人工知能って何ですか?

たんぜべ なた。

エピソード2(脚本)

人工知能って何ですか?

たんぜべ なた。

今すぐ読む

人工知能って何ですか?
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇説明会場
助手「先生ぇ~。 ChatGPTって便利ですねぇ~。 レポート書くのも楽ですしぃ~」
先生「そうだねぇ~。 悪事がポロリするくらいに便利なんだねぇ~」
助手「あっ!! (しまったぁ~~~~!!)」
先生「・・・まぁ、良いでしょう。 確かに便利な世の中になったねぇ」
助手「Aiって、素晴らしい技術ですよ。 人工知能万歳ですっ!」
先生「おいおい。 Aiには、二つの技術的な意味があるんだぞ」
助手「ほへ? Ai=人工知能じゃないんですかぁ~?」
先生「う~む・・・。 Aiに対する誤解が深いようだねぇ」
  Aiの、二つの技術的意味
  一般的に知られている、人工知能(Artificial Intelligence)としてのAi。
  現状普及している、拡張知能(Augmented Intelligence)としてのAi。
助手「すいません、言われている意味が分かりませぇ~~ん!」
先生「だと思うよ。 何せ誰も説明できないからね」
助手「どうして説明できないんですか?」
先生「説明すると、方々の投資家さんから不興を買うからだよ」
助手「???」
先生「例えば、君が信奉している”ChatGPT”。 あれは、人工知能では無い!」
助手「え~~~~~~~っ!! あんなに流暢に回答してくるのにぃ~? 先生ぇだって、騙せそうなのにぃ~?」
先生「しれっと、問題発言が聞こえてきたが・・・。 まぁ、いいだろう」
  ChatGPTとは
  ユーザーの問い合わせた「文章」に対して、「文章」で回答してくるアプリ。
  概要は、次の通りです。
  1)ユーザー問い合わせの文章を分解する。
  2)分解した文章から検索対象のキーワードを取り出す。
  3)キーワードに紐付けられた諸々のデータを集めてくる。
  4)集められたデータを元に文章の組み立て(一回目)を行う。
  5)ディープラーニングにて積み上げられた「人間の語り口」を模倣し、4)の文章を組み立て直す(二回目)。
  6)回答を提示する。
先生「それでは、補足を入れていこう」
助手「(すでに、日本語が解らないぃ~)」
先生「まず文章の分解については「全文検索」ツールでは、当たり前の技術となる「分かち書き」ルールを使っている」
先生「次に、キーワードの紐付けの部分については、Googleが「MapReduce」という技術を用いれば、容易に実現できる」
助手「・・・」
先生「最期の文章構築部分は「GPT」というツールを用いて、文章に落としている」
先生「「GPT」ツールは、ディープラーニングを用いることで、蓄積された人間の数多の会話から、回答に適した文章を生成している」
助手「・・・」
先生「詰まる所、ChatGPTは、蓄積された膨大な言語データを操作しているだけに過ぎない」
助手「だから、「人工知能」じゃないんですかぁ?」
先生「これらは「拡張知能」という部類になるんだよ」
助手「なんだか、よく分かりませんが、出来合いのデータの集まりというのは解りましたぁ」
先生「専門用語が飛び交ったからなぁ」
助手「でも、「画像生成Ai」なら人工知能が使われてますよね?」
先生「いやいや、あれこそ「拡張知能」の塊だよ」
助手「でも、画像を生成してますよねぇ~」
先生「う~ん。 コンピュータに絵を書かせるというのは、かなり面倒くさいことなんだ」
助手「そうなんですかぁ?」
先生「そもそもコンピュータは、画像が一番不得手ときている。 だからディープラーニング等の技術が熟成するんだがな」
助手「???」
先生「まぁ、コンピュータと画像の関係は一旦おいて。 では、「画像生成Ai」はどうやって画像を出しているのかという話なんだが」
助手「(ワクワク)」
先生「これも、画像に付けられたファイル名なりキーワードなりを用いているに過ぎないんだ」
助手「(あらぁ~?)」
先生「つまり誰かが描いたであろう「画像」に付けられたファイル名なりキーワードを元に、画像を提示しているんだ」
助手「それって、不正に画像を利用しているんじゃ?」
先生「ああ。 だから、欧米の画家なり作家なりが生成系Aiが著作権を侵害していると騒いでいるんだ」
  日本の文化庁からも「Aiと著作権の関係等について」という資料が公開されています。
助手「なんだかアクドイ話ですね」
先生「結局、文章やキーワードから絵を描けるのは人間しか居ないんだよ」
助手「もう、Ai=人工知能って考えないほうが良いんですね?」
先生「みんなが「人工知能」というのは、 何なのか? どういう事なのか? を考えないといけないかもしれないね」
助手「私も考えよぉ~」

コメント

  • 今回も勉強になりました。「拡張」知能という言葉が眼から鱗でした。現段階では「人工」知能という言葉のイメージが一人歩きして社会が翻弄されている状況かも。一見新しく作り出したもののように見えても、元を辿れば結局人間の創作に行き着くから著作権の問題になるんですね。

  • AIについて少し考えさせてもらえるきっかけになりました。結局は私達人間の知能が元になっているということですね。人間に見出された知能がどのように発展していくのか楽しみです。

成分キーワード

ページTOPへ