〇丘の上
モブ子２「香ちゃんと同じグループで良かった～！ カレー、凄く美味しく出来ちゃった！」
適当な学級代表「南沢さん、色々とやってくれてありがと！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ううん、このぐらい全然！」
適当な学級代表「ただまぁ、色々と世話を焼かれてビックリしたけど・・・」
適当な学級代表「僕がジャージにカレーをこぼして・・・」
モブ子２「香りちゃん、凄い焦ってたもんね！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「服にカレーがこぼれると目の前が真っ黒 になっちゃって・・・」
適当な学級代表「そこまでっ!?」
モブ子２「でも香ちゃん、ひょっとして風ちゃんや、そらちゃんと同じグループが良かった？」
適当な学級代表「あ、言われてみればいつも一緒にいるイメージあるかも」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「まぁ、一緒のグループになりたかったかもなんだけど・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「さっきチラッと見たらさぁ・・・」

〇丘の上
東条　風（とうじょう　ふう）「あ、火が良い感じになったよー」
ドッジボール男②「お、サンキュっ、助かるっ！」
ドッジボール男②「ただ、女子は料理担当じゃなかったか？」
東条　風（とうじょう　ふう）「あぁ・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「料理が苦手だから、火を調理してましたぁ・・・」
ドッジボール男②「そうか、頑張れ・・・」

〇丘の上
北原　そら（きたはら　そら）「野菜は切った。 役目、終了」
ドッジボール男①「北原、こっち手伝ってくんね？」
北原　そら（きたはら　そら）「見返りがなければ動かざること山の如し。 見返り山人とは私のこと」
ドッジボール男①「・・・持ってきたお菓子、高めのチョコで手を打たないか」
北原　そら（きたはら　そら）「まいど」
ドッジボール男①「良い性格してんな・・・」

〇丘の上
南沢　香（みなみさわ　かおり）「なんか、これはこれで楽しそうだったからありかなって！」
適当な学級代表（本当、個性的な女子が集まったグループだよなぁ・・・）

〇丘の上
適当な学級代表「そういえば、西條さんとはよく喋るの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「うん、いつも４人でいるからね。 園と２人だけで遊んだことはあんまり無いけどね」
適当な学級代表「そっかぁ・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「どうしたの？」
適当な学級代表「いや、西條さんって一部の男子に人気があるからさ」
適当な学級代表「ひょっとしたら、この遠足で誰かに告白されるのかなぁって」
モブ子２「園ちゃん、可愛いもんね！」
モブ子２（ちょっとあざといなぁって感じるけど・・・）
南沢　香（みなみさわ　かおり）「そうなんだぁ、園が告白される・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「嬉しいけど、寂しくなっちゃうなぁ」
適当な学級代表「寂しい？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「４人で遊ぶ機会が減っちゃうかなぁって」
適当な学級代表「あー、たしかに」
モブ子２「わかるかも、仲の良い友達が付き合っちゃうと寂しくなるよね！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「でも、幸せなことだし、喜ばないとね！」
モブ子２「そうだね、香ちゃんの言う通り！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・・・・」

