第二話「鳴り響く 仕掛け花火や 胸の内」(脚本)
〇事務所
失礼しまーす!古林 一咲です!!
入りまーす!!
古林 一咲(こばやし いっさ)「先生!!バト部の羽田が水筒にジュース入れて持ってきてます!注意して下さい!」
中学の先生「何?わかった、いつもありがとうな古林!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あと、同じクラスの西村が授業中うるさくて集中できません!」
中学の先生「そうか、わかった。注意しとくよ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「それから、通学路でヘルメット被ってない生徒がいるのと──」
中学の先生「わかった、わかった!注意するから──」
〇レトロ
古林 一咲(こばやし いっさ)「中学生の俺は、曲がったことが嫌いで」
古林 一咲(こばやし いっさ)「よく先生に”告げ口”をして 周りから煙たがられていた」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あの頃の俺にとって 『正しいこと』は『絶対』だったから」
古林 一咲(こばやし いっさ)「”告げ口”した後の人間関係なんて 考えない俺に同級生は」
古林 一咲(こばやし いっさ)「『正義の名の下に暴力を振るう人間』 みたいに見えていたのかも知れない」
古林 一咲(こばやし いっさ)「2年生にもなると”仲間はずれ”が始まり」
古林 一咲(こばやし いっさ)「”悪口”や”からかい”の日々・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「だからこそ『マジメ』でいることは」
古林 一咲(こばやし いっさ)「自分を見失わないための価値観となった」
古林 一咲(こばやし いっさ)「──そんな不器用で オシャレや恋に縁遠い俺は」
古林 一咲(こばやし いっさ)「”イケてない中学生”の 代表に違いなかったろうな・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そんなある夏の日──」
〇街の全景
俺と彼女は、あの日──
〇海辺の街
とても惨めで──
〇繁華な通り
素敵な出会いをしたんだ──
〇川沿いの公園
古林 一咲(こばやし いっさ)「はぁ、はぁ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「待ち合わせは花火大会開始の19時」
古林 一咲(こばやし いっさ)「1時間も早く来ちゃったな」
古林君へ
金輝海上花火大会一緒に見ませんか?19時に金輝公園の一番奥の2つ並んだベンチで待ってます
KY
古林 一咲(こばやし いっさ)「待ち合わせのベンチは、あっちか!」
〇公園のベンチ
アナウンス『まもなく、金輝海上花火大会が始まります──』
一般人「よいしょと──」
一般人「さて、近くに移動するか」
一般人「うん!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あった!あれだ!あのベンチだ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「き、緊張するなぁ──」
古林 一咲(こばやし いっさ)(ん!?誰かベンチに座ってる? もしかして!?この人が!?)
???「スヤスヤ・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)(あれ?知らない人だ・・・ 綺麗な人だな・・・年上かな?)
???「ん、ん──」
???「ふぁわー、よく寝たなぁ?今何時だ?」
???「げっ!もう10分前じゃないか! 女を待たせやがっ て!」
???「ん?なんだ?私に何か用でもあるのか!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「えーっ!違います!違います!」
???「さっきからチラチラ見てんだろ! いやらしい視線が刺さってくんだよ!」
???「それとも新手のナンパかこの野郎! ちょっとこいや!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「違いますって!ほらコレ! コレ読んでください!」
???「──んだ、これは?」
???「えー、何何・・・ふむふむ・・・」
???「──待ってます。KY・・・か・・・」
???「ごめん!謝る──! 勘違いしちゃったみたいなー!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「わかってもらえたらいいんです!」
???「ったく早く言えよー! お前も彼女待ちかー!おいおい!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「痛い、痛いですよ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「それに、彼女ではないですけど・・・」
???「なーに言ってんだよ! この文面だったら告白される流れじゃん!」
???「私と一緒だな!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!?本当ですか!!」
???「一つ上の先輩でさ。話ぐらいしかした事ないけど急に呼び出されたんだ・・・」
???「実は・・初めて男に誘われて、ちょっと何していいかわからないんだよね」
古林 一咲(こばやし いっさ)「へ、へ──」
