三井家の夜(脚本)
〇大きな日本家屋
カラオケが終わると、みんなは帰宅する
立木 彩芽「奈々ちゃん 今日も楽しかった!ありがとうね」
潤「じゃあ俺は彩芽送って帰るから」
三井奈々「それじゃあ、また学校で!」
青柳 昭二「じゃあな奈々、一乃、昴もまた遊ぼうぜ」
浜野昴「昭二!今度は飲み物買い出しはお前にやってもらうからな! また遊ぼう」
蒔田 悠「学校にチャリ取りに行かなきゃ、それじゃあ」
悠だけは学校への通用口から帰って行った
と思っていた
小石川一乃「あら、悠君が帰ってきましたわ」
蒔田 悠「正門閉まってた 自転車で庭通らせてくれ」
三井奈々「庭の苔とか潰さないように気をつけてね、庭師のおじいちゃん怖いから」
蒔田 悠「おう」
奈々と一乃は和風の庭を自転車が傷つけないかヒヤヒヤしながら悠を見送った
ミルク・シャルテット「わたしも帰ります、ゴキゲンヨー」
三井奈々「ちょっと待って! ミルクちゃんはこっちよ」
ミルク・シャルテット「What!?」
〇おしゃれな住宅街
家の中を突っ切って、裏口に出るとそこにはベンツが3台並べられていた
三井奈々「彩芽ちゃんは家が近所だけど、ミルクちゃん家遠いでしょ?千代田区だっけ?だからお迎えが来てたわよ」
ミルク・シャルテット「えっと・・・・・・」
浜野昴(うわ・・・・・・ナンバープレートが青い・・・・・・)
小石川一乃(え?これ外交ナンバーじゃない・・・・・・ミルクちゃん絶対英国王室の縁者ね)
〇広い和室
3人は友人が帰った後に浴衣に着替えた
三井奈々「晩御飯は何かしら」
小石川一乃「晩御飯は寝坊しなくて温かいご飯が食べられるから大好きですわ」
浜野昴「・・・・・・ふたりともごはんが冷え切るまで寝てるの?」
「大抵10時起きですわ」
浜野昴「この言い方的に反省もしてないんだろうな・・・・・・」
料理長「今日の料理はそばだ」
三井奈々「夜になっても暑い今日にぴったりね」
小石川一乃「薬味のねぎはたっぷりお願いしますわ」
料理長「一乃、お前はそうめんとかそばとか食べるときはアホほどネギつけるよな いっそのことめんつゆとネギだけにしてやろうか?」
小石川一乃「あら、素晴らしい提案だわ!」
浜野昴(一乃は料理長を煽ってるのか!? ・・・・・・いや、あれは素で喜んでるな)
料理長「冗談に決まってるだろ ネギ抜き、麺の味を楽しむことを覚えろ」
料理長「はいよ」
三井奈々「いただきます」
「いただきます」
奈々たちはそばを食べ終わると、料理長にお礼を言った
三井奈々「料理長、ありがとうございました」
料理長「いつもは朝昼晩作ってるのにみじんも感謝の言葉なんて言わないのに今日はどうした!?」
三井奈々「いえ、いつもの料理のことではなく」
料理長「なによりいつもの料理に感謝してほしいんだがな」
三井奈々「カラオケの際にポテトチップスを作ってくれたことです」
小石川一乃「あれは昴が買ってきていたんじゃないの?」
浜野昴「あの量の飲み物と一緒に大量のポテチなんて運べるはずがない」
料理長「あれか・・・・・・」
料理長「ちょっと呼んでくる」
「おい日向! お嬢様方がおよびだぞ」
廊下にも響く大声で料理長が誰かを呼んでいるのが聞こえる
日向「はいはーい どういたしましたか?奈々お嬢様」
三井奈々「私もよくわかってないのよ」
料理長「奈々、おまえの言っていたポテチを作っていたのはこいつだ」
三井奈々「日向さん、本日のポテトチップスありがとうございました」
日向「いえいえ、高校生であつまったらああいうもの欲しくなるだろうなあ と思ったまでですよ」
日向「では、仕込みに戻りますんで」
日向はすぐにキッチンの方に戻っていった
小石川一乃「料理長、部下の方いらっしゃったんですね」
料理長「調理場に一人しかいないなら料理「長」なのはおかしいだろ 料理人ではない時点できづけよ」
三井奈々「てっきり名誉職なのかと」
料理長「そもそもこの三井本家に何人いると思ってるんだ、100人以上、財閥の会合がある日なんかは1000人以上だぞ」
料理長「そんな多くの人においしい食事を提供しようと思ったら、部下は20人必要だよな」
三井奈々「部下の方々は20人もいたのね」
料理長「15人だよ! 俺たちは毎日てんてこまいになりながら料理作ってるんだ」
三井奈々「うちはそんなにブラックだったのね」
小石川一乃「・・・・・・料理人の増員を打診しましょうか?」
浜野昴「それよりもお前らはきちんと起きて本来の時間で料理を食べるんだ。 本来仕込みに使う時間を皿洗いなどに取られる方が迷惑だ」
「はい・・・・・・」