革命の始まり(脚本)
〇教室
梶崎美嘉「では、これで2年生最後のホームルームを終わります!」
梶崎美嘉「日直さん、号令お願い!」
理原 萌那「起立、礼」
2年5組一同「ありがとうございました〜!」
梶崎美嘉「みんな、気をつけて帰るのよ」
高橋 結衣(2年生最後のホームルーム・・・今日で2年5組は終わり・・・か)
高橋 結衣(高校2年生も平凡に終わったな〜 まぁ、それが一番だけど)
副島 心夏「結衣〜!お疲れぃ!」
高橋 結衣「あ、心夏!おつかれ〜!」
副島 心夏「いやー、高校2年生終わっちゃったね〜!」
高橋 結衣「だね、高校3年生になったら受験だね」
副島 心夏「あー!それNGワード!まだ受験モードにしないで!」
高橋 結衣「あはは、ごめんごめん」
副島 心夏「とりあえず今日はSJK最後の日ってことで写真撮ろ!」
副島 心夏「ほら結衣、うぇーい」
高橋 結衣「うぇーい」
高橋 結衣(・・・クラスの女子たち、結構写真撮ってるね)
岩崎 美琴「SJKラストっつーわけでとりま写メ撮ろっ!」
葛原 由奈「ピース・・・ってやだぁ!由奈目ぇつぶっちゃってるしぃ!」
葛原 由奈「こんなブスなお顔みんなに見せられないよぉ〜!」
小幡 莉奈「つーかみんな激しく動くから超ブレてんじゃん!」
岩崎 美琴「とりまもう1枚撮ろ!せーの!」
高橋 結衣(岩崎さんのグループは相変わらずテンションが高いなぁ)
高橋 結衣(あのグループと1年間同じ空間で過ごしたけど結局慣れなかったな)
高橋 結衣(・・・この一年間、ほぼ心夏と一緒だったなぁ)
理原 萌那「茉莉華〜写真撮ろっ! 珍しく茉莉華学校来てるし!」
北村 茉莉華「まー終業式はさすがに来ないとねぇ」
高橋 結衣(そういえば北村さんて結構学校来ない日あったな)
北村 茉莉華「留年回避できてほんとよかったぁ」
高橋 結衣(まぁ、進級できてるのなら問題ないよね)
寺坂 莉夢「結衣、一緒に撮ろーよ!」
高橋 結衣「あ、莉夢!いいよ〜」
寺坂 莉夢「やったぁ!じゃ指ハートしよ」
高橋 結衣「おっけい」
副島 心夏「彩香、イエイ!」
中島 彩香「いぇい」
高橋 結衣(莉夢と彩香とは修学旅行で同じ班になってから遊ぶようになったんだよね)
副島 心夏「あ、莉夢たちも一緒にやろ!てか優愛も来てよ!」
川崎 優愛「ふふっ、じゃあお邪魔させてもらおうかな」
高橋 結衣(あ、あと優愛とも修学旅行同じ班だったな)
高橋 結衣(優愛は優しくて美人からクラスでも人気者だったなぁ)
寄田 友希那「ねぇ、5組のみんなで撮ろーよ!」
副島 心夏「お、いいねぇ!」
藤本 薙「撮ろう撮ろう!」
???「チッ・・・めんどくせぇな」
高橋 結衣「・・・?」
寄田 友希那「結衣ちゃん、どうかした?」
高橋 結衣「・・・なんでもないよ、撮ろうか」
寄田 友希那「撮ろ〜!みんな集合〜!」
高橋 結衣(さっきのは空耳だよね)
中島 彩香「・・・男子は終わってすぐに帰ったからクラスの女子ばっかだね」
中島 彩香「・・・灯莉は部活でいないけど」
岩崎 美琴「だね・・・つか、有咲どこいった?」
中島 彩香「有咲部活やってないの?」
岩崎 美琴「いや、莉奈は陸上部で由奈はダンス部だけどウチと有咲は帰宅部」
中島 彩香「じゃあバイトとかじゃないの?」
岩崎 美琴「あーそれかも ・・・そーいや有咲ってどこでバイトしてんのかな」
高橋 結衣(彩香、よく岩崎さんに話しかけられるね・・・)
高橋 結衣(それで言ったら森野さんもいないけど・・・)
女子「はい、チーズ!」
高橋 結衣(・・・ま、いっか)
〇テーブル席
副島 心夏「にしても何気に2の5楽しかったよね〜」
高橋 結衣「うん、そうだね いっぱい思い出できたし」
副島 心夏「修学旅行とか文化祭とか体育祭とか楽しかったしね!」
副島 心夏「特に何も事件・・・は起きたか」
高橋 結衣「まぁ、悪い思い出もあったよね」
副島 心夏「トラブったのって全部久保田さんたちのせいだけどね」