???「へ──って何だよ! やっぱりケンカ売ってんのか?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「いえ!違いますって!意外だなと思って!」
???「ばっか!中学生なら普通だろ!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え──!!中学生!?」
???「な、何だよ!声でけーよ!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「だって大人っぽくて 高校生だと思ってたから・・・」
???「化粧だよ!化粧!──ったく」
???「・・・なぁ、 これって私、告られるよな絶対?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ぼ、僕も・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「僕も初めてで、 むっちゃ緊張してます!」
???「お──!そうだよな、そうだよな!」
???「私ら恋愛仲間じゃん!よろしくな!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「は、はい!」
〇神社の石段
〇お祭り会場
〇公園のベンチ
古林 一咲(こばやし いっさ)(もう開始から30分過ぎた・・・)
???「あー、くそ! 喉渇いたしジュース買ってくるわ!」
???「奢ってやるから誰か来たら 待っててもらってよ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!あ、はい!」
〇神社の出店
露店のオヤジ「はい、おねーちゃん。 コーラレモネード2つ!」
???「サンキュー!イケメンのおじさん!」
露店のオヤジ「おほ!可愛い子に嬉しいこと言われるとオマケしちゃいたくなるね!」
露店のオヤジ「よっしゃ!特別にこのキーホルダー1個あげよう!限定品だぞ!」
???「マジ!ラッキー!流石イケおじだねぇ!!」
???「さてと・・・」
???「遅いと入れ違いになるかも知れねぇ、 近道して帰るか」
〇川沿いの公園
???「ん?なんだアイツらコソコソと・・・!?」
〇公園のベンチ
「うそー!マジで待ってやがる!」
「ちょー、ウケんだけど!」
〇川沿いの公園
同級生「ラブレターだと思ってんじゃね? 馬鹿正直だねー!」
同級生「ちゃんとKY(空気読め)って 書いてあげてるのに」
同級生(──古林君ごめんなさい)
同級生「ねぇ、アンタが書いた手紙読んで来てるんだから会ってフってきなよ!」
同級生(無理やり書かせたくせに・・・)
同級生「そんな・・・無理だよ」
同級生「何?口ごたえ?早く行きなよ!」
同級生「トロトロしてんじゃねーよ!」
同級生「嫌・・・です・・・」
同級生「も、もうこんな事するの嫌です──!!」
〇川沿いの公園
同級生(ごめんなさい!ごめんなさい!!)
???「って──な!前見ろよ前!!」
同級生「ひっ!ごめんなさい!」
???「泣くほどのことかよ・・・ったく」
同級生「あのコレ・・・」
???「おう・・・それより、今の話はあそこのベンチに座ってる男のことか?」
同級生「え、え!あの・・・その・・・」
同級生「はい・・・」
同級生「ヒック・・・グスン・・・」
???「何泣いてんだよ!もういいよ、早く行け!」
同級生「は、はい・・・」
???「ったくジュース1個 無くなったじゃねーか!」
???「さてと・・・」
〇川沿いの公園
同級生「あいつ逃げやがって!」
同級生「マジ、ムカつく!」
同級生「友達として付き合ってやってるのに 何あの態度?」
同級生「わかってないんだよねー、 身分というかなんていうか」
同級生「仕方ないよねー、”片親”だもん」
???「はい、はい、はい、はい・・・」
同級生「え!何この人」
同級生「高校生?雰囲気やばくね!」
「ど、ど、ど、どうしよう」
???「面白そうな事やってるじゃん、 何やってんの?」
「ホッ。好意的だ──」
同級生「えっと、実はー、あのベンチに 芋男が座っているじゃないですか」
同級生「古林って言うんですが、 偽のラブレター書いたら来るかなって」
同級生「そしたら本当に待ってて ウケますよね、あの顔で!」
同級生「あいつ馬鹿正直だから 何回でも引っかかるんですよ!」
同級生「からかいがい、ありますよねー!」
同級生「そうそう、古林は”両親”どっちもいないし 誰でもいいんじゃない」
同級生「誰でもいいから、かまってもらえたらって・・・犬じゃん!」
???「にゃるほどねー・・・それはウケる!」
「ですよねー!」
???「──って」
同級生「やだ!ジュースかかったー!」
同級生「マジ最悪──!!」
???「ああ!!ウケるぜ!ちょーウケる!」
???「お前ら服が濡れたから、ここで帰るか・・・」
???「白い車に送ってもらうかどっちがいいよ!」
「ヒーッ!!」
???「”片親”がなんだ!? ”両親”がいないからなんだ!?」
???「それが”問題”だと?」
???「そんなんは”問題”でもなんでもねぇ!!」
???「一番の”問題”はお前らのその──」
???「クソみたいな考え方だぁ──!!」
???「あいつは何かお前らにしたのか!?」
???「誰かに頼りたい時も頼れずに!」
???「誰かに相談したい時もできず!」
???「戦ってきたアイツを バカにするのは許さない!!」
???「ふざけた真似してたら タダじゃおかねぇぞ──!!」
「・・・」
???「返事は──!!」
「は、はい──!!」
???「後──」
???「さっき逃げたメガネにも手を出すなよ! お前らのツラは覚えたからな!」
「は、はい──!!」
???「──じゃ、行っていいよ」
「はい!失礼します!!」
