神様からの三行半

金平 旺大

第21話(脚本)

神様からの三行半

金平 旺大

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〇神社の本殿
ツクヨミ「あれ? 少し曇ってきたかな」
淡雪「そうですね。 晴れ間も見えますけど、 夕方には雨が降るかもしれませんね」
ツクヨミ「あぁ、そうだな」
アワシマ「どうも」
ツクヨミ「ァ、ァ、・・ア、・・出たー」
淡雪「マ、マコさんを呼んできます」
アワシマ「ちょっと待って。 戦う気はまるでないから」
  ゴソゴソゴソ
アワシマ「いや、お札とかも出さないでいいから」
アワシマ「どうせ、もうすぐ消えるんだから」
ツクヨミ「えっ?」
アワシマ「うまく化けすぎて説得力はないかもしれないが、私はおまえの父、イザナギだ」
ツクヨミ「そんなことあるか」
アワシマ「さっきの話で言えば、 ・・小さい頃、太鼓の面を破ったのは ツクヨミ、おまえだった」
アワシマ「私は太鼓のバチで何度もおまえの尻を叩いた。 それからは神事の太鼓担当はおまえに命じた。おまえは嫌そうな顔でこなしていたな」
ツクヨミ「そのことを知っているのは・・・ そして、その話し方・・・ 本当に父さんなのか?」
アワシマ「そうだ。 霊的な力が暴走していたヒルコを 精神病院に連れて行く途中で、 ヒルコに車内で暴れられて・・」
アワシマ「崖に突っ込んでしまって死んでしまったのだが、ヒルコは成仏されられなかった」
アワシマ「それで私は天界に行かずに、 ヒルコのそばで暴走しないように監視することにした」
アワシマ「こういうお化けになることを 霊化というのだが、 霊化するためには強い願いが必要だ」
アワシマ「執着と言ってもいいが、 私は、ヒルコが無事成仏できることを強く願った」
アワシマ「それが今、叶おうとしている」
アワシマ「まあ、無事ではないが、 合体した狛犬とタケハがどんどんヒルコを追い詰めている」
アワシマ「さすがに姿がなくなれば、 ヒルコも成仏するはずだ。 私の願いは叶いつつあるんだよ」
アワシマ「天界からはすぐにでも来るようにと 上に引っ張る力が常に働いている。 強い願いという『重し』が無くなれば、」
アワシマ「私は天界に召されるのみだ。 私はもうすぐ消える」
ツクヨミ「勝手なやつだな。 人に愛情を注いだり注がなかったり、 勝手に死んでしまったり、」
ツクヨミ「そして、 ヒルコの肩を持って、 神社を襲ったり、 ・・勝手に、ヒルコを天界に連れて行けばいいだろ」
アワシマ「・・・」
淡雪「いや、お父さんも何か事情があって・・」
ツクヨミ「うるさい」
アワシマ「・・・そうだな。 すべて、私の力不足だ。 こういう方法でしか、 ヒルコを、妻を、救うことができなかった」
ツクヨミ「・・・」
アワシマ「すまない。 おまえたちに任せきりになるな」
アワシマ「・・この問題が解決したら、 ちゃんと自分の好きな道を進んで行けよ」
ツクヨミ「なんだよ、 いい人ぶって。 俺のことに興味もないくせに・・」
アワシマ「・・それもさっき聞いていた。 すなまかった」
アワシマ「私は神社の息子として生まれて、 神主になるしかなかった。 すべてが不自由で、他の道に関する知識がまるでなかったんだ」
アワシマ「だから、おまえに声をかけることができなかった。 為になることを一つも言えない私は、 黙って送り出すしかできなかった」
ツクヨミ「・・そんな・・・ずるいじゃねぇか」
ツクヨミ「俺がどんなに優しい声を掛けられたかったか。 「おまえらしく行ってこい」って一言だけでも・・」
ツクヨミ「おい、勝手に消えていくんじゃねえよ」
アワシマ「・・・時間がもうないようだ」
ツクヨミ「クソおやじ。 おまえなんか大嫌いだ」
アワシマ「おやじ・・・か。 生きているうちにそう呼ばれてみたかった」
アワシマ「・・父親失格だな お別れだ。 最後に・・」
アワシマ「おまえらしく行ってこい」
ツクヨミ「・・・バカ野郎」
ツクヨミ「・・・・・クソおやじーーー」
ツクヨミ「ずるいよ・・・ずるいよ」
淡雪「さあ、家に戻りましょう」
淡雪「キャーーー」
ヒルコ「あら、ごめんなさい。 あなたの顔を見ると、 すぐにでも攻撃したくなるのよ」
ヒルコ「でも大丈夫。 殺しはしないわ。 もっと痛めつけて、顔をブサイクにしてからタケハの魂に見せてやるの」
ヒルコ「そうしたら、 諦めてくれるかもしれないでしょ」
マコ「大丈夫ですか?」
ツクヨミ「これはどうなってるんだ。 コマはやられたのか?」
マコ「・・いえ、タケハ様の魂は半分しか感じません。 まだ決着はついていないようです」
ツクヨミ「どうする? あいつには勝てないだろ?」
マコ「いえ、かなり弱っています。 今の状態なら倒せるかもしれません。 しかし・・」
ツクヨミ「しかし?」
マコ「今の状態で倒してしまうと、 ヒルコ様がタケハ様の魂を天界に 持って行ってしまうかもしれません」
マコ「・・なので、鏡を。 鏡に光に反射させて照らせば、 真実を映す鏡の力で、 ヒルコ様とタケハ様を分離させることができるかも」
ツクヨミ「よし、わかった。 俺は鏡を取りに行く」
マコ「ガルルルル」
ヒルコ「一人で戦うなんて随分余裕なのね。 私が弱っているからと言って、 あなたに勝てるのかしら」

次のエピソード:第22話

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