シリウス(脚本)
〇見晴らしのいい公園
俺「今日は、星がきれいに見えるな」
友「えぇ、オリオンがくっきりと見えるね」
俺「お前は、昔シリウスが好きだって言ってたよな。天球上で1番明るい星やってな」
友「うん、そんなこと言ってたね」
俺「今のお前も輝いてるな」
友「輝いてる?・・・危ない輝きだけどね」
〇沖合
俺「お前の守ろうとしている物は、・・・そんなに一生懸命にならなあかんもんなんか」
友「えぇ、命をかけても」
俺「命をかけるって・・・なんでそこまでセナあかんのや。お前の守ろうとしてる宝物って、そうまでセナあかんのか」
友「彼らは、宝物の本当の力を知らないわ。知らないから、力づくでもつぶそうとするの。彼らには、不要なものだから・・」
友「・・・あなたは、それを知っている。知りすぎているから、その大事さを忘れてしまってるのよ」
俺「でも、お前がしなくても誰かがするやろ。宝物を守る前にお前自身を守るべきやろ、違うか?」
俺「お前自身があってこそ、お前の思いが大切になるんちゃうか」
友「その誰かっていうのが、私だってことなの」
〇サイバー空間
俺「正直な話、お前のことが心配やねん。危ない目にあってんのやろ」
友「確かにそうね。でも、彼らが私の生き死にを握ってるんじゃないわ、私を生かすも殺すもできるのは・・・仲間よ」
俺「・・・」
友「別に、あなたを責めてるんじゃないわ。けど、それが真実なのよ」
俺「・・・そうだな・・・俺に、何ができるんやろ」
〇幻想
友「それにしても、オリオンが大きいわね。昔はもっと小さかったような気がしたけど」
俺「そうやな・・・北極星はどれやったっけ」
友「忘れたわ」
俺「俺も北極星みたいに不動になりたいよな」
友「・・そう。でも、不動ではないでしょ。宇宙は膨張してるって言うから、もしかしたら反対方向へ動いてるかもしれないじゃない」
友「・・・みんな、見ようとしないから、見えないものなのよ」
俺「・・・」
〇水の中
友「そろそろ時間だわ、もう行くね」
俺「そうか、気を付けてな」
友「それじゃあ」
その声が、遠くスマホの中に消えていった。
〇団地のベランダ
あいつは、戦いの中へと向かって行った。
俺は、ベランダでビール片手に星を眺め続けた。
俺に、何ができるというんだよ。
遠く離れたあいつに。
何もできない、なにも。
どうすることもできないんだよ。
遠くで、眺めていることしか出来ないんだよ。
・・・仕方ないんだよ。
〇電脳空間
でも・・・・・・・・・・・・・・嫌だ。
出来る。 出来る。 出来る。
出来るんや。
そう、
出来るんや。
まずは、俺自身に打ち勝ってやる
〇氷
そして
俺は、おおいぬ座になりたい。
光輝くシリウスを内包する、おおいぬ座に!
〇星
おしまい
冬の夜空は空気が澄んでいてきれいですよね。
嫌なこと全てを消してくれるような空です。
そんな中、覚悟を決めた彼女はかっこいいです。
秋から冬にかけては空気が澄んで星がきれいにみえますよね。ちょっと寒いけれど私もベランダでビール片手に壮大なことを考えられるような人間になりたいです。
星は詳しくありませんが、宇宙が広がってるって話は聞いたことあります!
仲間を守るために自分の犠牲を厭わない姿は見ていてかっこいいです泣