はあああああっ、召喚!(脚本)
〇電車の座席
彼はトキオ。
正義のヒーローを名乗っている。
探偵というか、問題解決屋というか。
そして僕はヨウジ。
トキオの助手を務めている。
僕らは依頼主の元へ電車で向かっているのだが──
???「誰か、あの男を捕まえとくれー」
トキオ「行くぞヨウジ!」
ヨウジ「やれやれ、またいつもの発作か」
〇駅のホーム
トキオ「おばあさん、何があったんだ!?」
おばあさん「あの男じゃ」
おばあさん「ワシのお金をくすねとっていったのじゃ」
指さす先には走り去る男。
トキオ「おばあさん待っててくれ」
トキオ「今すぐとっちめてやるから」
ヨウジ「はい。渋谷で・・・・・・すみません」
ヨウジ「後ほど連絡します」
ヨウジ「・・・・・・待ってくれトキオー」
依頼主に連絡を欠かさず、僕たちは強盗犯を追って駆ける。
〇黒
――極悪卿交錯魔境、SHIBUYAを。
〇渋谷のスクランブル交差点
トキオ「ヨウジ、ストップ!」
ヨウジ「どうした?」
ヨウジ「なっ、コイツは!?」
トキオ「ヨウジ知っているのか?」
ヨウジ「ああ。コイツは誰彼構わずに王冠で腰痛をマッサージするヤブ医者、ドレッドルーレットヤクモだ」
ヨウジ「あの男のマッサージにかかった患者は快楽に昇天し完治するか、腰椎椎間板ヘルニアになるらしい」
ヤクモ「腰砕きにしてやるぜぇへへへぇ」
トキオ「なんて危ないヤツなんだ」
トキオ「だがコイツに時間を取られている場合じゃない」
トキオ「はああああっ、召喚!」
ヨウジ「かっ、彼はハルバードを振り回し殺陣をこなすかたわら休日には育児に追われる系コカトリスのアルゴくん」
トキオ「アルゴくんここは任せた」
アルゴくん「バイト代は弾んでもらいますよくえっ」
ヤクモ「どんなお客様も腰砕きにしてやるぜぇへへへぇ」
トキオ「行くぞヨウジ」
ヨウジ「分かった」
〇渋谷のスクランブル交差点
トキオ「止まれヨウジ」
ヨウジ「次はどうし・・・・・・あ、あれはっ」
ヨウジ「あの方は脚線美を見せつけてメロメロになった隙をついて財布と男心を奪っていく凶悪犯、チャーミーフラミンゴ北沢クビレ」
ヨウジ「僕大ファンなんだよ」
クビレ「あらあ~、あなたたちも私に夢中にさせてあげるわよ」
ヨウジ「はい是非とも!」
トキオ「バカ言ってるな先を急ぐぞ」
トキオ「はあああああっ、召喚!」
ヨウジ「かっ、彼女は、日焼けサロンが大好きな心優しい系クラーケンのサーシャさん!」
トキオ「サーシャさん、ここは任せた」
サーシャさん「お礼はタコ墨パスタでいいわ」
クビレ「うふふふ、さあ、踊りましょう」
クビレ「魅惑の花園で」
トキオ「行くぞヨウジ」
ヨウジ「この対決は見過ごせ――わっ、引っ張るなトキオ」
ヨウジ「俺は魅了されたい。花園へいざなわれたいんだー!」
〇渋谷のスクランブル交差点
トキオ「・・・・・・ヤバいのがいるぞ」
ヨウジ「そうなのかトキオ」
トキオ「ああ。ヤツは俺も知っている」
トキオ「鼻くそを付けた相手を別の場所に瞬間移動させる極悪人、下町のやんちゃぼうずこととびのぶぶすけだ」
ぶぶすけ「人は何故生まれ、生きて、生を全うするのだろうか」
ぶぶすけ「神よ、我々はいづこへたどり着けば救済されるのでしょう」
ヨウジ「コイツは確かにヤバい。僕もはっきりと感じるよ」
トキオ「だが相手してられねえ」
トキオ「はあああああっ、召喚!」
トキオ「強さを追い求めいつしか海千山千、そして近年ウインタースポーツにはまった系カリュブディスのタレオス殿」
トキオ「の、子どもたち」
子どもたち「スケートよりアメフトしたーい」
ヨウジ「大群だー!?」
