デス・パレードは祈りと共に

はじめアキラ

エピソード10・策の中(脚本)

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〇黒背景
峯岸輪廻(さて、情報を整理しよう)
峯岸輪廻(まず、俺が持っているのは死神のカード。 このカードは、誰も持たなかった余りカードの存在を知ることができる)
峯岸輪廻(これは疑いようがない。俺視点での、確定情報だ)
峯岸輪廻(使われなかったカードは、処刑台。つまり、消去法で残りのカードを三人が持っていることになる)
峯岸輪廻「つまり“炎”か、“太陽”か、“月”。 必ず残る三人が、これらを一枚ずつ所持している。これも揺るがない」
須藤蒼「あ、あの!僕、僕・・・! ごめんなさい、その、引いたカードなんですけど・・・」
須藤蒼「と、特に皆さんの役に立てそうになくて、そういうことができそうじゃなくて、というか、その・・・」
赤井鳳輔「そ、その・・・う、嘘はいけないんじゃねーかな、坊主!お前、運営の手先だったのか!?」
赤井鳳輔「と、とにかく俺は!坊主が嘘を言っているということだけはわかる!同じカードは二枚ないんだからな!」
  この二人の発言は、どちらも“炎持ち”COと見て間違いない。
  つまり、どちらかは嘘をついている。
  そして。
芦田ルミカ「・・・いいえ。二人のうちどちらかは本当のことを言っていると思うわ」
  芦田ルミカのこの発言。
  これは、非炎持ちCOと見て間違いない。
  何故ならば彼女が炎のカードを持っていたならば、必然的に残る二人が二人とも嘘吐きであることが確定するのだから。
  ただし。芦田ルミカがそれをわかった上で、嘘をついているというケースもある。というか。
  彼女は確定で“嘘吐き”だ。
  その言葉を、鵜呑みにすることはできない。何故ならば。
  “炎”以外の二枚のカードが“太陽”と“月”だから。
  『二枚目は“太陽”。
   “月”の在りかを知ることができる』
  『三枚目は“月”。
   “太陽”の在りかを知ることができる』
  彼女が炎持ちではないのなら、月か太陽のどちらかを持っているはず。
  このカードは人狼ゲームにおける共有者のようなものだ。
  つまり、持っているのが月だろうと太陽だろうと、相方がどちらなのかわかっているはずである。
  そしてこの場合、その相方が嘘をついていることになる。
  芦田ルミカの立場からはそれが見えるのだ。
  しかし、どちらが嘘つきか、という問いに彼女は。
芦田ルミカ「ご、ごめんなさい。混乱してて。 でも、わたしにはわからないわ・・・」
  こう答えた。・・・つまり、嘘吐きを庇った、というわけだ。
  ルミカは、運営側の人間だ。
  そして、須藤蒼と赤井鳳輔、どちらか片方も同じく裏切者だといえる。
  俺と一緒にいた蒼の方を妄信するのは簡単だ。しかし、彼に何か含みがあるのは俺も気づいての通り。
  ならば。

〇組織のアジト
峯岸輪廻「・・・目星はついたが、最後は賭けか。こういうのばっかだな、このゲームは」
峯岸輪廻「芦田さん。貴女の持っているカードに関して。何か情報を戴けませんか?」
芦田ルミカ「じょ、情報?」
峯岸輪廻「ええ。あとの二人は実質炎を持っているとCOしたようなものですが、現時点で貴方だけ何もCOしていません」
峯岸輪廻「貴女が本当に味方なら、俺達に自分のカードについて教えなければいけないはず。不都合がありますか?」
芦田ルミカ「そ、それはその、えっと・・・」
芦田ルミカ「・・・・・・」
芦田ルミカ「わたし、昼の方が好きなの!」
峯岸輪廻「・・・は?」
芦田ルミカ「明るい時間って、とってもいいでしょう?夜より昼の方が好き」
芦田ルミカ「元々ポジティブな性格なのよね。だから、そういうものを引き寄せやすいのかなあって思ってるんだけど」
峯岸輪廻「・・・・・・」
赤井鳳輔「確かにな!あんた頭オヒサマって感じがするぜ!」
赤井鳳輔「能天気そうだもんな、なんとなく!」
芦田ルミカ「はあ?それどういう意味!?」
赤井鳳輔「え、ちょ、何で怒んの?褒めたのに!?」
芦田ルミカ「ちっとも褒められている気がしないわ!馬鹿にされたみたい!」
赤井鳳輔「え、えええ・・・」
峯岸輪廻「・・・夫婦漫才か?」
芦田ルミカ「そこ、何か言ったかしら?こんなデリカシーのない男と夫婦なんてごめんだわ!」
赤井鳳輔「えええええ、何で俺こんなに嫌われてんの・・・」
芦田ルミカ「何で、ですって?胸に手を当ててよーく考えてみなさい!」
赤井鳳輔「なんだよ、ひっでえなあ・・・」
峯岸輪廻「・・・・・・」
峯岸輪廻「・・・はあ。まあ、いいことにしましょう」
赤井鳳輔「?」
芦田ルミカ「え?いいことって何が?」
峯岸輪廻「茶番はこれくらいにしましょう、ということです。決定的証拠ではないですが、状況的に見てこれで確定でいいでしょう」
峯岸輪廻「芦田ルミカさん。赤井鳳輔さん。貴方たち二人が、嘘吐き・・・・・・このゲームの運営側の人間ですね?」
赤井鳳輔「は!?」
芦田ルミカ「え!?ちょ、今の会話でなんでそうなるの!?」
峯岸輪廻「人狼ゲームと同じです。先ほども言った通り。意図的にミスリードしようとする人間は、人狼か狂人なんですよ」
峯岸輪廻「貴方たちは、二人揃って嘘をついている」
峯岸輪廻「炎持ちが蒼、太陽持ちが赤井さん、月持ちが芦田さんですね?」
赤井鳳輔「!」
芦田ルミカ「!!」

次のエピソード:エピソード11・答の中

コメント

  • やはり……という推理結果が出されましたが、次に残る疑問が、ゲームの運営側と目される2人の目的ですよね!
    そして、”今回”は嘘吐きでなかった蒼くんの正体も気になりますね!まぁビジュアルもボイスも可愛いのでこのまま出続けてほしいですがww

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