読切(脚本)
〇豪華なリビングダイニング
「どうも〜」
渋谷玄道「渋谷ハルミチです!」
渋谷ソラ「渋谷ソラです!」
「そして我らが可愛い妹〜」
渋谷ヒカリ「・・・はぁ」
渋谷ソラ「ヒカリ!」
渋谷玄道「どうしたヒカリ?」
渋谷ソラ「いつも以上にやる気がないな」
渋谷ヒカリ「・・・人前」
渋谷ヒカリ「・・・苦手」
渋谷玄道「大丈夫だ、ヒカリ」
渋谷玄道「みんなヒカリの可愛さで目が潰れて、 視力を失ってるから」
渋谷ソラ「危な過ぎだろ、太陽か何かか?」
渋谷ヒカリ「ならいいけど」
渋谷ソラ「いいのかよ」
渋谷ヒカリ「でも、めんどくさい」
渋谷ソラ「ワガママな奴」
渋谷玄道「そうだ。 今日はヒカリのやりたいことをやろう」
渋谷ヒカリ「?」
渋谷玄道「今日は一日、ヒカリのワガママを聞く日だ」
渋谷ソラ「ハル兄は毎日そんな感じじゃね?」
渋谷玄道「ヒカリ、何がしたい?」
渋谷ヒカリ「・・・」
渋谷ヒカリ「世界征服」
渋谷玄道「ほう・・・」
渋谷ソラ「規模がでけぇな」
渋谷玄道「うーむ」
渋谷玄道「渋谷征服・・・くらいで手を打たないか?」
渋谷ヒカリ「考えとく」
渋谷ソラ「どの立場なんだよ?」
渋谷玄道「よーし、せっかくだから今からシミュレーションしてみよう」
「シミュレーション?」
渋谷玄道「まずは渋谷に行こう!」
〇電車の中
ガヤガヤ・・・ガヤガヤ
渋谷ソラ「東急線もなかなか混んでるな」
渋谷ヒカリ「うう・・・」
渋谷ソラ「ハル兄、人が多くてヒカリがソワソワしてる」
渋谷玄道「そういうときは外の景色を見よう」
渋谷ソラ「何その格好?」
渋谷玄道「車掌のハルミチです。乗り心地はどうですか?」
渋谷ソラ「そんなことを聞きにくる車掌はいない」
渋谷玄道「本日は〜東急線をご利用いただきまして、 誠にありがとうございます♪」
渋谷ヒカリ「この電車は止まりません」
渋谷ソラ「怖いこと言うな!」
渋谷玄道「お、そろそろ着くぞ。はぐれないようにな」
〇地下街
渋谷ソラ「って、言ったそばからヒカリがいねぇ!!」
渋谷ソラ「ハル兄の着替えが遅いから・・・」
渋谷ソラ「まぁ連絡もついたし、「ハチ公前に集合」って送ったから慌てることは・・・」
渋谷玄道「どうしよう、どうしよう・・・」
渋谷玄道「ヒカリにもしものことがあったら・・・」
渋谷玄道「あの、すみません! ヒカリを・・・妹を知りませんか?」
渋谷玄道「このくらいの、小さな・・・天使みたいに可愛い女の子なんです!」
渋谷玄道「誰か・・・助けてくださぁぁい!!」
渋谷ソラ「ハル兄!!」
〇ハチ公前
渋谷ヒカリ「・・・」
渋谷玄道「ヒカリ!」
渋谷玄道「心配したぞ!」
渋谷ソラ「勝手に一人で行くなって」
渋谷ヒカリ「・・・」
渋谷玄道「ん、どうした?」
渋谷ヒカリ「わんちゃん」
渋谷ソラ「ハチ公か?」
渋谷ヒカリ「可哀想。ずっとここで待ってるのに」
渋谷玄道「ふむ。確かに」
渋谷ソラ「つっても、待ち人はもう来ないしなぁ」
渋谷ヒカリ「じゃあ解放してあげたい」
渋谷玄道「よし」
渋谷ソラ「よしじゃねーよ。 ハチ公いなくなったら、待ち合わせとか困るぞ」
渋谷玄道「ハチ公「跡(あと)」に集まればいい」
渋谷ソラ「ただのフリースペースだろ! 初めて来た人はわからないぞ?」
渋谷ヒカリ「代わりを置くとか」
渋谷ソラ「代わりって何を・・・」
「・・・」
渋谷ソラ「ヒカリ、お前ソレどっから拾ってきた?」
渋谷ヒカリ「さっきそこで」
渋谷ソラ「あれぇ?今日ハロウィンだっけ?」
渋谷玄道「知らない人に声を掛けちゃいけませんと、 いつも言っているのに」
渋谷ヒカリ「人じゃないもん」
渋谷玄道「知らない犬にも声を掛けちゃいけません」
渋谷ソラ「ってか犬だけと犬じゃねぇし」
渋谷玄道「ヒカリ。残念だけど、彼はハチ公の代わりにはならないよ。 彼にも彼の生活があるからね」
渋谷ヒカリ「そっか・・・」
渋谷ヒカリ「じゃあウチで飼っちゃ・・・」
「絶対にダメです!!」