副島 心夏「あの人たちって授業態度悪いし、素行も悪いしさ・・・」
副島 心夏「ほんで、うちらに偉そうな態度とってくるし」
高橋 結衣「あー、でも彩香は岩崎さんと普通に話してるよね」
副島 心夏「あー、でも彩香って周りの空気とかあんま気にしない系じゃん」
副島 心夏「だから一軍ぶってる連中の事なんか怖くないんじゃない?」
高橋 結衣「それもそっか・・・」
副島 心夏「つか、暗い話はやめてさ、来年もうちら同じクラスだといーね!」
高橋 結衣「ふふっ、そうだね」
副島 心夏「あー、あと辻井くんも同じクラスがいいなぁ!」
副島 心夏「あのイケメンをもう1年拝みたいよ〜」
高橋 結衣「辻井くん、女子に大人気だもんね」
副島 心夏「そー!まぁ恋愛は当分いいけど・・・」
高橋 結衣(そういや心夏、一時期新見くんと付き合ってたけど別れちゃったんだよね・・・)
高橋 結衣(新見くんから急に『別れよう』って言われて)
副島 心夏「あー新学期と言えばそろそろ筆箱買い替えなきゃ」
高橋 結衣「筆箱・・・あっ!」
副島 心夏「ん?何どうしたの?」
高橋 結衣「学校に筆箱忘れてきた・・・」
副島 心夏「ええーっ!?」
〇渡り廊下
終業式から数時間後
高橋 結衣(学校に筆箱忘れるとかマジバカすぎ・・・)
高橋 結衣(今まで学校に忘れ物なんかしたことないのになんで今日しちゃったのかな?)
高橋 結衣「・・・早く帰ろ」
高橋 結衣「・・・ん?なにこれ」
高橋 結衣「すごく綺麗・・・」
高橋 結衣「・・・誰も見てないし、持って帰っちゃおうかな?」
高橋 結衣「え!?何!?」
高橋 結衣「なんか空から降ってきた!?」
高橋 結衣「・・・血?」
高橋 結衣「って森野さんが倒れてる!」
高橋 結衣「・・・森野さん、死んでる・・・」
高橋 結衣「もしかして、今の衝撃は森野さんが飛び降りたから・・・?」
高橋 結衣「ま、まさか、森野さんが飛び降り自殺するなんて・・・」
高橋 結衣「そうだ・・・森野さん、いじめられてたっけ・・・」
高橋 結衣「だから、いじめを苦に・・・」
高橋 結衣「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
〇女性の部屋
高橋 結衣「はぁ・・・はぁ・・・」
高橋 結衣(森野さんが死んだ・・・森野さんが死んだ)
高橋 結衣(まさか、自殺しちゃうなんて・・・)
高橋 結衣(・・・何もせず傍観していた私も同罪だ)
高橋 結衣(・・・もし、私が森野さんに手を差し伸べていたら)
高橋 結衣(森野さんはいじめられて不登校になったりしなかったのかな・・・)
高橋 結衣(・・・あの時、助けていれば未来は変えられた?)
高橋 結衣(・・・なんて言ってらんないよね)
高橋 結衣(過去には戻れないし、森野さんも二度とかえってこない・・・)
高橋 結衣「・・・本当に時が戻ればいいのに」
〇女性の部屋
高橋 結衣「すぅ・・・すぅ・・・」
高橋 明美「結衣ー、朝よ」
高橋 明美「遅刻するわよー」
高橋 結衣「遅刻・・・何言ってんの?今日から春休みだよ」
高橋 明美「何寝ぼけてるの。今日から新学期よ」
高橋 明美「今日から高校二年生になるんでしょう」
高橋 結衣「・・・は?」
高橋 結衣「何言ってんの・・・昨日、高二の終業式で」
高橋 明美「変なこと言わない!」
高橋 明美「寝ぼけてないでさっさと顔洗って支度なさい」
高橋 結衣「・・・何?どういう事よ?」
高橋 結衣「変なのはお母さんだよ、だって今日は・・・」
高橋 結衣「・・・え、4月7日?」
高橋 結衣「これ、2年の始業式の日だ・・・もしかして、私今夢見てるの?」
高橋 結衣「普通に痛いだけ!これが現実なんだ!」
高橋 結衣「じゃあ終業式が夢なの・・・?もう訳わかんないよ・・・」
〇教室
高橋 結衣(・・・クラスは2年5組、あの頃と変わってない)
高橋 結衣(クラスメイトも全員あの時と同じ)
仁科 理人「おー!たかはっちゃんまた隣だな〜!」
高橋 結衣「あ、ニッシー!2年でもよろしく〜」
