神様からの三行半

金平 旺大

第20話(脚本)

神様からの三行半

金平 旺大

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〇広い和室
ツクヨミ「ほら、卵焼き作ったぞ。 ごはん食べようぜ」
淡雪「・・・・・」
ツクヨミ「おまえのせいじゃないよ」
淡雪「・・・でも、私、何もできなくて・・」
ツクヨミ「だから・・」
淡雪「私、プロポーズされたんです」
ツクヨミ「・・・」
淡雪「タケハさんにプロポーズされたのに、 私、何も返すことができなくて・・・」
ツクヨミ「・・・そうか」
ツクヨミ「・・・タケハはいい奴だぞ」
ツクヨミ「世間知らずのところがあって、 悪く言うと視野が狭いんだが、 真面目で、 とてもやさしい」
ツクヨミ「あいつと結婚すれば幸せに・・・ あぁ、幸せになれると思うよ」
淡雪「ツクヨミさんは・・」
ツクヨミ「え?」
淡雪「ツクヨミさんは・・・ 本当にそう思っているんですか?」
ツクヨミ「何を言い出すの」
淡雪「私の・・」
ツクヨミ「ほら、せっかく作った卵焼きが冷めちゃうよ。 温かいうちに食べよう」
淡雪「・・・美味しいです ・・甘くないけど」
ツクヨミ「わかったよ。 あとでコンビニに甘いものを買いに行くから、それで許してくれ」
淡雪「・・・わかりました。 ・・ティラミスがいいです」
ツクヨミ「俺も好きだぜ、ティラミス。 あのほろ苦い感じがいいよな」
淡雪「・・・・・」
ツクヨミ「おい、じっと見つめてくるなよ」
淡雪「・・・・・」
ツクヨミ「ちょ、ちょっと買ってくる。 真剣に作ったんだから、 味噌汁もちゃんと飲むんだぞ、いいな」
淡雪「・・・」

〇神社の本殿
ツクヨミ「(ノД`)・゜・」
淡雪「おはようございます」
ツクヨミ「あ、・・おはよう」
淡雪「何をしてるんですか?」
ツクヨミ「見ての通り、掃き掃除だよ。 何もしないで待ってるのも苦痛だからさ」
淡雪「そうなんですか・・・」
ツクヨミ「・・・」
淡雪「あの、お母さんのこと、 知りたいこと、ないですか?」
ツクヨミ「・・・ヒルコの呪いで 寝たきりになってるんだよな」
淡雪「起きたり、歩いたりすることは 出来るんですけど、 すぐに目まいがするらしいんです」
ツクヨミ「そうなんだ」
淡雪「タケハさんが戻ってきたら、 二人で会いに行ってあげてください。 ぜったい喜ぶと思います」
淡雪「二人のこと、すっごく心配してましたから」
ツクヨミ「わかった。 タケハが戻ってきたら会いに行くよ」
ツクヨミ「・・・」
淡雪「・・・」
淡雪「そ、それじゃ、私、 ご飯を作ってきますね。 美味しいのを作りますから、 楽しみにしていてください」
ツクヨミ「ありがとう」

〇祈祷場
ツクヨミ「・・・」
淡雪「ど、どうも」
ツクヨミ「・・・」
淡雪「ご飯を食べたと思ったら・・ こんなところで どうしたんですか?」
ツクヨミ「なんか落ち着かなくてな・・」
淡雪「あの・・ マコさんは、どんな人なんでしょうか」
ツクヨミ「・・・不思議な人だよ。 コマとはまるっきり逆で、 話すのが嫌いで・・」
ツクヨミ「最初に会った時は あんまり喋らないから 本当に幽霊かと思ったよ」
ツクヨミ「でも、その時に 神社の危機を知った。 コマでも敵わないような強いやつが うろついているってことを・・」
ツクヨミ「昨日は蒼ざめた顔で現れたから、 事情も聞かずに連れてきてもらった」
ツクヨミ「まだそんなにマコと話してないけど、 いい奴なんだと思うよ。 コマと同じくらいこの神社を守りたいと 思っている」
淡雪「・・・鏡はあの台座の奥に 置いてあるんですよね」
ツクヨミ「あぁ、 そんなすごい力があるとは知らずに、 小さい頃はタケハとここで鬼ごっこをしていたよ」
ツクヨミ「神事で使う太鼓を壊したときは 父さんからこっぴどく怒られたなぁ」
ツクヨミ「結果的に、 俺は父さんから愛されていなかった」
ツクヨミ「ゲームクリエーターになるって言った時も 「わかった」としか言ってくれなかった」
ツクヨミ「それからは タケハのほうにかかり切りになって、 俺には引っ越し費用をくれただけだった」
ツクヨミ「・・・なんか変なことを 思い出してしまったな」
ツクヨミ「戻ろうか」
淡雪「・・・はい」

次のエピソード:第21話

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