〇渋谷のスクランブル交差点
渋谷玄道「さぁヒカリ。これからどうする?」
渋谷玄道「センター街で食事にするか? パルコで買い物?」
渋谷玄道「奥渋の方に行けば、静かなカフェでゆっくり出来るぞ」
渋谷ソラ「もはや普通の観光だな。 渋谷征服はどこいった?」
渋谷ヒカリ「私は・・・」
〇ラジオの収録ブース
「渋谷兄妹の〜」
「電波ジャ〜〜ック!」
渋谷ソラ「っ!?・・・??」
渋谷ソラ「何?急に何が始まったの?」
渋谷玄道「この番組はわれわれ渋谷兄妹が、 渋谷のラジオ局をジャックした「テイ」でお送りしていきます」
渋谷ヒカリ「このラジオ局はわれわれがジャックした! ひどいことをされたくなかったら言うことを聞けぇ!」
渋谷ソラ「ヒカリ?」
渋谷ヒカリ「ヒカリのことはヒカリ様、もしくはボスと呼びなさい」
渋谷ソラ「どこで覚えてくるんだ、そんなの」
渋谷玄道「ボス。同志から沢山お便りが届いてます」
渋谷ヒカリ「読みなさい」
渋谷玄道「『ヒカリ様最高!』」
渋谷玄道「『ハルミチお兄様カッコいい!』」
渋谷玄道「『次男空気』」
渋谷玄道「『ってかアイツ名前なんだっけ?』」
渋谷玄道「などなど」
渋谷ソラ「俺だけ辛辣じゃね?」
渋谷ヒカリ「ここで一曲、 『犬のおまわりさん』」
渋谷ソラ「なんでだよ」
渋谷玄道「迷子の迷子の〜♪」
渋谷ソラ「アンタが歌うんかい!」
渋谷ヒカリ「お便り読みまーす」
渋谷ヒカリ「ソラ兄、うるさい」
渋谷ソラ「お前の感想じゃねぇか」
渋谷玄道「ソラ、今日はヒカリ・・・」
渋谷ヒカリ「ゴホン!」
渋谷玄道「ボスの好きなことをやってもらう日だから」
渋谷ソラ「別に俺は邪魔したい訳じゃ・・・」
渋谷玄道「ボス。新しいお便りです」
渋谷ヒカリ「読みなさい」
渋谷玄道「『高校球児です。そろそろ僕も変化球を覚えるべきでしょうか?』」
渋谷ソラ「(知らねぇよ)」
渋谷ヒカリ「もっと自分のストレートを信じなさい」
渋谷ソラ「(お前は何を知ってんだよ?)」
渋谷玄道「『サッカー部に入ろうと思っていますが、オフサイドのルールが全然わかりません』」
渋谷ヒカリ「キーパーをやったらいいんじゃない?」
渋谷玄道「『ボス、ナマステ。カバディしません?』」
渋谷ヒカリ「カバディはしません」
渋谷ヒカリ「でも頑張って」
渋谷玄道「さすがボス。ナイスなさばき」
渋谷ヒカリ「いぇい」
渋谷ヒカリ「それではここで一服」
渋谷玄道「今日のおやつは百貨店で買ったガトーショコラとミルクティーです」
渋谷ヒカリ「モグモグ・・・うん」
渋谷ヒカリ「いい仕事してる」
渋谷玄道「♪〜」
渋谷ヒカリ「なんだか眠くなってきちゃった」
渋谷ヒカリ「ハルミチく〜ん。お布団一枚」
渋谷玄道「かしこまりました」
渋谷ソラ「いい加減にしろ!!」
渋谷玄道「ソラ、今日はボスのやりたい・・・」
渋谷ソラ「黙らっしゃい!」
渋谷ソラ「好き勝手やりやがって、どう収拾つける気だ!」
渋谷ヒカリ「それでは今日はここまで。 チャンネル登録ヨロシク」
渋谷ソラ「終われるか! なんのチャンネルだよ?」
「zzz・・・」
渋谷ソラ「本当に寝てる!?」
渋谷玄道「仕方ない。 ソラ、代わりに画面の向こうの方々へ一言」
渋谷ソラ「え?えっと・・・今回はこんな中途半端な結果になってしまいスミマセンでした。 一同深く反省して・・・」
「って、なんで俺が謝んなきゃなんねーんだよぉぉ!!」
渋谷玄道「やれやれ」
(zzz・・・続く)
渋谷ソラ「続かない!!」
楽しくぐだぐだしてますね!
どうやってラジオを乗っ取ったんだろう?と思いつつも、ボスの発言が的確で笑ってしまいました!笑
渋谷制服おもしろかったです!
俺たち3人集まれば、神メンツ♪ NHKのLIFEが浮かんできました。笑うって幸せにしますねぇ、感謝。
仲の良い兄弟と、
とてもテンポの良い会話に思わずクスッとなりました😊
オフサイドがわからないならキーパーになれば良いは
確かに的を得ていて小さいながらも将来有望だなと🤔笑