真昼の吹雪

危機綺羅

3.太陽に焦がれて(脚本)

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〇教室
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「九冬のおかげで、真昼の遅刻が減って助かるよ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「いえ、そんな・・・真昼さんから迎えに来てくれますし」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「これからもよろしく頼むよ」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「お前がよろしくされるんだよ・・・」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・」

〇教室
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「──真昼さんと太陽先生って、どういう関係なの?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「んー・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「難しいね。一言じゃ言い表せないかも」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「そ、そうなの? ごめんなさい、デリケートなこと聞いちゃって──」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「親戚のお兄ちゃんだよ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「一言で済むじゃない!?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「昔からよく遊んでもらってたんだー」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「気をつかって損したわ・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「でもさー、そのせいか太陽ちゃん、私に構ってばかりなんだよね・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「もっと教師としての自覚を持ってほしいよ!」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「自覚があるから目を離さないんでしょ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・真昼さんは、太陽先生のことをよく知ってるのよね?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「まあね。おしめも替えてもらった仲だから!」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「替えてもらった側が言うことかしら・・・?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「──そ、それよりもね、太陽先生って恋人はいるの?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「恋人っていうか、お嫁さんがいるよ。前に言ってたし」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・どんな人?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「んー・・・なんというか、可愛いかな?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「年齢は? 身長とかスタイルはどうかしら? 職業は何を──」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ち、ちょっと待った!」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「吹雪ちゃんは太陽ちゃんのお母さんなの?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「ご、ごめんなさい。どうしても、その、知りたくて・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「もしかして、吹雪ちゃんってそういう感じ?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・真昼さんの思ってる通りよ」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「そっかー、まさか吹雪ちゃんが──」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「彼氏がいる女に興奮する人だったなんて」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「そんなわけないでしょ!? 私が思ってたのと全然違ったわ!」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「あれ、違った? 私の中にいる乙女がそう叫んだんだけどな・・・」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「そこにいるのは乙女じゃなくて獣よ」

〇教室
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「じゃあ吹雪ちゃんって、太陽ちゃんが好きなの?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「うぐ・・・そ、そうよ。悪い?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「札付きの悪だね」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「なんでそこまで言われるの!?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「だって考えてみてよ。太陽ちゃんだよ?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「なによ、教師と生徒だって言いたいの?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「私の親戚なんだよ?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「納得したけど、それ自分で言うわけ?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「正直、太陽ちゃんのどこが良いやら・・・?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「そ、そんなことないでしょ!」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「──去年から浮いてる私を気にかけてくれたし、授業のわからない部分とか詳しく教えてくれるし」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「たぶん、先生全員が同じことしてくれるよ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・あと、顔が好み」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ふっ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「あなた、今バカにしたでしょ!?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「まさかそんな・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「喉乾いちゃったな」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「──おい吹雪、ジュース買いに行くぞ」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「ものすごく軽んじられてる!」

〇警察署の食堂
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「──あ、太陽ちゃんだ!」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「真昼・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「──と、九冬も一緒か」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ちょうどいいや、太陽ちゃんにジュース買ってもらお」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「勝手に決めるな」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「そうよ、真昼さん。先生のご迷惑になるし・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「あー・・・まあ、いいか・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「真昼が世話になってるし、今回は特別な」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「え、あ、ありがとございます!」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「吹雪ちゃん、私のお世話しててよかったね」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・今だけは否定しないわ」

〇警察署の食堂
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「ありがとうございます」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ありがとね!」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「──そうだ、太陽ちゃん。お嫁さん見せてよ」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「あ? 別にいいけど、なんだ急に・・・?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「ち、ちょっと真昼さん・・・!」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「まあまあ・・・諦めるかは置いといて、見ときたいでしょ?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「それは、そうだけど・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「ほれ、最近また可愛いのが出てなー」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「うわぁ、相変わらずだね・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「引くなよ!? 見せろって言ったのお前だろ?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「・・・あの、先生?」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「これが、先生のお嫁さんなんですか?」

〇近未来の通路
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「そうだぞ! "デスティニードライブ"の『赤鹿川カガワ』ちゃんだ!」

〇警察署の食堂
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「女の子の、絵・・・?」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「可愛いだろ? この衣装のカガワちゃんをゲットするの大変だったんだよ。イベントの上位十名までしか配布されなくて──」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)(せ、先生が・・・重度のオタク・・・)
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「──かくして太陽は沈み、少女の春が過ぎ去ったのでした」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「勝手にナレーションをつけないでくれる!?」

〇綺麗な一戸建て

〇女の子の一人部屋
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「はぁ・・・」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)(太陽先生・・・よりにもよって絵が好きだなんて・・・)
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「絵の女の子より、私の方が──なんて」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「はぁ・・・」
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)(デスティニードライブ――だったかしら?)
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)(ゲームらしいけど・・・いったいなにがいいのやら・・・?)

〇綺麗な一戸建て
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「──基本無料ならちょっとだけ触ってみよ」

〇綺麗な一戸建て
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「先生が言ってた女の子、なんだか大変そうね・・・」

〇綺麗な一戸建て
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「もう、先が気になるのに! これ本当にクリアできるの!?」

〇綺麗な一戸建て
九冬 吹雪(キュウトウ フブキ)「あ、このカガワちゃん可愛い! 今から参加して手に入るかしら・・・?」

〇警察署の食堂
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「はぁ・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「太陽ちゃん、なーにしょぼくれてるのさ?」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「真昼? 学校では先生と・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「──いや、ちょうどいいし、お前でいいか」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ちょっと、手頃に性欲発散しようとしないで!」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「してねーよ!」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「・・・ジュースでも買ってやるから、少し聞いてくれ」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「なに、なんかあったの?」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「それがな、デスティニードライブのイベントで、ギリギリ入着できなくてよ・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「そのせいでカガワちゃんの限定衣装、取り損ねちまったんだよ」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「ふーん」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「──しかも、俺の代わりに入着したのが、始めたばっかりの新規アカウントでさ」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「なんつーか・・・ポっと出の男に嫁をかっさらわれた感じで、すげーショックなんだよ・・・」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「・・・ねえねえ、そのアカウントの名前とか分かる?」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「あ? 確か・・・ブリザードナインだったかな?」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「おお・・・」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「──あー、話してちょっとすっきりした」
常夏 太陽(トコナツ タイヨウ)「ありがとな。ほれ、これでジュースでも買えよ」
常夏 真昼(トコナツ マヒル)「・・・私の中の乙女に、ピタリ賞でもあげようかな」

次のエピソード:4.秋の空のごとく

コメント

  • 恋するブリザードさんがとてもかわいらしくて魅力的ですね!ソシャゲにはまっちゃうくだり面白かったです😄

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