嫌いな貴方をお兄ちゃんと呼びたい___。

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貴方のことが嫌いです。(脚本)

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〇ダイニング(食事なし)
  私がこのマフィアグループに入ってから数日、家事を全て終わらせて暇だったので一人で紅茶を飲んでいた。
  ほかのメンバーは学校だ。とある事件で私は社会では死んだことになっているため私は通えない。だから私は家で家事をしている訳だ
  かといって完全に1人では無い。不本意だがあいつがいる。
  私が1番大嫌いな存在ではあり、生みの親を殺した張本人
  優希だ。そんな彼が私に向かって話しかけてきた。ものすごく不快この上ない。
優希「なぁ、夢葉」
夢葉「なに?」
優希「一緒に船乗りにいかね?」
  なぜ急に「船に乗りに行かね?」なのか。意味不明すぎる。それにこいつなんかと行きたくない。だから私は断ることにした。
夢葉「は?なんであんたなんかと一緒に船乗らなきゃ行けないのよ。嫌なんだけど」
優希「依頼だよ」
  その一言で納得した。あぁ、どうせ面倒事だと。そして「あの」優希がこんなことを言い出すなんて珍しい。
  いつもぐぅたらしてるのに。
夢葉「おーいつも雑務もやらないくせに依頼も部下に押し付けてる優希さんが珍しいー(棒)」
優希「夢葉俺いじるの本当に好きだよな〜」
  訳の分からない。なぜ私が優希をいじることが好きだと思ったのだろう。
  なぜ生理的にも無理なあいつに対して好きなんて思わなければいけないのだろうか。考えるだけで嫌になる。
夢葉「は?好きなわけないでしょクソ優希」
優希「待ってそれは傷つく」
夢葉「勝手に傷ついとけクソ野郎」
  もう本当に早く死んで欲しい。私じゃ殺せないけど早く死んで欲しい。それ以外に願いなんてない。
優希「で、行くのか?行かないのか?」
  その言葉自体が不快。
夢葉「行かない✩」
優希「行け」
夢葉「やだ」
優希「命令だ」
  命令だろうが絶対やだ。なぜあいつがここのボスなのだろうか?対して仕事なんてしてない癖に。なんで急にやる気なのか。
夢葉「他の人を当たって。私はあんたと組むなんてごめんだから」
  うん。私以外に人(自分以外全員男性だけど)なんて沢山いる。それで十分だ。
優希「いや、今回の依頼は女手がいるんだよ。豪華客船だから飯は美味いぞ」
夢葉(...察し)
  なんだろう。ものすごく嫌な予感がする。
  ...まさか。まさかだがあれをやる気では無いだろうか。
  うん。一旦落ち着こう。そして一応確認のために内容気こう。それがいい。
夢葉「で、どんな依頼?」
優希「行ってくれるのか!?」
夢葉「内容次第✩」
  こうやって誘い出せば、あんなに誘ってくる優希だ。絶対教えてくれるはずだ。
優希「わかった。じゃあ説明する」
  今回の依頼の内容はこんなものだった___。
  マフィア達がパーティーをしてる豪華客船に潜入し、台風組のボスを殺せ。ただし、他にも敵マフィアが潜入している可能性がある。
  だからそこそこ戦える人材を連れて行け。じゃないと最悪死ぬとのことだ。
  うん。だいたい理由は分かった。本題に入る前にこれだけ言わせて欲しい──。
夢葉「なんでこんなアホなパーティー開いてんのよ!!!」
夢葉「一応裏社会のパーティーなんでしょ?もっと細々とやりなさいよ!そしてなんで沢山のグループが集まってる!?そこは戦場か!!」
優希「い、言いたいことは分かるがあまり大声で言うな。辺りに響く」
夢葉「それもそうね...。ごめん」
優希「分かったならいい」
夢葉「で、そこで何したいわけ?女手が必要な理由がさっぱり浮かんでこないんだけど」
  これだけならほかのメンバーでもいい。うちはマフィアグループでも4位と好成績を残しているマフィアだ。
  2人での戦闘を得意とするが、別に1人でも大丈夫なくらい個々の実力も高い。
