エピソード47(脚本)
〇奇妙な屋台
北のマッチョ「フシュー」
店主「あら!北のマッチョさん! 珍しいわね、どうしたの?」
北のマッチョ「・・・」
サッ
店主「お手紙? 北のマッチョさんが書いたの?」
コクコク
北のマッチョは
大きくうなづいた。
店主「読んでもいいの? どれどれ・・・」
店主「「みなさん、おげんきですか、 たなばたの まつりを きたのくにで おこないますので、 さんかして ください」
店主「おたのみします ひこぼし おりひめ きたのまっちょ より」」
店主「アラ〜 みんなに招待状を書いたのね! すごいじゃない!」
北のマッチョ「フシュー」
店主「みんな喜ぶわよ! 街のみんなに渡してきていいかしら?」
北のマッチョ「フシューフシュー!」
店主「ウフフフ」
〇商店街
謎占い師さん「・・・というわけなのですよ」
謎占い師さん「そこで、 北のマッチョさんのお手紙を 皆さんに配っていただけないかと お願いに来ました」
和菓子屋ミーナちゃん「わっかりました〜 商店街とか学校とかに 声かけてみますね〜」
和菓子屋ショウヘイ「占い師さんには お世話になってますからね〜」
謎占い師さん「よろしくお願いいたします!」
〇広い公園
アカリ「はい!みんなにも!」
ミライ「えー、なにこれ?お手紙?」
ヨージ「もぐもぐ」
アカリ「北のマッチョさんからのお手紙! ひとつひとつ書いてくれたみたいだよ! すこいね!」
ミライ「へえ〜大変だよね、 みんなに書いてくれたの?」
アカリ「そうみたい! 七夕祭りがあるんだって! みんなで行こーよ!」
ヨージ「もぐもぐ」
ミライ「うん、いいよ」
アカリ「じゃあ待ち合わせ忘れないでね!」
アカリ「ヨージも!食べてばっかり! 美味しいもの あるかもしれないよ!」
ヨージ「美味しいもの!?いく〜!」
アカリ「じゃあ決まりね!」
〇古びた神社
アカリ「いい?いくよ〜」
シュウウウウ
〇森の中
シュウウウウ
アカリ「ついた?」
魔女「みなさ〜ん コ〜ンニ〜チハ〜!」
・・・
アカリ「? あなた誰?」
魔女「わたくし〜? この森の案内人〜で、ございますわ〜!」
魔女「みなさんを〜 お祭りの会場まで案内しますわ〜 行きましょう〜」
アカリ「はーい」
〇河川敷
マッチョの国の七夕は
「漢渡り(おとこわたり)」
と言いましてね、
トレーニングばかりして
仕事をおろそかにしたマッチョ二人が
神の怒りに触れて、川の氾濫が起き
離れ離れになったの〜
離れ離れになったマッチョを救うために
仲間のマッチョ達が身体を組んで
背中渡りするのよ〜
それが、マッチョ国の七夕
一年に一度だけマッチョ達は
仕事を休んでマッチョのために
川で身体をを組んで川岸まで渡るの〜
マッチョ「クラウチ!」
マッチョ「バインド!」
マッチョ「セット!」
「エンゲージ!」
〇西洋の城
魔女「さ、みなさん。 お祭りが始まるまで、 こちらの中でお待ちになって」
アカリ「わあー!」
ヨージ「大きい城!」
ミライ「すごいね」
アカリ「入ろう!」
ヒラヒラ〜
パサッ
魔女「あら!? なにかしら!? ワタシにお手紙?」
魔女「あらら!北のマッチョ様から招待状! どれどれ・・・」
魔女「ひこぼし、おりひめ、 おたのみします・・・ これは!」
魔女「神のお告げに違いないわ!」
魔女「ありがとうございます! 神様!マッチョ様!」
タタタタタタッ
〇洋館の廊下
アカリ「お城の中って、こんななんだ」
ミライ「広くて迷いそうだよ」
謎占い師さん「やあ!みなさん、 よくお越しくださいましたね! こっちですよ!」
アカリ「占い師さん!こんにちは!」
ミライ「お邪魔します〜」
〇城の会議室
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「あら!あなた達!良く来たわね!」
アカリ「あ!先生!北のマッチョさん! こんにちは!」
北のマッチョ「フシュシュー」
南のマッチョ「ということは、招待状の お手紙はちゃんと読めたのね! 良かったわねぇ」
アカリ「ホラ!みんなにお手紙をくれて ありがとう!」
ヨージ「ってあれ?ない・・・ ポケットに入れてたはずなのに・・・」
アカリ「も〜!なにやってるのよ!! 大事なお手紙を失くすなんて!」
ヨージ「ゴメンナサイ〜」
アカリ「スミマセン、ヨージったら せっかくいただいた 大事なお手紙をなくしてしまいました」
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「お手紙を読んで来てくれて嬉しいって。 さぁ、もう泣かないの! 美味しいものでも食べましょ!」
ヨージ「うわあぁ〜ん 今度から気をつけます〜 ありがとう〜」
〇河川敷
魔女「フフフ」
謎占い師さん「いきなり こんな所に呼び出して・・・ どうしたのですか?」
魔女「それで〜今回のお祭りで 漢渡りをする織姫、彦星なんだけど」
魔女「去年までの織姫、彦星役の人達が (エンゲージ)結婚してしまったので 今年は新しい織姫、彦星を決めないといけなくて」
魔女「神のお告げで 私達になったってわけ!」
謎占い師さん「いえ、ワタシは皇子の護衛ですので 彦星役にはなれないのですよ」
魔女「うっそぉ〜 だってホラ!」
謎占い師さん「なんですかそれ?」
魔女「この手紙! 王様の直筆よ!」
北のマッチョ「フシュー」
魔女「おたのみします ひこぼし おりひめ って」
魔女「ちゃんと書いてあるでしょ? 招待状よ! 織姫、彦星に選ばれたのよ!」
魔女「ワタシたちは エンゲージする運命にあるのよ!」
魔女「あきらめなさい!」
謎占い師さん「いや、これは普通に お祭りへ参加の呼びかけなのでは?」
魔女「うるさい! わざわざ書いてくださった 王様を侮辱する気?」
謎占い師さん「やれやれ・・・困ったおヒトですね」
マッチョ「やぁ!」
魔女「あ、あなた誰!?」
マッチョ「今年の彦星マッチョに選ばれた マッチョメンです!」
魔女「うっそぉ〜」
謎占い師さん「ではワタクシはお祭りの準備に参りますので・・・」
マッチョ「さ!行きましょう!」
魔女「ちょっとまってぇ〜 や〜だ〜」
〇河川敷
マッチョ「漢渡り!」
マッチョ「わっせ!」
マッチョ「わっせ!」
マッチョ「わっせ!」
漢渡りのマッチョ橋が完成した!