仁科 理人「うん!よろしく〜」
高橋 結衣(1年生の時もニッシーと席が隣で仲良くなったんだよね)
高橋 結衣(・・・もしかしたら3年連続隣ってのも有り得るね)
副島 心夏「ねーねー!お友達になろ〜!結衣って呼んでいーい?」
高橋 結衣「あ、うん。いいよ」
副島 心夏「ヤッター!ウチのことも心夏って呼んでいーかんね!」
高橋 結衣(・・・そういえば前もこんな感じで話しかけられたっけ)
新見 彰人「・・・ねぇ、心夏ちゃんだよね?」
副島 心夏「うん、そだよ」
新見 彰人「さっきの会話、盗み聞きしちゃったみたいで申し訳ないんだけど、結構積極的だね」
新見 彰人「俺、初対面の人にグイグイ話しかける勇気ないから尊敬するよ」
副島 心夏「えー!でもあなただってウチとほぼ初対面なのに話しかけてきてるじゃない!」
新見 彰人「あはは、君が積極的だから俺も積極的になったのかな」
副島 心夏「何それ〜!つーか、あなた名前なんてーの?」
新見 彰人「俺、新見彰人。よろしく」
新見 彰人「えと、心夏ちゃんに話しかけられてた君は、結衣ちゃんだっけ」
高橋 結衣「あ、はい」
新見 彰人「タメなんだから敬語なんかいらないよ。俺は新見彰人。よろしく」
高橋 結衣「うん、よろしく」
高橋 結衣(あの時もこんな感じで新見くんが話しかけてきたんだよね)
新見 彰人「心夏ちゃんて前何組だったっけ?」
副島 心夏「3組!」
高橋 結衣(あの後、二人がいい感じになって付き合い出したんだよね・・・2ヶ月で別れたけど)
高橋 結衣(・・・でも、私が行動すればもしかしたら破局を阻止できるかも?)
高橋 結衣(・・・まぁ、カップルを別れさせない方法なんかわかんないけどね)
仁科 理人「はっすん、今年の担任誰がいいかな?」
橋本 海斗「んー、平先生かな。授業おもしろいし、そこまで厳しくないし」
仁科 理人「あー!あの人去年4組の担任だったけど4組だったヤツらみんな気に入ってたもんね!」
橋本 海斗「逆に嫌なのは・・・去年担任してた小笠原先生かな。2年連続同じ担任は嫌だ」
仁科 理人「確かに、新しい人がいいよね」
高橋 結衣(・・・今年の担任、もう知っちゃってるんだよなぁ)
高橋 結衣(・・・ところで森野さんは)
高橋 結衣(あ、いたいた。 始業式の頃はまだ普通だったよね)
高橋 結衣(いつから・・・いじめが始まったんだろう)
梶崎美嘉「みんな席について・・・ってもうみんな席に着いてるか」
仁科 理人「・・・誰あれ」
高橋 結衣「梶崎先生・・・」
仁科 理人「え、たかはっちゃん知ってんの?」
高橋 結衣「あ、う、うん、ちょっとだけ」
高橋 結衣(・・・梶崎先生、去年は3年生の担任してたけど今年は私達の学年の先生になったんだよね)
高橋 結衣(だからニッシーは知らないよね・・・あの時の私も梶崎先生のこと知らなかったし)
梶崎美嘉「今日から2年5組の担任になります、梶崎美嘉です。よろしくね!」
高橋 結衣(・・・梶崎先生ってどんな先生だっけ。 あんまり関わり無かったからよく覚えてないや)
〇明るいリビング
高橋 結衣「ただいまー」
高橋 明美「あら結衣、おかえりなさい」
高橋 明美「クラスはどうだった?」
高橋 結衣「・・・特に問題なさそうだったよ」
高橋 明美「そう、ならよかったわ」
高橋 結衣(・・・この会話も、あの時の始業式の日にしたな)
高橋 結衣(・・・時間が高校2年生の最初に戻ったのなら、もう一度やり直せるかもしれない)
高橋 結衣(上手くいけば、森野さんへのいじめと心夏と新見くんの破局を阻止出来るかもしれない)
高橋 結衣「・・・私が、革命を起こすんだ」
高橋 明美「結衣、何か言った?」
高橋 結衣「んーん、何も」
高橋 明美「そう、お昼できてるわよ」
クラスのカースト事情が丁寧に描かれていてよく分かるプロローグでした。タイムリープものが大好きなので、これからの展開にワクワクします。結衣には、何としてでも友達の自殺だけは阻止してほしいなあ。