ウェイ蔵渋谷リフレクション

快亭木魚

読切(脚本)

ウェイ蔵渋谷リフレクション

快亭木魚

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〇渋谷のスクランブル交差点
ウェイ蔵「ウェ〜イ!渋谷ハロウィンで飲みまくってもう朝だぜ〜!」
  ウェイ蔵はかなり酔った状態で明け方の渋谷スクランブル交差点にいた。
  前日のハロウィンでウェイしてはしゃぎまくり暴れまくった彼にはウェイ蔵のニックネームがついた。
ウェイ蔵「逃げると恥だ!逃げると恥だ!ぎゃははは!」
  彼は有名ロボットアニメのコスプレをしている。だがアニメ本編を観ておらず有名な劇中台詞ですらうろ覚えだった。
  全く作品リスペクトのかけらもない仮想道具としてのコスプレだったのである。
ウェイ蔵「渋谷ハロウィンサイコー!」
ウェイ蔵「あれ?なんか透明な壁みたいなもんがあって・・・駅に入れない・・・!」
ウェイ蔵「歩いて行こうとしても透明な壁に阻まれて進めない!渋谷から出られねーぞ!」

〇ハチ公前
ウェイ蔵「おいおい困ったな〜帰れねー!」
  途方に暮れたウェイ蔵はハチ公前で座り込む。
「ウェイ蔵よ・・・」
ウェイ蔵「ん?誰かが話しかけてくるな・・・誰?」
「ウェイ蔵よ・・・聞け・・・」
ウェイ犬「貴様はウェイの呪いで渋谷に閉じ込められたのだ・・・!」
ウェイ蔵「ウウェイ!おいおいハチ公が喋ってんぞ!ヤベえ酔いすぎて幻覚見てる!」
ウェイ犬「バカ者!私は幻覚ではない。ハチ公に化けていたウェイの守護犬ウェイ犬だ!」
ウェイ犬「ウェイ蔵よ!貴様は今他の人から見えない状態だ!反省がなければこの渋谷から永遠に出られない!永遠に気付いてもらえない!」
ウェイ犬「まずはセンター街に行け!」
ウェイ蔵「ヤ、ヤベえ・・・信じらんねーが・・・とりあえずセンター街に向かうしかねえ・・・」
  ウェイ蔵は困惑しながらもセンター街に向かった。

〇センター街
ウェイ蔵「センター街に来たが・・・どうなるんだ・・・」
清掃ボランティア「来たなウェイ蔵君」
ウェイ蔵「ヤベえ本格コスプレきたこれ!」
清掃ボランティア「私は清掃ボランティア。この格好は悪臭や汚れから身を守る為のものさ」
清掃ボランティア「君、昨日の夜センター街でゲロ吐いた上に立ちションしただろう」
ウェイ蔵「酔って覚えてね〜そんなことあったような・・・」
清掃ボランティア「道具は貸すから自分で清掃するんだ」
ウェイ蔵「げぇ〜汚ねえ〜!やりたくねー!」
清掃ボランティア「君、自分で言ってただろ「逃げちゃ恥だ」って」
ウェイ蔵「いやそれはほらアニメの台詞真似的なあれで・・・」
ウェイ蔵「でもやらなきゃ閉じ込められたままだしな・・・」
ウェイ蔵「仕方ねえ!やる!」
  ウェイ蔵は掃除をする決心をした。
ウェイ蔵「うっわ!臭いし汚ねえし最悪!」
清掃ボランティア「清掃に関わる人には見慣れた光景だよ」
  困惑しながらもセンター街を掃除するウェイ蔵であった。
清掃ボランティア「よし!綺麗になった!では次はスペイン坂に向かうんだ」
ウェイ蔵「うわ〜まだ何かあるんか〜行きたくねえが・・・行くしかねえ・・・」
  ウェイ蔵はスペイン坂に向かった。

