第2話 ごはんの代償(脚本)
〇城の会議室
1週間後
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「集まったのはお前だけなのか・・・」
傲慢の勇者 アロガン「当然の結果だ」
傲慢の勇者 アロガン「お前の呼びかけに応じる勇者などいないわ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「4女帝が現れたのだぞ!皆の協力が必要だ」
傲慢の勇者 アロガン「4女帝ごときに何をビビっているのだ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「お前たちは4女帝に会ったことがないから、アイツらの恐ろしさを知らないのだ」
傲慢の勇者 アロガン「最弱の勇者ゴワンフルティ、お前と俺たちを一緒するな!4女帝など恐るるに足りぬ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「相変わらず傲慢な男だ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「なら、お前はどうして俺の誘いに賛同したのだ」
傲慢の勇者 アロガン「気になる事があったからな」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「気になる事だと・・・」
傲慢の勇者 アロガン「そうだ、8年前俺を苦しめたオーガ族最強の戦士スキヤキが倒されたのは本当なのか?」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「本当だ。魔法によってズタボロにされていた」
傲慢の勇者 アロガン「ありえないだろ!俺と同等の力を持つスキヤキを倒せるのは魔王くらいだぞ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「それは、違うな」
傲慢の勇者 アロガン「もしかして・・・」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「そうだ。オーガの大群を氷漬けにして、スキヤキを倒したのは4女帝1人、氷の女王グラースだ」
傲慢の勇者 アロガン「・・・」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「これでお前も4女帝の恐ろしさを理解してくれただろう」
傲慢の勇者 アロガン「おもしろい。俺を苦しめたスキヤキを倒したグラースがどのような人物か確かめてみようではないか」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「待て!1人で向かうつもりか?」
傲慢の勇者 アロガン「俺には眷属である魚人族がついている。何も心配することはない」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「4女帝を甘く見ると後悔するぞ」
傲慢の勇者 アロガン「最初に言ったよな」
傲慢の勇者 アロガン「お前と俺たちを一緒にするなと!」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「・・・・」
傲慢の勇者 アロガン「俺が氷の女王グラースを倒した暁には領土の半分をもらうぞ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「・・・わかった」
傲慢の勇者 アロガン「半日もあれば戻って来る。楽しみにしとけ」
暴食の勇者 ゴワンフルティ皇帝 「アイツ・・・死んだな」
〇古民家の居間
ハラミ「サタナちゃん、お昼御飯ができたわよ」
サタナ「は~い」
ハラミ「今日はサタナちゃんが大好きな納豆ご飯だよ」
サタナ「わ~い!納豆ごはんだ。ネバネバしてて大好き~」
〇魔王城の部屋
魔王 ディアブラーダ「今日の晩飯は用意出来たのか!」
料理長 ゲップ「最高級の料理を用意いたしましたゲプ~」
魔王 ディアブラーダ「そうか!今日こそは美味しい料理を期待しているぞ!」
料理長 ゲップ「もちろんゲプ~」
料理長 ゲップ「羽虫の泥焼きゲプ~」
魔王 ディアブラーダ「これを食べるのか!」
料理長 ゲップ「もちろんゲプ~大量に捕獲できたので、一週間は羽虫祭りゲプ~」
魔王 ディアブラーダ「逃げたい・・・」
〇古民家の居間
サタナ「はぁ!嫌な事を思い出したわ」
ハラミ「サタナちゃん?どうしたの」
サタナ「なんでもないの。お母さんの作る料理は美味しいから幸せ」
ハラミ「嬉しい事を言ってくれるのね」
サタナ「本当に美味しいの」
サタナ「ず~とお母さんの料理を食べていたいなぁ~」
魔王様緊急事態です!すぐに森に来てください
サタナ「今から美味しい食事の時間なのに・・・」
ハラミ「サタナちゃん?どうかしたの」
サタナ「お母さん、ちょっとお腹が痛くなったのでトイレに行ってきます」
ハラミ「サタナちゃん・・・大丈夫かな」
〇けもの道
氷の女王 グラース「魔王様・・・」
サタナ「・・・」
氷の女王 グラース「魔王様、怒っていますか?」
サタナ「うるさい!」
サタナ「妾の至福の時間を削るほどの緊急事態が発生したのだろ?」
氷の女王 グラース「至福の時間?」
サタナ「いいから早く要件を言え!」
氷の女王 グラース「わかりました魔王様」
氷の女王 グラース「さきほど村の近くに魚人族を引き連れた傲慢の勇者アロガンが現れました」
サタナ「だから??」
氷の女王 グラース「恐らく、魔王様の復活を察知して偵察に来たのだと思います」
サタナ「それで?」
氷の女王 グラース「正体がバレる前に手を打つ必要があると思い、魔王様に連絡をしたのです」
サタナ「そんなくだらない事で妾を呼び出したのか!」
サタナ「妾は納豆ごはんを食べ損ねたのだぞ・・・」
氷の女王 グラース「納豆ごはんとは何のことでしょうか?」
サタナ「まぁ、よい。妾の至福の時間を邪魔をした傲慢の勇者アロガン、お前にはそれ相応の罰を与える必要が与えてやろう」
氷の女王 グラース「待ってください魔王様」
氷の女王 グラース「まだ、魔王様の力をお見せする時ではありません」
氷の女王 グラース「魔王様が復活したことがバレる可能性があります」
サタナ「やかましい!」
サタナ「妾のこの怒り、アロガンに全てぶつけてやる!」
〇山間の集落
〇けもの道
サタナ「よし、これで一件落着だ。妾はすぐに帰るぞ!」
氷の女王 グラース「あんなに怒った魔王様を見たのは始めてだわ」
氷の女王 グラース「納豆ごはんとは一体何者なのかしら・・・」
〇古民家の居間
サタナ「お母さん!納豆ごはん、納豆ごはん!」
ハラミ「サタナちゃん、お腹の具合は大丈夫なの?」
サタナ「もう、大丈夫よ!」
ハラミ「それならよかったわ」
ハラミ「でも、サタナちゃんがお腹の調子が悪そうだったので、納豆ご飯はお兄ちゃんが全部食べてしまったの」
サタナ「私の納豆ごはんが・・・」
ハラミ「かわりにおかゆを作ってあげたわ」
サタナ「納豆ごはんが食べたかった・・・」
カルビ「ハラミさん、無事ですか!」
ハラミ「カルビさん、そんなに慌ててどうしたのですか??」
カルビ「先ほど空が黄色く光って遠くの森が一瞬にして消え去ったみたいなのです」
ハラミ「まぁ!それは大変だわ」
カルビ「先日はオーガの襲撃、今回は森の消滅、これはもしかして・・・」
ハラミ「もしかして?」
カルビ「魔王が復活したのかもしれません」
ハラミ「あの魔王が・・・」
ハラミ「私の最愛の夫を殺した魔王が復活したのね・・・」
カルビ「断言はできません。だが、その可能性が高いと思います。その件で村長がハラミさんを呼んでいますので、お迎えに来ました」
ハラミ「わかったわ。すぐに行くわよ」
ハラミ「サタナちゃん、お母さんは用事ができたので村長さんの家に行ってくるわね」
サタナ「はい」
サタナ「妾が自分のお父さんを殺した?」
サタナ「そんな記憶は一切ないぞ」
サタナ「これは確かめる必要があるな」
第三話に続く