神様からの三行半

金平 旺大

第22話(脚本)

神様からの三行半

金平 旺大

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〇祈祷場
ツクヨミ「あの奥に鏡があるはずだ」
ツクヨミ「・・これが神器。 この鏡で照らせば・・」
ヒルコ「ここまでご足労でしたね」
ツクヨミ「・・マコは?」
ヒルコ「あの動物なら 大人しく横たわってますわ」
ツクヨミ「今は鏡を持っているんだぞ これでも喰らえ」
ヒルコ「言っておきましょうか。 鏡を突き出すだけじゃダメなんですよ。 その鏡に反射した光が必要なんです」
ヒルコ「そして、 今の天候は曇り。 加えて、ここは室内。 反射する光はずいぶんと足りないんですよ、お兄様」
ツクヨミ「・・・兄と呼ぶな」
ヒルコ「冷たいですね。 まあ、霊力がなかったお兄様には 何の魅力も感じていませんでしたけど」
ツクヨミ「・・・」
ヒルコ「久しぶりの再会にも 会話がないんですか」
ヒルコ「私と父の葬式にも 来てくれなかったですもんね」
ツクヨミ「あれは、 父さんに勘当されてたから・・」
ヒルコ「そんなつもりはなかったよ。 お父様はいつも気にかけていた」
ヒルコ「私のことを勝手な人だと言ってるけど、 兄さんのほうが勝手だと思うわ」
ヒルコ「別にこの神社にも愛情がないんでしょ? 私はタケハを連れて行くから、 兄さんは神社の跡地にマンションでも建てればいいのよ」
ツクヨミ「おまえは弟で・・ 俺は金か・・」
ヒルコ「そうよ。 お父様が大事にしていた神社を私利私欲のために使うの。 満足でしょ?」
ツクヨミ「・・・それでおまえは幸せか?」
ツクヨミ「何もしてやれなかった妹に 俺ができることはそれなのか?」
ヒルコ「な、なによ。 今さら兄貴面?」
ツクヨミ「俺じゃ、ダメか? 俺を天界に連れて行っていいから、 タケハを返してくれないか」
ツクヨミ「俺は今まで自由に生きさせてもらった。 次は、タケハにその感覚を味わってもらいたいんだ」
ツクヨミ「今、あいつはようやく人生を生きようとしているんだ」
ヒルコ「兄さんが代わりなんてできないわよ。 私が好きなのはタケハなの。 おとなしくて従順なタケハなの」
ツクヨミ「・・・そうか、 じゃあ、俺は、 命がけでおまえを倒すしかない」
ヒルコ「しまった。 外に出て、鏡に光を当てるつもりだわ」

