5 新しい一歩(脚本)
〇大ホールの廊下
滝本リク「やっぱり納得出来ません!!」
桐山誠二「何だよ、新部長の栗原の補佐に成れたのがそんなに納得行かないか?」
滝本リク「違います!何で貴方が別の街に行かないといけないんですか!?僕はまだ、先輩に教えて貰いたい事沢山有るんですよ!!」
栗原美里「私も同意見よ!このチームのリーダーは桐山君こそが相応しい。桐山君の力で何とか出来ないの!?上の人達に顔が効くなら!」
桐山誠二「何だそんな事か」
滝本リク「そんな事って!!」
桐山誠二「残念だけど、こればかりはどうにも出来ないな。それだけお偉いさんが俺の事頼りにしてくれてるって事だし。何より、」
桐山誠二「これから行く先でパワハラとか有ったら誰かが止めてやらないと、そもそも俺がやりたい事やった結果だから」
滝本リク「それでも、納得出来ません」
桐山誠二「なぁリク君」
滝本リク「はい?」
桐山誠二「まだ若い俺が言うのも難だが、これから長い人生、上手く行く事も有れば行かない事も有る。あの課長見たいに自分勝手な奴も居る」
桐山誠二「もしかすると、あの課長より質の悪い事が嫌でも直面する事だって有るかも知れない」
滝本リク「は、はぁ」
桐山誠二「でもそんな奴等の事を考える事に意味は無い。社会なんてそんなもん。社会に出て当たり前。嫌な奴の事に時間を取られる暇が」
桐山誠二「有るなら、どんな理不尽とも笑って戦ってやれば良い。自分の思った事をやれば良い。自分の人生なんだからさ」
栗原美里「桐山君」
滝本リク「桐山先輩。僕は・・・いや俺は!」
滝本リク「俺、どんな仕事もやります!力付けて皆を助けて、絶対に桐山先輩に追い付いて見せます!先輩が俺にしてくれた事は絶対に」
滝本リク「忘れない!だから、恩返しさせて下さい!そして、また俺とカードバトルして、俺に勝って下さい!」
滝本リク「あの課長は自分をジャスティスって言ってましたが、俺には貴方が、本当のヒーローに見えるんです」
桐山誠二「リク君・・・あは、あはは、あっははははは!!」
滝本リク「せ、先輩!?」
桐山誠二「それだよ!俺が本当に見たいのは!嘘偽りの無い笑顔!決意に満ちた顔!やっぱこの手の物はこうで無くちゃ!」
滝本リク「先輩・・・絶対帰って来て下さいね!!」
桐山誠二「あぁ、どんな理不尽とも笑って戦えよ。応援してるからさ」
栗原美里「誠二君!」
桐山誠二「どうした?」
栗原美里「私からもお願い。どんな所に行っても絶対帰って来てね!時間は多く無かったけど、誠二君と一緒に仕事出来て楽しかった!」
栗原美里「だからさよならは言わない。誠二君、行ってらっしゃい!」
桐山誠二「あぁ、行って来る!」
栗原美里「私の事は、今日から美里って呼んでね。部長命令よ!」
桐山誠二「有難う、美里」
滝本リク「部長、桐山先輩は帰って来ますよね?」
栗原美里「帰って来るわよ。誠二君が言ってた嘘偽りの無い笑顔でね!」
滝本リク「そうです、そうですよね!!」
〇オフィスビル
理不尽な事は誰か一人だけに決まって訪れる事では無い。それらと向き合う事はとても怖いが、どんな過酷な状況でも
どんなに辛くても、それら全部を笑い飛ばして戦えば良い。俺達の旅は、まだ始まったばかりなのだから。
桐山誠二「さてお偉いさん、次はどんな場所に連れてってくれるのかな」
ご視聴有難う御座いました。また何処かでお会いしましょう。