第一話 クマたくんとうさ吉くん(脚本)
〇可愛い部屋
ホミカ「スヤァ・・・」
ホミカ「はっ!?」
ホミカ「いっけない、ちょっと昼寝するつもりが、三十四時間も寝ちゃった!!」
ホミカ「もークマたと寝てると一瞬でレム睡眠までたどり着けちゃうよ〜」
ホミカ「って、遅刻遅刻ー!!」
クマた「・・・行ったか」
クマた「ったく、冬はいいが、夏まで抱きついて寝られるとたまらんのぅ・・・」
〇黒背景
ワイの名前はクマた。
さっきの女の子、ホミカちゃんに飼われとる、シロクマのぬいぐるみ(原寸大)や。
ぬいぐるみなんて、なーんもわからんアホやと思ったったやろ?
ところがそうやあらへん。
隠しとるだけで、ちゃーんと意思を持っとるんや。
〇可愛い部屋
クマた「は〜、飼い主に愛されるぬいぐるみはホンマ辛いわ」
クマた「さてと、二度寝でもすっか・・・」
???「9998・・・9999・・・!!」
クマた「んおっ?」
〇炎
うさ吉「一万ンンンンン!!!!」
〇可愛い部屋
クマた「ぬおおっ!?」
クマた「な、何やジブン!?何してんの!?」
うさ吉「あ、クマたパイセンちーっすッス!!」
クマた「ちーっすッスって、敬語なのか敬語ちゃうのかややこしいな」
クマた「てか誰やねんお前?」
うさ吉「ジブン、うさ吉ッス!」
うさ吉「今日からここでお世話になるぬいぐるみッス!」
クマた「ほー、こりゃまたずいぶんかわいい子うさぎやなぁ」
うさ吉「よろしくよしなにえいやで全員野球に取り組む所存っす!」
クマた「いや中身おっさん入っとるやろ絶対」
クマた「てか今日からて、ホミカちゃん一言もそんなんゆーとらんかったで?」
うさ吉「あ、自分実はパパさんからの誕プレなんス」
うさ吉「サプライズの予定らしくて、先に先輩方に一言根回しさせてもらおうかと」
クマた「デキるコンサルみたいなことしとるやん・・・」
クマた「てかさっき何で一万回も正拳突きしとったん?」
うさ吉「一万一回目に何か変わるのか確かめたくて」
クマた「ずいぶんサイコなド◯カムもいたもんや」
うさ吉「とにかくこれからよろしく頼むッス!」
クマた「おー、まあそう肩肘張らんと気楽にやれや」
クマた「どのみち、ホミカちゃんが帰ってくる夜までヒマやし」
クマた「ワイももう一眠り・・・」
うさ吉「一万イチイイイイイ!!」
クマた「ちょ、ちょいやめーや!!」
うさ吉「うーん、特にこれと言って変わってないッスね」
クマた「じゃあなんでワイ今なぐられたん?」
うさ吉「そんなことよりパイセン、寝てる場合じゃないッスよ!!」
うさ吉「ジブンたち、ぬいぐるみの使命を忘れたんスか!?」
クマた「ワイらの使命て・・・そりゃ女の子にチヤホヤされることやろ?」
うさ吉「違うッス!!」
うさ吉「自分ははっきり聞いたッス!」
うさ吉「神の声を!!」
クマた「か、神の声?」
〇廃工場
ーー数ヶ月前、とある工場
クマた「え、何これ回想始まるん?」
うさ吉「この時、まだ自分はふわふわとした綿の塊でした」
うさ吉「人で例えるなら、魂だけの存在ッス」
クマた「意外とキレイだったラスボスのそれのようやな」
うさ吉「ですが、この工場で命を吹き込まれたんです」
クマた「いやどう見ても廃工場やん・・・」
クマた「もうちょいマシな背景イラストなかったん?」
〇兵器の倉庫
おばあちゃん「ヒャーッハッハッハ!!!」
おばあちゃん「ついにできたぜ、最強の機動縫製人形(ギガンティックドール)が!!」
クマた「また随分マッドなババアやな」
おばあちゃん「さあ行きな、USA-01!!」
おばあちゃん「アタシを馬鹿にした科学界を破壊し尽くすのさ!!」
クマた「終盤自分の愚かさに気づくタイプの悪役!?」
うさ吉「ヴンッ!!オデ、ゼンブクウッ!!」
クマた「こっちはこっちで制御不可能なタイプ生まれとるし」
〇可愛い部屋
うさ吉「そのあと何やかんやあって・・・」
うさ吉「この家に貰われることになったッス」
クマた「いやすっ飛ばしすぎやろ!?」
クマた「正気に戻る過程だけで劇場版一本作れるやんけ」
うさ吉「とりあえずその辺の岩で頭打ったことにしといてくれッス」
クマた「まさかのカカロット症候群かいな」
クマた「それで結局、お前の言うぬいぐるみの使命ってなんやねん!」
うさ吉「それはクマたパイセン自身の目で確かめてほしいッス!!」
クマた「V◯ャンプブックスの攻略本か!?」
クマた「えーから、もったいつけんと早よ言えや!」
うさ吉「自分たちの使命、それは・・・!」
クマた「な、なんじゃあっ!?」
ナントカロボ「グオオオオオオ!!」
クマた「で、出よったあああああ!!」
〇黒背景
のちに、この時のことを、クマた氏はこのように語っている──
