加奈子「病院行った方がいいですよ」
三木島知恵「大丈夫よ、あと少しで ちゃんと寝れるようになるから」
古賀加奈子「あと少し?」
三木島知恵「じゃあ、またホームルームでね」
古賀加奈子「はい」
古賀加奈子「・・・」
古賀加奈子「あと少しでってどういうことだろう」
保田弥生「・・・・・・」

〇役所のオフィス
三木島知恵「あと少し」
男性教師「三木島先生」
三木島知恵「はい」
男性教師「今度入籍されるそうで おめでとうございます!」
三木島知恵「ありがとうございます」
男性教師「一応生徒たちには内緒なんですよね」
三木島知恵「はい」
三木島知恵「ちゃんと入籍してから 報告したいと思いまして」
三木島知恵「だから、内密にお願いします」
男性教師「了解です」

〇女の子の一人部屋
古賀加奈子「知恵さん、平気かな」
  嫉妬に気をつけなよ
  嫉妬って怖いよ
古賀加奈子「まさか、保田さんが?」
古賀加奈子「この前の家でのラップ音もそうなのかも」
古賀加奈子「そうだ、あのお店で 先生の分のお守りも買おう」

〇リサイクルショップの中
施翔「いやー、暇ですー」
施翔「でもこれで 1時間1カレーは安いもんですよ」
施翔「おや?」
古賀加奈子「こんにちは」
施翔「いらっしゃいませ!」
古賀加奈子「あれ?この前の店員さんは?」
施翔「今日はお友達とカラオケに行ってます」
古賀加奈子「そうですか、あ、あのぉ」
施翔「あのお守りが欲しいんですよね」
古賀加奈子「どうして、それを!?」
施翔「それぐらい分かりますよ」
施翔「・・・ただ」
施翔「今、あなたにお売りできるものはありません」
古賀加奈子「どうしてですか!?」
施翔「うちのお店は”お客が商品を選ぶ”のではなく”店がお客に商品を選ぶ”からです」
古賀加奈子「それだと困るんです」
施翔「んー、大丈夫なはずなんですけどね」
古賀加奈子「お願いします! もう一つお守りを売ってください!」
施翔「困りましたねえ」
京極「仕方ない、俺が対処しよう」
施翔「ご主人!」
古賀加奈子「ご主人?」
京極「君、時間はあるか?」
古賀加奈子「は、はい」
京極「では、行くとしよう」
古賀加奈子「えっ?」

〇けもの道
古賀加奈子「こんな街外れの林に何かあるんですか?」
京極「ここには小さい神社がある」
古賀加奈子「神社?知りませんでした」
京極「寂れた神社だからな」
京極「あれを見てみな」
古賀加奈子「何ですか!?これ」
京極「知らないのも当然か」
京極「わら人形」
京極「丑の刻参りをする際の道具だ」
京極「これを呪う相手に見立てて 五寸釘を打ち呪い殺す」
古賀加奈子「ネットで聞いたことぐらいはあります」
古賀加奈子「あのどうして、これを私に?」
古賀加奈子「もしかして」
京極「そうだ、このわら人形は 君に向けられたものだ」
古賀加奈子「私にですか!?」
古賀加奈子「私、誰かに恨まれているということですか?」
京極「少し違う」
京極「君に消えてもらいたい人物がいる」
古賀加奈子「そんな、、、」
京極「残念ながらな」
京極「次に行くとしようか」

〇住宅街の道
北田「今日は楽しかったよ」
三木島知恵「私もよ」
北田「今度は朝まで過ごそうな」
三木島知恵「うん」
北田「じゃあな」
三木島知恵「今日で終わる」
古賀加奈子「知恵さん、今の人って」
三木島知恵「加奈子!?」
三木島知恵「どうしてここに?」
古賀加奈子「知恵さん、私と付き合ってたんじゃないの?」
三木島知恵「ばれちゃったのね」
三木島知恵「そんなの遊びに決まってるじゃない」
古賀加奈子「私は本気だった」
古賀加奈子「卒業したら 一緒に住んでくれるとも約束してくれたのに」
三木島知恵「大人はね、平気で嘘をつくの」
三木島知恵「信じちゃダメよ」
古賀加奈子「ひどいよ!」
三木島知恵「まあ、これで心置きなく結婚できる」
三木島知恵「あんな金持ちと 結婚できるチャンスないんだからね」

〇けもの道
三木島知恵「はあはあ」
三木島知恵「今日で終わる」
三木島知恵「父親が怪我したり あの子も怪我をしたんだ」
三木島知恵「儀式が終わればあの子は死ぬはず」
三木島知恵「そうすれば、女子生徒と付き合っていたという事実は誰にもバレない」
三木島知恵「死ね!」
三木島知恵「死ね」
三木島知恵「死ね!」
三木島知恵「これでもう大丈夫!」
三木島知恵「帰ろう」

〇教室
男性教師「皆さんに、突然ですが 悲しいお知らせがあります」
男性教師「三木島先生が昨晩交通事故に遭い お亡くなりになりました」
前田未央「えっ!?嘘でしょ!?」
古賀加奈子「・・・・・・」
古賀加奈子(京極さんの言う通りだ)

〇リサイクルショップの中
京極「そうか、死んだか」
施翔「人を呪わば穴二つですね」
古賀加奈子「先生は何故亡くなったんでしょう」
京極「あのお守りを持ってるか?」
古賀加奈子「はい」
京極「それはお守りの一種だが用途が違う」
古賀加奈子「そうなんですか?」
施翔「それは”呪い返し”です」
古賀加奈子「呪い返し?」
京極「そうだ」
京極「最初にここにいた女の店員がいただろ?」
古賀加奈子「はい」
京極「最初、君を見た時に 呪いがかかっているのに気が付いた」
古賀加奈子「だから、これを売ってくれたんですね」
京極「そういうことだ」
古賀加奈子「つまり、先生は呪い返しによって 先生自身に呪いが返ったってことですか?」
施翔「正解です」
古賀加奈子「そんな・・・」
京極「悲しいか?」
古賀加奈子「一応初恋の人でしたから」
古賀加奈子「ただ安心した気持ちもあります」
京極「そうか」
古賀加奈子「あと一つ気になることがあるんです」
古賀加奈子「私の部屋でラップ音があって、、」

〇線路沿いの道
古賀加奈子「弥生ちゃん」
古賀加奈子「足、大丈夫?」
保田弥生「うん!ありがとう!」

〇リサイクルショップの中
京極「それは生霊だな」
古賀加奈子「誰のですか?」
京極「名前は分からないが」
施翔「灰色の髪の子ですね」
古賀加奈子「保田さんのことだ」
京極「その子が君を心配して 守ろうしていたようだ」
施翔「本人は自覚ないようですけど 霊感があるみたいです」
京極「守ろうとして呪いの巻き添えで 怪我をしたみたいだな」
古賀加奈子「もしその子がいなかったら?」
施翔「お父様の怪我はもっと酷く あなたも酷い目にあっていたかもしれません」
古賀加奈子「そっか」
古賀加奈子「保田さんのことを疑っちゃった」
京極「その分、感謝して仲良くすればいいさ」
古賀加奈子「はい」

〇線路沿いの道
前田未央「今度からは帰る時3人一緒だね」
古賀加奈子「どこかに寄って行こうよ!」
保田弥生「うん!」

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