〇組織のアジト
ゆな（コイツら、いつまで寝てんのよ・・・ 早く起きてくれないかしら・・・）
「っ・・・」
あおと「こ、ここは・・・」
ゆな「やっと起きたのね おはよう、気分はどう？」
あおい「貴方は近所に住んでる、ゆなさん・・・ なぜこんな事を・・・」
ゆな「まっ、私達はアンタ達が元々気に入らなかったから、アンタ達の父親に協力しただけ とりあえず呼んでくるから待ってなさい」
あおと「ちょっと！」
あおい「あおと・・・」
あおと「姉ちゃん、何があっても俺が守るから とにかくこうたの助けを待とう」
あおい「うん・・・」
ぐおん「久しぶりだな、あおい、あおと」
あおい「・・・」
あおと「父さん・・・ 何でこんな事したんだよ・・・」
ぐおん「オマエらが逃げるからだろ で、今も音楽をやってるのか？」
あおと「もちろんだよ 夢を叶えるためにもやらないとだから」
ぐおん「そうか・・・ なら仕方ないな さとる、頼む」
さとる「君達さ、実の父親に対して態度悪くない？」
あおと「父さんは子供のやりたい事をさせてくれないし、酷い時には蹴ったり殴ってきた事もある」
あおと「そんな親なら、態度悪くなっても仕方ないですよ」
ぐおん「ﾁｯ、さとる早くやれ！」
さとる「了解 さてと、悪い子にはこれ、付けようね？」
「!?」
さとる「まずは、君から・・・」
あおと「姉ちゃんに近づくな!!」
さとる「君じゃ、大人の僕達に勝てない 抵抗しないで黙ってなよ」
あおと「黙ってられない!!」
さとる「はぁ・・・」
あおい「えっ!?」
あおと「ね、姉ちゃん!? い、いつの間に!?」
あおい「嫌だ・・・」
あおと「っ・・・」
さとる「これで終わりだよ」
あおと「くそっ・・・」
ぐおん「ふんっ、オマエらに抵抗出来るはずがない じゃ、少し眠っててもらおうか」
「え？」
あおと「おい、待て!!」
あおい「っ 、苦しい・・・」
あおと「姉、ちゃん・・・ っ、こう、た・・・」

〇おしゃれな居間
ぐおん「よくやった、さとる」
さとる「いえいえ」
さとる「どうした、ゆな？」
ゆな「ん、彼女達が音楽を好きだと聞いてちょっとね・・・」
さとる「そう、か・・・」
ぐおん「ん、どういう事だ？」
ゆな「私、有名な音大卒で元々は音楽をやっていたの だけど、ある時に挫折して辞めたのよ」
ぐおん「・・・」
ぐおん「あまり良く思わないが、君達には恩がある 今回は見逃そう」
ゆな「・・・」
さとる「ぐおんさん、この後はどうする予定ですか？」
ぐおん「とりあえず、音楽を辞めると言うまではあの場所に居てもらう予定だ」
さとる「わかった とりあえず彼女達は俺が見ておくよ それでいいですか？」
ぐおん「構わないですよ 俺は寝室で休憩してます」
さとる「はい、ごゆっくり」
ゆな「さとる・・・」
さとる「大丈夫、彼女達には音楽を続けてもらえるように僕が頑張るから ゆなはぐおんさんにバレないように・・・」
ゆな「そういう事は任せて ただ、私が彼女達と話した方がいいんじゃない？」
さとる「あっ、確かにそうだね ゆな、頼めるかな？」
ゆな「もちろんよ さとるこそ、やらかさないでよね？」
さとる「ふふっ、気をつけるよ じゃ！」
ゆな「さて、私も彼女達の方に行くか」

〇川沿いの公園
こうた「はぁ・・・、どこ行ったんだ？」
さより「あの、こうたさん、ですよね？」
こうた「貴方はさよりさん!?」
さより「たまたまこの近くに通ったら見かけたので・・・ それで、何かあったんですか？」
こうた「それが、あおいとあおとがお父さん達に連れ去られてしまって・・・」
さより「えっ!?」
こうた「俺が出かけてる隙に入られたみたいで・・・」
さより「なら、私も探しますよ！」