クマた「正直『このTFTDとか言うやつまたやりよった』て思いましたね」
クマた「大体終盤の100tap目くらいになると敵を出してきて」
クマた「そいつを強引に倒してオとすのがいつものやり口なんですよ」
クマた「試しに次のシーンまで飛ばしてみてください」
クマた「多分さっきのロボットが断末魔あげながら爆発してますから」
〇可愛い部屋
ナントカロボ「ヌグアアアアアアアア!!!!!!!!」
クマた「ひねれ!!もっとひねれ!!」
うさ吉「「ひねる」はナ行下一段活用ッスから、「ひねろ」または「ひねよ」ッス」
クマた「習いたての知識ひけらかす中坊か!!」
クマた「今のロボはなんやったんマジで・・・」
うさ吉「よく見てッス、クマたパイセン!」
ドール「う、ううう・・・」
クマた「お前は・・・」
クマた「ホミカちゃんが昔よく遊んでたドールちゃんやんけ」
クマた「最近見かけんと思ったら、何しとるんや?」
うさ吉「あのロボットのコクピットに乗せられてたんスよ」
うさ吉「ホミカちゃんの弟くんの手によってね!」
クマた「弟って、確か・・・」
〇黒背景
こんな見た目の、見るからにクソガキって感じの・・・
〇可愛い部屋
クマた「そーいやあいつ昔から、ホミカちゃんのおもちゃで勝手に遊んで」
クマた「壊したりしてブチギレられてたやんけ」
ドール「・・・私は秘密裏に奴に連れ出され、改造手術(ごっこ)を受けました」
ドール「気づけばあのロボットに乗せられ・・・」
ドール「無差別に襲いかかる殺戮マシーンに・・・!!」
クマた「いや、子どもの遊びにそんなマジで乗らんでも・・・」
うさ吉「でもこれでわかったッスよね、クマたパイセン」
うさ吉「自分たちの使命がなんなのか」
クマた「え?戦うん?」
クマた「クソガキ弟と戦う話なのこれ?」
うさ吉「ええ!ジブンたちはあのクソガキ弟をぶっ殺し!」
うさ吉「真の平和をこの家にもたらすためにいるッス!!」
クマた「思想が尊王攘夷派バリの強さ・・・」
うさ吉「さあ、一緒に奴と戦ってくれッス!!」
???「あ〜こんなところにあったぁ〜」
うさ吉「こ、この声は・・・!!」
〇可愛い部屋
弟「どこ行ったのかと思ったら、ねーちゃんの部屋にあったのかぁ〜」
うさ吉「お、弟くん(デブクソガキ)・・・!!」
クマた「仮にも飼い主の弟にそのルビはひどない?」
うさ吉「こっちにくるな!ドールちゃんはジブンが守るッス!」
弟「よいしょっと」
クマた「えっ」
クマた「ひょっとして・・・ワイ?」
弟「キャッチャーの代わり、このクマにやらせとこー」
クマた「ちょ、ちょ待てやこのクソガキ!」
クマた「ワイをミットがわりにするつもりか!?」
クマた「うさ吉!こんな時こそジブンの出番やろ!?」
クマた「助けてーな!」
うさ吉「でさでさーw」
ドール「ウフフ、うさ吉さん面白ーい」
クマた「やっぱり女の子にチヤホヤされたいだけやんけ!!」
このあとクマたは、球数制限いっぱいまでストレートを受け続けた。
うさぎさんイラスト使用ありがとうございます!
ぬいぐるみとのことでかわいいキャラかな~と思っていたらびっくり!
とっても味のあるキャラで笑わせてもらいました♪
テンポの良いギャグで最後まで笑いが止まりませんでした!
これからもがんばってください。応援しています。
BOTくん、暴走してますね(笑)
しかしやはり作中の掛け合いの方がレベルが高くて面白いです。気軽に楽しく読めていいですね。
ドリカムジョークが時間差で刺さりました。楽しかったです。
クマた「えっ、何がわかったんや?」
うさ吉「ぬいぐるみの使命って、ただ可愛がられるだけじゃないんスよ」
うさ吉「自分たちは、人々を笑顔にするために存在してるんス!」
クマた「笑顔にするため・・・?」
うさ吉「そうッス!この作品はコメディなんスから、笑いを届けるのがワイらの役目なんス!」
クマた「ほんまかいな・・・笑いの力ってすごいな」
うさ吉「そうッスよ!笑いって人々を元気にするし、癒してくれるんス!」
クマた「確かに、この作品を読んでる間は笑いが絶えなかったな」
うさ吉「それが目指すところなんス!だからこれからも一緒に頑張ろうぜ、クマたパイセン!」
クマた「うん、頑張ろうな!笑いを届けるんや!」
感想: 「クマたくんはぬいぐるみ」はユーモア溢れる作品で、笑いが絶えない楽しい読書体験でした。ぬいぐるみたちの日常や、ホミカちゃんとの関係性がとても可愛らしく描かれていて、ぬいぐるみの使命が笑いを届けることだというメッセージも感じました。笑いの力って本当にすごいなと思いましたし、これからも笑いを届けるために一緒に頑張りたいと思います!