強敵襲来!(脚本)
〇一人部屋
無名 書男「やる気ない・・・ 浮ばない・・・ 作れない~~~~~~っ!!」
無名 書男「くわぁあああああっ!!」
ス・ランプー「ぬぅわははははっっ!!」
無名 書男「えっ!?何!! なんなのコイツ!!」
ス・ランプー「よぉ・・・。 どうやら、この星にはザコしか居ないみたいで助かったぜぇ・・・」
無名 書男「何言っちゃってるんですか!? どう見ても夢か?! 頭おかしくなっちゃったかな?!」
ス・ランプー「ここの部屋から落選臭がしてなぁ。 はは、お前のそれ・・・そこ!! たまんねぇ~~グエヘヘヘ!!」
無名 書男「ひ・・・ひぃ・・・・落選臭・・・っ やめろ!そんな臭いしてな・・・っ してないからな!!!」
ス・ランプー「こりゃエターナル様も喜ぶな。 お前、見込みがある・・・。 俺たちの仲間になれる素質がな・・・!」
無名 書男「ひぃいぃいぃいいっ!!! た・・・助けてぇえええっ!!!」
カキーザ「どうしたんだい・・? そんなおっきな声だして」
無名 書男「な・・・っ・・・! 今度は・・・猫がしゃべった?!」
カキーザ「にゃふ・・・。 僕は「ねこ」じゃなくて 「カキーザ」って言うんだけどね」
ス・ランプー「んなにぃっ?! カキーザだと?!バカな!」
ス・ランプー「グエヘヘヘ! ヤツがこんなところに居る訳がない! こんな落選臭がするくっさいとこにな!」
無名 書男「それ傷つくからやめてよね!」
カキーザ「にゃふ。 ひとまず、その事は置いておいて・・・ 話しを聞かせてみて」
無名 書男「それが・・・ まぁ、新作作りたいんだけどさ・・。 やる気ないし、進まないで・・・」
ス・ランプー「あったり前だろぉ? コイツぁ愉快だ! ザコライター確定だな!」
カキーザ「にゃふ・・・。 それは苦しい状況かもしれないね。 新作が浮んではいるのかい?」
無名 書男「浮んだり浮かばなかったり・・・ 何か、盗作とか既出とか・・・ そう言うのが気になって・・・」
無名 書男「せっかく思いついても 「もうありそう」とか・・・」
無名 書男「面白そうって思った他の人のを元に作ったりしてしまうから、パクリって言われそうで怖くなってやめちゃうんだ・・・」
ス・ランプー「パクリライターか! 道理で!ハハ!こりゃぁ良い!」
ス・ランプー「こりゃ詰んだな! 間違いない!」
無名 書男「ううううう・・・。 やっぱり、僕にTapnovelなんて 難しすぎたんだ・・・!」
カキーザ「諦める事はないよ。 ここは僕に任せて・・・」
無名 書男「でも・・・・」
カキーザ「任せなさい・・ス・ランプーごとき 私の敵ではありません。 なぜなら・・・・」
カキーザ「私の文章力は53万ですから」
ス・ランプー「ははっ!何をおかしなことを! パクリは犯罪! 同じネタは飽きられてる!」
ス・ランプー「真似したところでそれはサル真似! 個性のない作品なんてゴミ同然! どうだ!ははは!」
カキーザ「パクリの何か問題でも?」
ス・ランプー「なななっ!なんだと?!」
ス・ランプー「ぬぅぐわぁっ・・・! 我が力が全く通用しないとは・・・っ!」
無名 書男「でも・・・パクリが良いって・・」
ス・ランプー「そ、そうだゾ・・・! 運営に消される! 社会的に許されない!」
カキーザ「確かに、盗作はいけない事さ。 無断であろうとなかろうと。 人のものは人のもだよ」
カキーザ「だけど、このモノが溢れ返る世の中で 真のオリジナルを探すなんて不可能 そんな事で創作やめてたらキリないのさ」
カキーザ「君が考えた事なんて、この世の中を探せば5万と類似したものが出てくる。 逆に世に出ている作品だってそうなんだよ」
カキーザ「有名な作品。売れている作品。 どれも例外なく、既出だったり、パクリだったりは混在している」
カキーザ「大事なのは、それが丸パクリでないって事で、その作者なりの「世界」がある事。 それが目新しく感じる点なんだよ」
ス・ランプー「いやいや! やはり、やはりそうではないぞ! 求められてるモノはな!」
ス・ランプー「求めてないモノはただのガラクタ。 消費されずに消えていく! そうだと相場が決まっている!」
無名 書男「そ・・・そうだよ。 やっぱり流行とか大事だよ・・・ パクリなんてしたら許されないし・・・」
カキーザ「逆だよ・・・」
無名 書男「逆・・・・?」
ス・ランプー「やはり貴様はカキーザ等ではないな! 読者の要望っ!需要っ! それが全てに決まっているっ!」
カキーザ「にゃふ・・・違うね・・・・」
カキーザ「創作は自由。 作る事と需要なんて 一切関係ない話なんだよ」
ス・ランプー「んなななな?! 需要と関係ないっ・・・だと?!」
無名 書男「いや・・・! あるでしょ!だって・・・ 見られないじゃないかそれだと!」
カキーザ「何か誤解しているようだから 言っておくけどね・・・」
カキーザ「君は何を作っても良いんだよ。 誰かの為に作ると言うのは動機にはなる事はあっても、理由にしてはいけない」
カキーザ「どんな作品だって、作品は作品さ。 大事なのは「君が作った」って事。 君が作りたいものだって事だよ」
ス・ランプー「ふ・・・ふふふ・・・! 甘いぞカキーザ!その程度か! 評価されなくては意味がない!」