???「ふーっ」
???「お、おい・・・聞いてたのか!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「はい、悲鳴が聞こえたので・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「僕、からかわれてたんですね・・・」
???「まー、そうなるかな」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あの・・・ありがとうございました!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そうなんじゃないかって 薄々は考えていたんです」
???「わかってた? お前騙されるのわかって来てるのか?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「学校でよく、 からかわれていることが多いので・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「それでももし、 誰かが本当に待ってたらと思うと」
古林 一咲(こばやし いっさ)「行かないなんて 選択肢が浮かばなくて・・・」
???「お前、すげーマジメなんだな」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そうなんです。 マジメに生きてるだけなんです」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そのおかげで今日、 あなたの様な素晴らしい人と出会えました」
古林 一咲(こばやし いっさ)「今まで一度だって僕のために 本気で怒ってくれる人いませんでしたから」
古林 一咲(こばやし いっさ)「こんな嬉しいことは生まれて初めてです!」
???「お、おう。よかったな」
???「・・・とりあえずベンチに戻るか!」
〇公園のベンチ
朱美 (あけみ)「ねぇ、流星疲れたぁ。ここ座ってこぉー」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「んだよ!こんなとこよりホテル行くべ」
朱美 (あけみ)「もう、やだぁ流星のスケベ」
???「あれ!?」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「ん?」
???「ちょい、ちょい、ちょい!!」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「げっ!!」
???「流星先輩?これどうゆうこと!?」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「悪い悪い!ちょっと先約あるの忘れちゃってー、今日は勘弁なー」
???「は!?」
朱美 (あけみ)「流星なにー、その女。また浮気したのぉ?」
???「はぁ?あんた誰?」
朱美 (あけみ)「教えなぁーい。いこー、流星」
???「待ってよ!説明してよ! 誘ったの先輩でしょ?」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「あ──、めんどくせーな」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「俺はさ、エッチな事が好きなの」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「お前さ、身持ちがかたすぎて、 正直退屈なんだわ」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「キープだけしとこうと誘ったけど、 もういらねー!」
朱美 (あけみ)「ププッ──!!」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「キスすらしない奴と付き合うのも嫌だわ」
朱美 (あけみ)「ねー!こんな風に!」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「おい、焦んなって」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「ま、そういうことだから」
朱美 (あけみ)「ふふっ。 私、先行ってくるから早くきてねー」
朱美 (あけみ)「じゃあね、チェリーガールちゃん♪」
???「う、う、う・・・」
???「ヒック!ばっ、ばかー、最低だよ──!!」
権田原 流星(ごんだわら りゅうせい)「やっぱダリぃなー。じゃな!」
???「なんでこんなことするんだよ!」
びわ子さんこんにちは!
読むのが遅くなってすみません🙇♀️権田原流星、私も覚えたぞ先輩の顔と名前をー!ってくらい酷い先輩でしたね〜!
ここから真面目な二人の恋愛がスタートしていくのですね
凄く楽しみです✊
しかも頭が坊主なの、可愛い😂💕
セリフ回しが上手くてアニメのようにスラスラ内容が入ってきました👍
黒髪美少女ちゃん、カッコいい~💕と思っていたら、こんなひどい目に!😭
チャラ男先輩許すまじ!( ;゚皿゚)ノシ
一咲くんともに、二人には悲しい過去があったんですね😢
1話のツンツン美少女が、なんであんなにツンツンしてるのか気になるし、続きが楽しみです!
もしかしたら、2話の一咲くんのキャラ名が、『一茶』になってたような気がします🤔?
勘違いでしたら、すみません💦
まさかの中学生時代の姿にびっくりでした😳
古林くんは両親がいない……?
いじめっ子が最低すぎでしたね😥これは美少女に惚れるのわかる!