指揮官の器

夏目心 KOKORONATSUME

6 お返しのパス(脚本)

指揮官の器

夏目心 KOKORONATSUME

今すぐ読む

指揮官の器
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇研究施設のオフィス
  相葉社長が逮捕され、相葉ジュエリーショップが倒産してから数ヶ月。俺達のアウトドア製作所は順長に売上を上げていき、
  噂が流れたからか、相葉ジュエリーショップの元従業員の何人かが俺達の元へ面接に来て、形は違えどまた昔の仲間と
  一緒に働く事が出来る様に成った。
黒澤友樹「お早う御座います!」
小野寺圭一「お早う、先輩さん。この前はスカッと出来たかい?」
黒澤友樹「はい!お陰様で、相葉社長にはずっと言いたかった事が全部言えて、悔いは無いです!」
小野寺圭一「ほう!そいつは良かったじゃねぇか!」
黒澤友樹「皆さんが居てくれたから出来た事です。所で、社長と葛城秘書はどちらへ?」
小野寺圭一「あれ?忘れたのかい?あいつ等は今日から3日間の休暇だよ」
黒澤友樹「あぁ!そう言えば今日からでしたね!」
小野寺圭一「そう言うこった。さ、あいつ等が帰って来るまで、俺達が此処を仕切るぜ!」
黒澤友樹「はい!今日も頑張って行きましょう!」

〇原っぱ
  仕事が安定して出来る様に成った事を機に、俺は麗華の提案で休暇を取る事にした。暫く忙しくて出来なかったアウトドアに、
  何だか久し振りに心が踊った。
黒崎瞬「こう言うのも、久し振りだな」
葛城麗華「瞬」
黒崎瞬「麗華?って・・・!?」
黒崎瞬「有難う・・・麗華」
葛城麗華「どういたしまして!」
葛城麗華「それにしても本当綺麗ね!まるで私達以外誰も居ない見たい!」
黒崎瞬「だろ?こう言う所は嫌な事全部忘れさせてくれるからな」
黒崎瞬「まぁ、戻れば思い出しちゃうけど」
葛城麗華「それは仕方の無い事よ。さて瞬、これからどうするの?」
黒崎瞬「あぁ、これから二人で山登りだ。頂上に着いたら飯にして、綺麗な風景の写真撮って帰ろうぜ」
葛城麗華「分かった!じゃあ行こうか」
黒崎瞬「あ、待って!」
葛城麗華「どうしたの瞬・・・って、わっ!?」
葛城麗華「瞬、これって・・・」
黒崎瞬「日頃のお返し。麗華、昔から一緒に色々やって来たけどさ、今こうして麗華と旅してる訳だけど俺、これまで本当に楽しかった」
黒崎瞬「迷惑掛けたりする事も有ると思う。だけど、俺は思い出を作るなら麗華と作りたい。変かな」
葛城麗華「瞬・・・・・・何で私がパスして物を渡してたか分かる?」
黒崎瞬「まぁ、ついこの前に成ってからかな。仕事ちゃんとやりたいから言わないで居たんだけど」
葛城麗華「そっか・・・そうだよね。もう私達も子供じゃ無いしね。あのね瞬、私もお願いが有るんだけど聞いてくれる?」
黒崎瞬「何だ?」
葛城麗華「私と二人で、また一緒に出掛けない?今度は海とか、街中でも何処でも良い。瞬が行きたい所に、私も連れてって!」
黒崎瞬「・・・うん。一緒に行こう。どんな場所にでもさ」
葛城麗華「有難う・・・これからも宜しくね!」
  俺達はこの日、ハイキングを心から楽しんだ。山頂で昼食を取り、道中で見掛けた綺麗な花や景色を写真に収めながら。
  後日、俺と麗華は正式に付き合う事と成り、仲間達は祝福してくれた。また暫くして、俺が麗華と結婚する事に成るが、
  それはまた別の話だ。
  ご視聴有難う御座いました。またのお越しを、お待ちしています。

ページTOPへ