〇スペイン坂
ウェイ蔵「服汚れたから着替えたぜ!スペイン坂に来たぞ」
カフェ店員「来ましたねウェイ蔵」
カフェ店員「あなたは昨日の夜、酔って店の前で暴れてゴミを散々散らかしていきました!おかげでスペイン坂はゴミ坂と化してます!」
カフェ店員「ゴミ拾いを手伝ってください!」
ウェイ蔵「酔って覚えてね〜!でもやるしかねえ!」
  ウェイ蔵は勢いよくほうきとちりとりを受け取った
ウェイ蔵「ウウェイ!ゴミ拾いしたる!」
カフェ店員「その心意気良し!」
  ウェイ蔵は懸命にゴミ拾いをした。
カフェ店員「よし!大体オッケー!次は宮益坂に行ってください!」
ウェイ蔵「ヤベーまだ帰れねえのか」
  ウェイ蔵は宮益坂へ向かった。

〇宮益坂
ウェイ蔵「宮益坂に着いたぜ」
運転手「お!お前は昨日の夜いた奴だな!顔を覚えてる!」
ウェイ蔵「え〜俺ドワーフみたいな人に何かやった?」
運転手「うちの会社はハロウィンの日にコスプレ必須なんだ!仕方なく着てるこんちくしょう!」
運転手「俺は運転手だ!お前昨日の夜俺のトラックを転がしただろ!」
ウェイ蔵「ああ!あのハロウィン装飾したトラックか!そう言えば酔った勢いでそこらにいた人と盛り上がってトラック横転させた!」
運転手「そのせいでトラックが壊れたんだバカ野郎!修理を手伝え!」
ウェイ蔵「ひいーすんませんしたー!」
  ウェイ蔵は懸命に修理を手伝った。
運転手「よし!大体修理できた!もう飲み過ぎるんじゃねぇぞ!じゃあ帰れ!」
ウェイ蔵「これで帰れると思いたい!」
  ウェイ蔵は宮益坂を後にした。

〇渋谷駅前
  ウェイ蔵は渋谷駅前に戻ってきた。
ウェイ蔵「いや飲み過ぎはよくねーぜ」
ウェイ蔵「な!駅前の大型ビジョンに昨日の酔った俺が映されてる!」
  それはそれは激しい酔いっぷりに恥ずかしくなるウェイ蔵。
ウェイ蔵「やべえ酔った自分を観るの恥ずかし」
ウェイ犬「ウェイ蔵よ!貴様は酔い過ぎた!だが反省を行動で示したので呪いを解除してやろう!」
ウェイ犬「もう飲み過ぎるなよ!」
ウェイ蔵「すんませんしたー!」
  街頭ビジョン映像が消えあたりが急速にぼやけていく・・・。

〇モヤイ像
ウェイ蔵「はっ!」
  ウェイ蔵は駅前モヤイ像前で目を覚ました。
ウェイ蔵「今のは夢だったのか?」
イシダ「ウェイ蔵!起きたか?」
ウェイ蔵「殺し屋みてえなのキタ!ヤベ!まだ夢の中か!」
イシダ「何言ってんだ!戦闘員コスしたお前の友人イシダだ!お前酔いすぎだぞ!」
イシダ「お前昨日の夜飲み過ぎて色んな所で暴れて迷惑かけまくってるぞ!どうすんだこれから?」
ウェイ蔵「聞くまでもねえ」
ウェイ蔵「謝って掃除して修理して反省してくるぜ!」
ウェイ蔵「それが俺のウェイ(道)だ!」
イシダ「やるんだな!俺も協力するぜ!」
  かくしてウェイ蔵は酔い過ぎた自分の後始末に向かったのである。
ウェイ犬「以上、ナレーションはウェイ犬でお送りしました」
ウェイ犬「皆様も飲み過ぎにはお気をつけて!」
  (完)

コメント

  • 盛り上がっても、人に迷惑をかけちゃいけませんよね。笑
    彼は後始末をさせられて、やっと改心したみたいですが、本来やっちゃいけないことはお祭りでもやってはいけないです。
    楽しく読めました!

  • このシステム本当に欲しいなと思いました🤔笑
    主人公の適応力の高さからスラスラと読め、
    とてもテンポが良かったです🙆‍♀️

  • お酒飲んで、楽しい時間を過ごし、自分が制御できず、人に迷惑をかけること多々(笑)どこか社会への語りかけのような、ありがたいお話しでした。

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