〇河川敷
魔女「イクシアード様・・・ あなたと結ばれたかったのに」
マッチョ「行きますよぉ〜!」
魔女「え!ちょっと〜 やぁだぁ〜」
マッチョ「わっせわっせ!」
魔女「わ、わゎ!勢いすごい! 近づいて来ないでぇ〜!」
アカリ「なんか彦星がめっちゃ早く 渡りきりそう・・・ まだ織姫さまが スタートもしてないのに」
ミライ「あっ!彦星さんがバランス崩してて マッチョ橋から落ちた!」
あっ
バシャーン!
わーわー
彦星が落ちたぞー
大変だー
アカリ「あーあ」
〇水中
バシャーン
ブクブクブク・・・
マッチョ(マッチョは筋肉が重くて沈むから 泳ぎが苦手なんだ・・・ 俺もオダブツか・・・)
サメ「ザパー」
マッチョ「ヒッ」
ブクブクブクブクブク・・・
〇河川敷
魔女「ど、どうしよう・・・」
今年は織姫と彦星が会えなかったぞ!
前代未聞だ!
不作になるかも!
どうしたらいいんだ!
うわー
魔女「混乱騒ぎになってる・・・ どうしたら」
魔女「ワタクシ退散〜 逃げろ〜」
彦星と織姫が消えたぞ〜
国もおしまいだ〜
アカリ「せっかく北のマッチョさんが 開催してくれたのに 台無しにするわけにはいかないよね」
アカリ「よし!しょうがない! ワタシたちで渡るぞ!」
アカリ「どっちが彦星役やる?」
「えっ」
アカリ「ねえ?」
ヨージ(僕、重いしなぁ・・・)
ミライ(僕・・・泳げないけど・・・)
(アカリちゃん・・・)
「僕はやる!」
「えっ」
アカリ「よ〜しわかった! 二人とも、まとめてきなさい!」
「ええ〜!!!」
〇河川敷
ヨージ「そ、そろ〜り そろ〜り」
ミライ「おっとと」
ヨージ「押さないでね〜」
ミライ「が、頑張る〜」
ヨージ「よいしょ よいしょ」
アカリ「頑張って! もう少し!」
ヨージ「そろ〜り」
ヨージ「よっ」
ヨージ「やったあー ついたー」
これで国も安泰だぁー
良くやった!
ミライ「よかったー」
〇城の会議室
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「あなた達は良くやった!って 褒めてらっしゃるわ」
謎占い師さん「ありがとうございます」
ヨージ「エヘヘ」
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「褒美を取らせたいって。 なにが良い?」
ヨージ「んー」
ヨージ「とっても美味しいもの!」
「アハハハハハ」
〇奇妙な屋台
店主「そう〜良かったわねぇ 子どもたち大活躍ね〜」
謎占い師さん「もう散々でしたよ。 あのイタズラ魔女のせいで」
店主「北のマッチョさんも大変よねぇ」
謎占い師さん「何故あのイタズラ魔女を 放っておいているのか 理解に苦しむのですが・・・」
店主「なにか事情があるのかも しれませんしねぇ」
謎占い師さん「まったく」
店主「ウフフフ」
〇広い公園
ミライ「七夕の時は楽しかったね!」
ヨージ「美味しかったよね〜 あのケーキ!」
アカリ「それでね、 これを送ってくれたの!」
アカリ「みなさん このあいだは ありがとう。 こちらを ゆうじょうのあかしとして おくります」
アカリ「だって」
アカリ「みんなでつけよー!」
〇堤防
ザザーン
マッチョ「アンタが助けてくれたのか」
サメ「フフフ」
フフフフフ
バハハーイ
マッチョ国の七夕の内容がwww
今話でサメコさんとマッチョさんにもご縁ができたことで、今後の2人の展開もひょっとしたら……
この作品はとてもユニークで奇妙な世界観がありました!北のマッチョさんがお手紙を書いて、みんなに配るシーンから物語が始まりますが、どんどん展開が面白くなっていきますね。商店街や公園、神社、森、城など、様々な場所で物語が進行していきます。特にマッチョの国の七夕のシーンでは、マッチョたちが川を渡る姿がとても力強く描かれていて感動しました。また、魔女と謎占い師さんのやり取りも面白く、ユーモアも感じられました。ヒューマンジャンルなのに、ファンタジーの要素も組み合わさっていて、とても楽しい作品でした!
マッチョ国では七夕の天の川にもやはり筋肉の橋がかかるんですねー。筋肉の重みで沈んだ彦星マッチョを助けたのは、なんとあのサメコさん!よかった〜。