英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

30話「それぞれの道」(脚本)

英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

今すぐ読む

英雄親子は名誉を捨てる
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教室
  元の日常が戻って数ヶ月がたった。
  魔王教会により破壊された街も復興作業が進み元の賑わいを取り戻している。
  念願の学生生活も残すところ後数ヶ月。
  進路を書いて提出する書類を渡されてそれを改めて実感した。
アリス・ワトソン(進路・・・か・・)
  先のことなんて正直考えてもいなかった。
  やっと普通の年相応の生活を送ることに慣れてきたのだが少しでも時間が空くと──
  ──平和を知らない戦時中を思い出す。
ラン「アリス!おーい!アリス?どしたの?」
アリス・ワトソン「わぁっ!?」
ラン「うおっ!?びっくりした!そんな驚かないでよ!」
アリス・ワトソン「ごめん!考え事してて!!」
ラン「そうなの?まぁ進路の事なら来週まで時間あるしゆっくり考えなよ!私で良いならいつでも相談にのるよ!」
アリス・ワトソン「ありがとうラン」
  ゆっくり考えようと言ったランの書類にこっそり目を向けてみるとすでに第一志望の項目は「東軍」で埋められていた。

〇英国風の部屋
不知火 明花「それじゃ準備もできたし!そろそろ出るとするかな!」
  明花は兄との約束を守るため旅に出る事にした。
  特に目的も無くあてもないただ世界を見て回るだけの旅だ。
アリス・ワトソン「・・・寂しくなりますね」
不知火 明花「まぁそんな寂しがるなよ!半年ごとに戻ってくるからよ!お土産は期待しといてくれ!」
アリス・ワトソン「はい!期待してます!無事に帰ってきて旅先の話を聞かせてください!!」
不知火 明花「おう!」
不知火 明花「そんじゃ!行ってくる!」
アリス・ワトソン「・・・私のやりたい事・・・」
  皆んなそれぞれ道を見つけて歩き始めた。
  そんな中道を見けられず焦りを感じ、自分の胸に手を当ててやりたいことを考える。
アリス・ワトソン「・・・」
アリス・ワトソン「・・・・・・」

〇墓石
アリス・ワトソン「父さん。無事に卒業したよ!色々あったけど楽しい三年間だった」
  父が眠る墓の前で卒業の報告をした。
  父はあの世で喜んでくれているだろうか?
アリス・ワトソン「あと進路の事なんだけど・・・」
アリス・ワトソン「私は──」

〇教会内
リンカ「念の為もう一度確認するよ」
アリス・ワトソン「はい」
リンカ「今渡した水晶玉」
リンカ「それに強くこちらの世界をイメージして破れば戻って来れる可能性はある。ただし絶対とは限らない」
アリス・ワトソン「はい。理解してます」
リンカ「もう一つは向こうの世界とこっちの世界で時間の流れが多少違う可能性がある」
アリス・ワトソン「・・・」
リンカ「つまり目的を果たせない可能性もあるんだ」
アリス・ワトソン「・・・」
リンカ「それでも行くのかい?」
アリス・ワトソン「はい!私はこの目で見てみたいんです。 自分が生まれた街を・・・世界を」
リンカ「そうか・・・わかったよ!」
リンカ「忘れ物はないね?」
アリス・ワトソン「はい!」
リンカ「それじゃあ行くよ!!」
アリス・ワトソン「リンカさん!」
リンカ「なに?」
アリス・ワトソン「ありがとうございます!!」
リンカ「必ず帰ってくるんだよ。アリス」

〇けもの道
ラリク・フェアル「・・・行動を開始する」

〇川沿いの公園
サラリーマン風の男「誰か!誰か助けっ!?」
レイ・コウデリ「・・・・・・」

成分キーワード

ページTOPへ