ぶぶすけ「神よ。これが我への試練という事ですね」
ぶぶすけ「へいらっしゃい!」
トキオ「行くぞヨウジ」
ヨウジ「お、おう、分かった」
〇渋谷のスクランブル交差点
マツマエ「はあっ、はあっ、ひぃ~」
ヨウジ「待てっ」
トキオ「やっと追いついたぞ」
ヨウジ「彼はっ!?」
トキオ「知っているのかヨウジ」
ヨウジ「彼は毎晩決まってラーメンを食べて翌朝便秘だと交番で騒ぎ立てラーメン屋へ間接的な文句を言うあんちゃん、マツマエくん」
トキオ「近所の有名人だったか」
トキオ「さあマツマエくん。奪ったものを返すんだ」
マツマエ「誤解だ。俺は何もしてない!」
ヨウジ「はあ?」
マツマエ「あのおばあさんがいきなり転んだんだ信じてくれ」
???「かっかっ」
???「そやつが言っとるのは本当じゃよ」
ヨウジ「おばあさん!」
おばあさん「弱いものイジメとは感心せんのう」
おはあさん「正義のヒーローサマァ!」
ヨウジ「そんな、おばあさんの正体は事あるごとに言いがかりをつけて訴訟を起こし恨みを買いつつ金をせびる富豪のキミコさんだなんて!」
ヨウジ「口癖は、あー死ぬ。そろそろ死ぬわい」
キミコ「よく知っておるのう若いの」
キミコ「褒美をくれてやるかのう」
キミコ「そこの正義のヒーローから大金を巻き上げた後での」
ヨウジ「まさかっ、最初からトキオを狙った計画だったのか」
ヨウジ「トキオ、下手に何かするとどんな言いがかりをつけられるか分からない。気を付けろ」
トキオ「・・・・・・ふっ、大丈夫だ」
トキオ「俺には全て、視えていた」
???「あれ、探偵さんと、おばあちゃん?」
ヨウジ「え、アスミさ――え?」
トキオ「動くなキミコばあさん」
アスミさんは今日これから会うはずの依頼主。
突然現れた彼女に、トキオはナイフを突きつけていた。
トキオ「ばあさん。この人の命を守りたいなら、言う通りにしてもらおうか」
キミコ「ああっ、ああ、アスミ」
キミコ「・・・・・・要求はなんぞや、ガキ」
トキオ「今後は法廷の世話になるような遊びを止めてもらう」
キミコ「ワシの楽しみを奪うってのかい」
キミコ「あー死ぬ。そろそろ死ぬわい」
トキオ「孫の命とどっちが大切なんだい?」
キミコ「・・・・・・しょうがないねえ。約束したげるよ」
トキオ「契約成立だな」
キミコ「ああ、アスミ。ワシの可愛いアスミや。 ケガはないかえ?」
アスミ「大丈夫よキミコおばあちゃん」
アスミ「帰ろうか」
キミコ「そうするかのう、ほっほっ」
トキオ「ふっふっふっ、また正義を執行してしまったぜ」
ヨウジ「・・・・・・これは僕も一杯食わされたという事だったのかな」
〇渋谷のスクランブル交差点
キミコ「ちいー、惜しいとこまでいったのじゃが」
キミコ「さて、次は誰を狙うかのう」
アスミ「もう民事訴訟はダメだよ」
キミコ「老い先短い人生を楽しませてくれのう」
「なあ、ばあさん」
キミコ「なんじゃあ?」
ヤクモ「腰砕きにしてやるぜぇへへへぇ」
「ぎゃあああああああああああ!?」
fin
すごくカオスな展開でおもしろかったです!
色んな方法で問題を解決していくところが爽快です!
おばあちゃん、訴訟を起こすのが趣味っていうのが笑えました。笑
キャラが一人一人とてもたっていました😌
アイテムを挟むの場合によっては
難しかったりするのですが、
使い所がきっちりとうまく利用されていて
すごいなと思いました🤭
最後まで楽しんだ輩ですけど情報量多すぎません???見逃せない対決ばかりで、新キャラが出るたびに笑えて手が止まってしまいました。人間界のヘルスケアも召喚獣界の育児も大変ですね。