ス・ランプー「見られない作品はザコ! 落選する作品はその程度のレベル! 誰だってそう思うのだよ!」
ス・ランプー「そんなモノ作って何の意味がある? ははは!無意味だ!」
無名 書男「うううう・・・そうだ そうなんだよ・・僕なんて・・・ 僕の作るモノなんて所詮・・・」
カキーザ「にゃふ。 大丈夫、前を見てみて・・・」
カキーザ「何を作ろうと、何ができようと。 君の前にあるのは「君の作品」 それを誰がどう言うかは別の話だよ」
カキーザ「評価は「読者」がする事。 作者がする事ではないよ」
カキーザ「そんな事に左右されていたら、それは読者に都合が良いだけの「人形」だよ」
カキーザ「君が作りたいのは「人形」かい?」
無名 書男「ち・・・違うけど・・・・ だけど、やっぱり評価は見ないとさ・・・」
ス・ランプー「そ・・・そうだ! 落選は落選した理由があり 見られない理由やそれらはある!」
カキーザ「だから、何ども言うけど。 それって、作った後の話だよね?」
ス・ランプー「ツく・・・った・・・アト・・・」
無名 書男「あ・・・・」
カキーザ「君は今、できた後ばかり考えてる。 それが評価されるか、見られるかどうか そういう事を」
無名 書男「確かに・・・出来もしてないうちから 僕はこれがウケるのかとか・・ 受賞しないかなぁ・・とか思ってる」
カキーザ「でも、それって結局は出してみてからじゃないとわからない事じゃないかな?」
カキーザ「確かに、何かと気にしなければならない事には創作にはいっぱいある」
カキーザ「素人の創作物だって、法律に反すれば罰則があるし、制裁だって受ける」
カキーザ「規約違反になっていれば削除されたり、創作できなくなったりする事はあると思う」
カキーザ「でも、それって・・・ 普通に創作していればそうそうは起きないし、自分が一番よくわかってる事はず」
カキーザ「何かを参考にした。 何かのオマージュをした。 何かにインスパイアされた」
カキーザ「無数にある作品群で、自分の作品が誰とも被らないなんて奇跡なんだよ」
無名 書男「うん・・・こんなの違反だとか・・・ それぐらいわかってる・・・ つい、読んで欲しくなって・・・」
無名 書男「確信犯的なパクリと違うって事も・・ 一緒と似ているとは違うし・・・ 自分がどこをパクったか一番わかってる」
ス・ランプー「うぐぐぐ・・・ ヨマレる事は正義!真実・・・! だったら人のだって使う!」
ス・ランプー「貴様言ったな!パクリは良いと! そうだ!そうしよう! 他者のを使うんだ!」
無名 書男「そっか・・・わかった! 何を使っても良いんだよ・・・!」
カキーザ「にゃふ」
ス・ランプー「だ・・・だにぃぃいいぃいっ!!?」
無名 書男「それが自分の作ったものならね! 誰かと似てたって! 既にどっかにあったって!」
無名 書男「出して問題になるもの作ったって ちっとも楽しくなんかない! 作りたいものはそうじゃないって事!」
無名 書男「お前なんかに負ける訳にはいかない! お前ごときに・・・!! くらえ!!はぁあぁああっ!!」
無名 書男「カ~~キ~~ク~ケ~~コォオオッ!! (書苦卦光!!)」
「ぐぁああぁぁああああっ!!」
無名 書男「なぜ辞めようとしていたのか 僕は、きっと自信がなかったんだ」
カキーザ「にゃふ。 作る人は、ただ作るのみ」
カキーザ「評価が嫌なら公開せずに、自分用で楽しむと言う方法もある。 まずは作ってから考えれば大丈夫」
無名 書男「ずっと落選だったから、僕はきっと脅えていたんだと思う。 自分が作るモノの反応とかに・・・」
カキーザ「やめたくなる様な事を言われたり 逆に誰も反応してくれなかったり 創作にはそういう瞬間もある」
カキーザ「ですが、作品は残るのです。 良い意味でも、悪い意味でも。 あなたがした事として、成果として」
無名 書男「うん・・・。 残したいもの、見たいもの・・・ 例えそれが誰かのと似ていても・・・」
無名 書男「「作る事」って、そういう事だよね。 出す事や、評価を受ける事はその先で 今、作ってる最中なんかじゃないんだよ」
カキーザ「にゃふ。 しかし、ス・ランプーですか・・・。 彼が居ると言う事は・・・」
無名 書男「どうかしたんですか・・・?」
カキーザ「いえ、私事ですよ。 それでは、そろそろ行かせて頂きますね」
無名 書男「カ・・・カキーザ様・・・!!」
無名 書男「・・・・・」
無名 書男(こんな凄い出来事そうそうないぞ・・ まてよ?!これを題材にしたら 次こそ受賞いけるんでは・・・?!)
こうして、強敵ス・ランプーを撃退することに成功した彼だったが・・・
やはり受賞したい欲は消し切れず
再び創作迷子となろうとしているのは
また別のお話し・・・と言う事で
創作に関する悩みや惑いを一刀両断してくれるカキーザ様、またお会いできて嬉しいです!それと、相変わらずの可愛いビジュアル…
やる気をなくしかけている全てのライターさんに読んでほしくなるお話でした。創作活動は気がつくと己の煩悩との闘いになりがちですね。「作る人は、ただ作るのみ」というカキーザ様の言葉が心に響きます。それにしても「落選臭」ってすごいパワーワードだなあ。ス・ランプーさん、いろんな意味で楽しそうで何よりでした。