  さぁ...なんで女手が必要なのだろう。
  もし予想通りなら殴る。
優希「ハニートラップだよ」
夢葉「は?今なんて言った?」
優希「ハニートラップだよ」
  ...予想通り
  よし!殴ろう!それがいい!
夢葉「...優希」
優希「なんだ?」
夢葉「さっさと滅びろクソ野郎ー!!!」
  〜シンプルに死ね(優希用)〜
優希「なっ!?」
  〜破壊〜
夢葉「破壊するなー!!!!」
優希「ちょ、痛い!痛いって!」
  と言いながら衝撃を破壊して受けてるように見せてるだけのくせに。
  いつになったら私はあいつを殺せるのだろう。
  ここまでの実力差があるとちょっとへこむ。
夢葉「...と、言いながら無傷でしょ」
  やっぱりあいつには傷一つ着いていなかった。攻撃を受けた痕跡すらもなかった。
  ...くそっ。
  早くここでやってしまいたいのに。
  なんで全て破壊されるのだろう。
優希「それもそうだが...。なんで殺そうとしてるんだよ」
  いつかあいつ、優希に両親の仇を打ちたいのに。
  全く歯が立たない。でも、視界に映るだけでも不快という。見てるだけで殺意が湧いてくる。
  大嫌いだ。
夢葉「ムカつくから☆」
  嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い。
優希「なんでだよ」
夢葉「ハニートラップはごめんです☆ まさか私のこと性的な目で見てるなんて考えるだけで気持ち悪い」
優希「見てねぇよ!台風組のボスが女好きらしいから使えると思っただけだ!」
  確かに女好きのクズにはハニートラップが有効。でも相手はマフィア。それを逆手に取った作成でハメて来るかもしれない。
  あらゆるリスクも覚悟しなければならない。それ自体は別に構わない。それくらいは対処はできる。
  だが、私がムカつく理由はもう1つある。
  なに15(学生基準なら高1)の女性に色仕掛けさせようとしているのよ!!!
  しかもハニートラップってことはあれは免れない!
夢葉(絶対に嫌。もう成人してる優希やりなさい。プライドがあるなら無くしてやる)
夢葉「自分で女装してやって」
優希「体格でバレるだろ」
夢葉「じゃあその能力で体格ごと破壊しなさいよ」
  実際あいつなら出来なくはない。
優希「なんでだよ!」
  そこまで言われても絶対やらない。決めた。これはもう確定事項だ。残念だったね変態のクズ優希。
夢葉「やったね!1人でできるね!」
  ほんともう1人でやれ。
優希「なんでだよ!!(2回目)」
  少しいじりすぎたのだろうか。優希は叫ぶのに疲れたのか、少し息を切らしてこういった。
優希「まぁ...。そんなに嫌ならそれでいい」
優希「でも...本当にそれでいいのか?」
夢葉「え?」
  「本当にそれでいい」とはなんだ。優希は何を一体考えている。考えても分かるはずがないし、どうせくだらないことのはずだ。
  でも何故か胸騒ぎがする。心臓の鼓動がより強く、より早くなった気がして落ち着かない...。
優希「今回殺す台風組のボスはお前の両親を殺せと依頼した張本人なんだが、どうする?」
夢葉「えっ...?」

〇ダイニング(食事なし)

次のエピソード:恨めない理由

コメント

  • 非日常を生きる2人の日常風景という、極めて特殊な空気感を楽しませてもらいました!物語背景も透けて見えて、とても魅力的です

  • なんだかんだ優希が悪いやつに思えないのは、彼女の言葉の端々に憎悪ではなく、ある種の熱を感じるからでしょうか? 単純な構図ではないだろうけど、彼女の哀しみを払拭できるきっかけになってほしいです。

  • 両親の仇だから殺したいのになぜか思い切れない夢葉のアンビバレントな心の揺れがいいですね。「嫌い嫌い嫌い…」が「好き好き好き…」に聞こえる気がして読者もちょっと恥ずかしくなるくらい。最終的に二人はどうなるのか興味があります。

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