〇神社の本殿
淡雪「マコさん、大丈夫ですか?」
マコ「ガフゥ、フゥ、フゥ」
淡雪「すみません、 私、弱くて・・」
淡雪「あの、力を貸してくれませんか?」
淡雪「私、合体してみたいんです」
マコ「《・・・なぜ》」
淡雪「この神社のために戦いたいんです」
淡雪「ツクヨミさん、 ・・と、タケハさんを救いたいんです」
マコ「《・・私の身体に触って》」
淡雪「はい」
ツクヨミ「うわぁ、 せっかく鏡を持って出られたというのに、 別の奴が待ち伏せしていた・・」
マコ「ツクヨミさん」
ツクヨミ「ん? おまえは・・マコか?」
マコ「淡雪さんと合体しました。 あとは任せてください」
ヒルコ「え? まさか合体したの?」
ヒルコ「簡単にボコボコにできないじゃない」
マコ「手加減せずにいきますよ」
ヒルコ「グワッ」
マコ「トドメよ」
マコ「いけない。 制御が効かない」
ヒルコ「グワーーー」
ツクヨミ「うわぁぁぁ」
マコ「ツクヨミさん、大丈夫ですか?」
ツクヨミ「うぅ、鏡が・・・」
マコ「鏡は私が持っておきます・・ う、うわぁぁ」
ヒルコ「キャハハハハ、 日差しが鏡に差してきて、 自分に当たってるじゃないの」
ヒルコ「あっ、なるほどー。 偽りの姿は元に戻るのね。 合体が解けてるじゃない、 面白いわ」
淡雪「う、うぅ」
ヒルコ「鏡は私が持っておくわ。 私に当たったら、私の中のタケハの魂が 離れてしまうかもしれないものね」
ヒルコ「あー、やっぱり その顔を見るとムカつくのよねー」
淡雪「キャーーー」
ヒルコ「ふん、 あんたもよ」
マコ「キャイン」
ヒルコ「さて、どうしようかしら。 この神社に結界でも張って、 誰も入れない、二人だけのパラダイスにしようかしらね」
コマ「ふぅー、 ここにいたのか」
淡雪「コマさん、 ヒルコさんが持つ鏡の 反射光に当たってはダメよ」
ヒルコ「うるさいんだよ」
淡雪「うぐっ」
コマ「みんなにひどいことをして・・ ゆるさんぞ」
ヒルコ「ホッホッホッ 形勢は今までとは違うわよ。 私のタケハを返してちょうだい」
コマ「喰らえ」
ヒルコ「ぐっ、 こっちには鏡があるのよ」
ヒルコ「グフッ」
コマ「《合体が、解けてしまった》」
ヒルコ「危なかったぁ。 鏡は落としちゃったけど、もういいわ。 おまえにトドメの一撃を喰らわせる」
コマ「ぐはーーー」
ヒルコ「ようやく、 タケハの魂を私の中で完成させることができるのね」
ヒルコ「あなたは死んじゃうけど、 この神社で恋愛の神様として、 二人で暮らしていきましょ」
ツクヨミ「させるかーーー」
ヒルコ「いつの間に・・鏡を・・」
ツクヨミ「安心して 視野が狭くなっていたようだな」
ヒルコ「くはぁぁああ」
タケハ「・・・あれ?」
ツクヨミ「目を覚ましたか」
タケハ「何が起こったの」
ツクヨミ「おまえは、 あのヒルコに魂を半分、 ヒルコに取り込まれて 死にそうになっていたんだ」
タケハ「そうか・・・それで・・ ・・今ならヒルコ姉ちゃんの気持ちがわかるよう気がする・・」
タケハ「・・ヒルコ姉ちゃん、 姉ちゃんは寂しかったんだね」
タケハ「自分の霊的な能力をまわりが疎ましく思って避けていたから、 それで孤独だったんだね」
タケハ「僕は姉ちゃんのこと、 好きだったよ。 ツクヨミ兄さんだって・・」
ヒルコ「黙れ」
タケハ「うわぁぁぁぁぁ」
ツクヨミ「なんでタケハにまで・・」
ヒルコ「・・いやだ ・・そんなやさしい目で見るな なんでここにいるの」
ツクヨミ「何を言っているんだ」
ツクヨミ「か、母さん。 なんでここに? 歩き方がおぼつかないじゃないか」
母「ゆっくり歩いても なんとか来れるものね。 今まで来なかったことを後悔してるわ」
母「淡雪さんが来てくれたの。 もしかしたらヒルコが 来ているかもしれないって」
母「連絡が取れなくなったから、 心配で来てみたの。 やっぱり・・見た目は変わっても ヒルコはヒルコね」
ヒルコ「うるさい うるさい うるさい」
ヒルコ「あんたなんか死んでしまえばいいのよ」
ヒルコ「そう、あなたがいなければ 父さんも私のものだった」
母「私は死んだ方が良かったわ」
ツクヨミ「えっ?」
母「ヒルコが小さい頃から 不思議な力を見せられて、 私は自分では抱えきれなくなった」
母「私は父さんを通して あなたを育てるようになった」
母「でも、それがいけなかったの。 あなたから一瞬でも目を背けてしまった」
ヒルコ「わかってるじゃない」
母「だから、あなたの手で 私を殺して」
母「ただの懺悔よ。 あなたを傷つけてしまった懺悔」
母「足らないとは思うわ。 でも、まず、 私の命を・・」
ヒルコ「へぇー、 そんな覚悟があったの?」
ヒルコ「でもね、 今の私ならあなたの嘘くらい 見破れるのよ」
母「うっ」
ツクヨミ「母さんに何をした」
ヒルコ「魂を半分奪っただけよ。 タケハのことで魂は嘘がつけないことがわかったわ」
ヒルコ「だからね、これで見てあげるのよ」
ヒルコ「あの嘘つき女の過去をね」

次のエピソード:第23話

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