〇美しい草原
南沢　香（みなみさわ　かおり）（そっかぁ、園が付き合っちゃうのかぁ・・・）
南沢　香（みなみさわ　かおり）（４人で、ずっと仲良くって訳にはいかないのかなぁ・・・）
南沢　香（みなみさわ　かおり）（風・・・）
東条　風（とうじょう　ふう）「あれ、香。 ここで何やってるの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、風！ こんな所でどうしたの？」
東条　風（とうじょう　ふう）「園のこと探してて！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「園？ 私は見てないなぁ。 何かあったの？」
東条　風（とうじょう　ふう）「遠足に行く前、園に２人で話したいことがあるって言っちゃったからさ！」
東条　風（とうじょう　ふう）「・・・・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「何を話そう・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「そこ、決まってないんだ・・・」
男「でさー」
西條　園（さいじょう　その）「へー、そうなんだー！」
東条　風（とうじょう　ふう）「あ、園！」
東条　風（とうじょう　ふう）「・・・隣のクラスの男子とお喋り中、か」
東条　風（とうじょう　ふう）「今、喋りに行ったら流石に邪魔だよね」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、うん・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）「じゃあ、私は先に戻ってよっかな！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、風！」
西條　園（さいじょう　その）「あ、」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃーん！」
男「あ、えと、俺、先に戻ってるわ！」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃん、こんな所でどうしたの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、いや、その・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・良かったの？ せっかくお喋りしていい感じだったのに」
西條　園（さいじょう　その）「あ、今の？　ううん、全然気にしないで！ ただの友達だから！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、へぇ、ふーん・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・・・・」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃん、どうしたの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、いや、ごめんね！ なんでもない！！」
西條　園（さいじょう　その）「そういえば、風はどこかな？ 風と二人で話す約束してるの！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ね、ねぇ、園・・・」
西條　園（さいじょう　その）「なに？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「えっと、変な事を聞くかも、なんだけど・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「さっきの人と、風と一緒にいるのだったら、どっちが、いい・・・？」
西條　園（さいじょう　その）「えっ？ そんなの、決まってるじゃーん！」
西條　園（さいじょう　その）「絶対、風でしょ！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あっ・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「そう、なんだ・・・」
西條　園（さいじょう　その）「今は、風と一緒にいたいもんっ！ 他の男子は、興味無しっ！」
西條　園（さいじょう　その）「だって、風よりかっこよくて可愛い人、いないし！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「え、そ、そこまではっきり・・・」
西條　園（さいじょう　その）「そうだよ？ そうじゃなかったら、教室で叫んだりしないもん」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「え、自覚あったのっ!?」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃん、私を舐めないでよ？ 私、無自覚でそんなモテなさそうなことしないもん！」
西條　園（さいじょう　その）「変な男子に寄ってこられるとめんどくさいから、ちょっと変わった一面を出してるの！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「そ、そこも計算づくだったんだ・・・」
西條　園（さいじょう　その）「香ちゃん、どうして急にそんなこと聞くの？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「あ、いや、なんとなくね！　なんとなく！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「でも、その話を聞いて、なんかホッとしちゃったかも」
西條　園（さいじょう　その）「ホッとした？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ううん、こっちの話！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「じゃあ、園、一緒に戻ろっか！」
西條　園（さいじょう　その）「えー、風がいいな～」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「じゃあ、風、呼んでくる？」
西條　園（さいじょう　その）「・・・・・・」
西條　園（さいじょう　その）「ううん、一緒に戻ろ！」

〇観光バスの中
北原　そら（きたはら　そら）「香、なんか嬉しそうだな」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ちょっと、色々あってね～」
北原　そら（きたはら　そら）「色々、か」
北原　そら（きたはら　そら）「告白されたとか？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「ううん、その逆！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「告白されなかったから喜んでるの！」
北原　そら（きたはら　そら）「・・・・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「・・・はい？」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）「・・・ごめん、この反応は、性格悪かったかも」
北原　そら（きたはら　そら）「それは、性格が悪いのではない」
北原　そら（きたはら　そら）「性格がおかしいのだ」

〇木造の一人部屋
　　香「・・・ってことがあってね、だからもっと園と一緒に遊んじゃお！」
東条　風（とうじょう　ふう）「あぁ、ふーん・・・」
東条　風（とうじょう　ふう）（・・・園は、私のために男子と近づかないようにしてるんだ）
東条　風（とうじょう　ふう）（それって、いいこと・・・？）

〇ファンシーな部屋
西條　園（さいじょう　その）（・・・・・・）
西條　園（さいじょう　その）（結局、風と二人で喋れなかった・・・）
西條　園（さいじょう　その）（なんで、風は私の所に来てくれなかったんだろ・・・）
　　エピソード11
　　「お待ちかねの遠足っ!!」
　　～　完　～

〇教室
北原　そら（きたはら　そら）「遠足の疲れは気にせず・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「振り返りをするぞっ!!」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「休みなしっ！！」
北原　そら（きたはら　そら）「ミュージック、スタートっ!!」

〇教室
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「遠足の報告かな？」
北原　そら（きたはら　そら）「いぇっさー」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「遠足、楽しかったー！」
北原　そら（きたはら　そら）「ご飯がとっても旨かった」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「私は、変なことで悩んじゃったけど・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「考え過ぎだったみたい！　良かった～！」
北原　そら（きたはら　そら）「いや、それがそうでもない」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「え、そうなの？」
北原　そら（きたはら　そら）「帰り際、二人の表情は曇っていた気がした」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「え、そ、そうなの！？　なんとかしないと！！」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「でも、私、焦っちゃいそう・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「・・・私が、支えるということか」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「次回、「不安」」
北原　そら（きたはら　そら）「乞うご期待」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「・・・・・・」
北原　そら（きたはら　そら）「・・・・・・」
南沢　香（みなみさわ　かおり）　「い、今の話、本当？」
北原　そら（きたはら　そら）「来週になればわかることだ」